日経平均は反発、日米貿易交渉に絡んだ思惑買いが入るも上値重い
16日の米国株式市場は続落。ダウ平均は699.57ドル安の39669.39ドル、ナスダックは516.01ポイント安の16307.16で取引を終了した。半導体エヌビディアや受注低迷を受けた同業ASMLホールディングの下落が重しとなり、寄り付き後、下落。その後、戻りなく、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演で、関税を巡る不確実性により当面金融政策を据え置く方針を再表明、さらに、関税がインフレにつながり、長期化する可能性に言及し利下げ期待が後退したため売りがさらに加速した。終盤にかけ、相場は下げ幅を拡大し終了。
米国株は下落し、為替も円高推移となったことなどから、東京市場は高安まちまちで取引を開始。日経平均は前日終値水準で取引を開始した後は、米国で開始した日米貿易交渉をめぐる短期筋による思惑先行の買いが入り34200円台まで上昇する場面が見られた。ただ、買い一巡後は、日米貿易交渉の動向を見極めたいとするムードが強まり、積極的な買いは手控えられ、日経平均の上値は重くなった。プライム市場の売買代金は1.7兆円台と引き続き商いは細っている。
日経平均採用銘柄では、ガスタービンの生産能力を3割増やすと報じられた三菱重工業<7011>が買い優勢となったほか、IHI<7013>、川崎重工業<7012>、日本製鋼所<5631>も思惑先行で買われた。また、SUMCO<3436>、スクリーンHD<7735>、アドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>など半導体株も買われた。住友鉱<5713>、ENEOSホールディングス<5020>、出光興産<5019>など資源株もしっかり。このほか、TDK<6762>、三越伊勢丹<3099>、ダイキン<6367>、クボタ<6326>、サイバー<4751>などが買われた。
一方、円高一服などが影響してニトリHD<9843>が売られたほか、東京エレクトロン<8035>は引き続き弱い。また、花王<4452>、資生堂<4911>も売り優勢となった。
このほか、古河電工<5801>、協和キリン<4151>、信越化<4063>、キーエンス<6861>、りそなホールディングス<8308>などが売られた。
業種別では、石油・石炭、機械、鉱業、その他製品、保険などが上昇した一方、倉庫・運輸、水産・農林、小売、化学の4セクターのみ売られた。
第1回目の日米関税交渉の協議後、赤沢亮正経済財政・再生相は「早期の合意を目指すことで両国が一致した」と述べたほか「為替は議題にならなかった」などと発言。この発言が材料視されて為替は1ドル142円台まで戻したが、ドル売りの圧力は強く、一時的な戻しと考える。ドル・インデックスは99.3水準と引き続き100を下回って推移しており、世界的なドル離れの地合いは変わらないと想定。後場の東京市場は、引き続き積極的な売買は手控えられよう。為替を横目に見た展開となり日経平均は34000円台を下回る場面もあると考える。
<AK>
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