~業界トップの食品原料を有する商社、環境ビジネスも主力事業へ~
【ポイント】
・新型コロナの影響は続くものの、飲料関係の食品原料が好転している。販路の開拓もあって、アイスクリームの業績改善も見込める。環境関連の大型シーリングファンは引き続き好調で、大きく伸びよう。
・実際、今期の1Qは大幅増益となった。このペースで行くと下期をかなり慎重にみても、会社計画の営業利益を大幅に上回ってこよう。会社計画の630百万円(前期比+17.2%)に対して、850百万円(同+58.3%)を予想する。ピーク利益の更新となろう。
・当社は、飲料用のビタミンC、缶コーヒーや製菓用の殺菌乳、飲料やデザート用のマンゴーピューレ・バナナピューレの取扱量で、民間企業として日本No.1、独自の専門性ときめ細かなサービスを特色とする提案型複合機能商社を実践している。
・最近は、食と環境のオーウイルに進化しつつある。物流倉庫などの大型施設で使われる大型シーリングファンが利益貢献を高めている。大型施設用のHVLS(大風量低速回転)ファンは、猛暑対策や省エネに加え、施設内の空気循環などコロナ対応にも寄与する。圧倒的な換気力と制音性で、用途も大型物流倉庫から、商業施設などへ広がりつつある。毎年の新設倉庫だけで7000台の潜在需要に相当するので、大きく飛躍しよう。
・昨年100%子会社のアクセルテックを新設し、電気工事業のメビウスを譲受した。小規模ながら同社をベースに、大型シーリングファンの設置工事の内製化を図る。これによって、受注獲得の競争力を高め、同時に付加価値の向上も見込めよう。
・新型コロナウイルスの影響は、外出自粛などによって消費活動が低下し、飲料関係の原材料やアイスクリームの需要減に大きく出た。これが好転しつつある。換気をよくする空調の大型シーリングファンの販売は、倍増ペースの伸びが続いている。
・新商材、人材投資、M&Aの具体化に力を入れている。目標である営業利益15億円に向けては、もう一段のレベルアップが求められるが、その路線作りに励んでいる。好業績と増配が期待できる安定好配当を反映して、株式市場での評価は一段と高まってこよう。
目 次
1.特色 食品原料を軸に複合機能商社を志向
2.強み ビタミンC、殺菌乳、マンゴーピューレで業界トップクラス
3.中期経営方針 大型シーリングファンが主力ビジネスに成長
4.当面の業績 環境ビジネスの利益貢献が高まり、ピーク利益の更新へ
5.企業評価 引き続き安定した好配当利回りに注目
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2021年9月1日) |
1058円 |
時価総額 | 33億円 (3150千株) |
PBR | 0.98倍 |
ROE | 16.4% |
PER | 6.0倍 |
配当利回り | 4.7% |
総資産 | 10570百万円 |
純資産 | 3405百万円 |
自己資本比率 | 31.6% |
BPS | 1081.1円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 税引き利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2012.3 | 26431 | 439 | 443 | 158 | 50.3 | 30.0 |
2013.3 | 27443 | 373 | 393 | 225 | 71.6 | 30.0 |
2014.3 | 27084 | 279 | 322 | 165 | 52.7 | 30.0 |
2015.3 | 27677 | 246 | 257 | 121 | 38.7 | 30.0 |
2016.3 | 27802 | 254 | 271 | 163 | 51.8 | 30.0 |
2017.3 | 28121 | 326 | 331 | 202 | 64.3 | 30.0 |
2018.3 | 31033 | 439 | 461 | 300 | 95.3 | 33.0 |
2019.3 | 31375 | 595 | 593 | 411 | 130.7 | 40.0 |
2020.3 | 32685 | 674 | 724 | 472 | 150.1 | 45.0 |
2021.3 | 29527 | 537 | 551 | 347 | 110.3 | 45.0 |
2022.3(予) | 28000 | 850 | 860 | 560 | 177.8 | 50.0 |
2023.3(予) | 29500 | 950 | 940 | 610 | 193.7 | 60.0 |
(2021.6ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2008年7月に1:300の株式分割を実施。2008年3月期以前のEPS、配当は修正ベース。2011年3月期より連結ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/ouiru202109.pdf
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