マーケットエンタープライズ<3135>は、株主に対する利益還元は重要な経営課題であると認識しているが、これまでのところは無配となっており、2019年6月期も無配継続の予想としている。
同社は法人向けリユース、通信(モバイル)、レンタル、メディアなど、成長分野を多数抱えているが、前述のように先行投資期間は一旦終了し、2019年6月期からは過去最高益更新を狙うステージに入っている。「おいくら事業」の事業買収のように、成長加速に寄与するM&A等の機会は今後も想定されるため、内部留保を厚く持っておく方策は十分説得力があると言える
一方で2017年8月に発行した業績目標コミットメント型ストックオプション(インセンティブ・プラン)が、2020年6月期の業績次第では行使されることが視野に入りつつある。これは株主還元を考える良い機会となるかもしれない。
■情報セキュリティについて
AWSのサービスを活用し、そこでデータを保管することで流出等のリスクを最小化
同社はインターネット特化型リユース企業として、情報セキュリティについては高い関心と注意を持って臨んでいる。
同社は社内で利用するPCに関し、PCにデータをインストールするタイプのアプリは、WordやExcelなどの基本的なオフィスソフトを除き、基本的に使用していない。サーバーとしてアマゾン・ドット・コムのアマゾンウェブサービス(AWS)を利用しており、データはそこにすべて管理されている。各PCはサーバーにアクセスするための端末としてのみ利用しており、データ保管機能を持たせていない。
顧客の個人情報については、暗号化は当然のこととして、複数のシステムを組み合わせて初めてアクセスが可能な体制としている。これによって社外に流出するリスクを減少させている。また、クレジットカード情報について同社は外部の決済サービス事業者を活用しているため、同社からの情報流出のリスクはない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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