■Jテック・C <3446> 3,455円 (+455円、+15.2%)
東証プライムの上昇率トップ。ジェイテックコーポレーション <3446> [東証P]が急反騰。同社は19日取引終了後、プラズマ援用研磨(PAP)装置を受注したと発表しており、これが材料視されたようだ。PAPは大阪大学の独自研磨技術で、次世代半導体材料であるSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)基板、更には単結晶ダイヤモンド基板を高速かつ高精度に平坦化できるのが特長。同社にはこれまで複数企業からの引き合いがあり、実用化を進めているが、このほど第1号となるPAP装置の開発機を受注した。
■細火工 <4274> 1,574円 (+186円、+13.4%)
細谷火工 <4274> [東証S]が続急騰。19日夜のTBSニュースで、23年度の予算について、「防衛費は今年度の当初予算に比べて25%増えて、過去最大のおよそ6兆8000億円に拡大。とくに長距離ミサイルを含む弾薬の経費は8283億円を計上する方向で、近年の3倍以上に達する」と報じられたことを受けて、火薬や弾薬を加工した火工品を手掛ける同社に思惑的な買いが向かったようだ。また、ロケットや防衛用ミサイルの固体推進薬原料となる過塩素酸アンモニウムを国内で唯一製造するカーリットホールディングス <4275> [東証P]も急反発した。
■ソーダニッカ <8158> 668円 (+39円、+6.2%)
ソーダニッカ <8158> [東証P]が続急伸。19日取引終了後に発表した株主優待制度の一部変更を材料視した買いが入ったようだ。2023年以降、毎年3月31日現在の株主名簿に記載又は記録された1000株以上保有する株主に、一律3000円分のQUOカードを贈呈する。加えて「ソーダニッカ・プレミアム優待倶楽部」を導入。23年3月31日を初回とし、1000株以上を保有する株主に対し優待ポイントを付与する。1000株以上1499株以下の場合は3000ポイントとし、保有株数に応じて段階的にポイント数が増える仕組み。5万株以上は5万ポイントとする。特設ウェブサイトに登録することで、商品の交換など、付与されたポイントに応じた優待を受けることができる。一方、1000株以上を5年以上継続保有する株主に対し、追加で2000円分のQUOカードを贈呈する現行の長期保有優遇特典については廃止する。
■三菱UFJ <8306> 818.4円 (+46.2円、+6.0%)
三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が続急伸。日銀が20日まで開いた金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)政策の運用方針を修正し、長期金利の変動幅の上限を従来のプラス0.25%からプラス0.50%に引き上げることを決めた。国内の長期金利に上昇圧力が掛かることで、利ザヤが一段と改善に向かうとの期待が膨らみ、銀行株に対し資金が流入したようだ。三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]やみずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]も上げ幅を拡大。りそなホールディングス <8308> [東証P]やコンコルディア・フィナンシャルグループ <7186> [東証P]が大幅高となった。第一生命ホールディングス <8750> [東証P]など保険株にも買いが集まった。
■日経Dインバ <1357> 378円 (+16円、+4.4%)
NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 <1357> [東証E]が4日続伸。日経Dインバは日経平均に対し逆方向に連動し、パフォーマンスがマイナス2倍に基本設定されたETF。20日、日銀は金融政策決定会合の結果を発表し、イールドカーブ・コントロール(YCC)の運用方針について長期金利の変動幅の上限をプラス0.25%からプラス0.50%に引き上げることを決めた。国内金利に上昇圧力が掛かることにより日米金利差が縮小するとの見方から、外国為替市場ではドル安円高が急速に進行。日本株も先物主導で売られ、日経平均株価は一時700円を超す下げとなった。株式相場の先安観が台頭するなか、株安が利益をもたらすベア型ETFを物色する動きが広がっている。
■ワークマン <7564> 4,900円 (+175円、+3.7%)
ワークマン <7564> [東証S]が4日ぶり大幅反発。日銀金融政策決定会合で、長期金利の変動幅を「プラスマイナス0.25%程度」から「プラスマイナス0.5%程度」に拡大することを決めたことを受けて、為替相場で円高ドル安が進行した。ワークマンは、プライベートブランド(PB)商品の大半の価格を23年8月まで据え置く方針とし、円安による採算悪化が懸念されていたが、為替相場が円高に振れたことでこうした懸念が薄らぎ買い安心感につながったようだ。
■リボミック <4591> 206円 (+7円、+3.5%)
リボミック <4591> [東証G]が大幅反発。19日の取引終了後、中国企業2社との間で中国地域における「RBM-007」の加齢黄斑変性などを適応疾患とする臨床開発を担う合弁会社設立に関して基本合意したと発表しており、これを材料視した買いが向かった。合弁会社の名称は「RIBOMIC Biomedical Technology(Shanghai)」で、出資比率はリボミックが34%、中国企業2社がそれぞれ33%となる見通し。リボミックは合弁会社設立契約の締結後に合弁会社での資金調達や臨床開発の進展により、マイルストンと上市後にロイヤルティーを合わせて最大で1億ドル(約137億円、1ドル=137.76円換算)受け取る見込み。
■オンコリス <4588> 494円 (+12円、+2.5%)
オンコリスバイオファーマ <4588> [東証G]が4日ぶり反発。19日の取引終了後、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301)の開発状況やビジネス活動について、直近の状況と今後の見通しを明らかにしており、これが手掛かり材料となったようだ。国内では、2024年にテロメライシンの承認申請を行う予定。現在、2023年にテロメライシンの販売提携契約を締結する目的で、国内の内資、外資の複数の製薬会社とデューデリジェンスや経済条件の交渉を進めているという。海外では、既に獲得しているテロメライシンの米国での食道がん領域でのオーファンドラッグ指定に加えて、新たに胃がん領域でのオーファンドラッグ指定取得に向けた活動を進めているとしている。
■きちりHD <3082> 606円 (+14円、+2.4%)
きちりホールディングス <3082> [東証S]が反発。12月の権利付き最終日である28日を控え、権利取りを狙った買いが入ったようだ。同社は6月決算銘柄だが、中間配当は2円50銭を予定しており、年間配当は5円となる予定。また中間・期末の年2回、保有期間に応じて食事券を贈呈する株主優待制度もあり、配当利回り・優待が魅力となっている。
■ニューテック <6734> 1,366円 (+24円、+1.8%)
ニューテック <6734> [東証S]が上伸。同社は19日取引終了後、23年2月期の期末一括配当を従来計画の25円から40円に引き上げると発表しており、これが好感されたようだ。修正理由は、足もとの業績が順調に推移しているほか、不透明であった今期末までの電子部品の供給確保に一定のメドが立ったことなどを挙げている。
■ニトリHD <9843> 15,935円 (+265円、+1.7%)
ニトリホールディングス <9843> [東証P]が全体波乱相場のなか続伸。20日昼ごろに公表された日銀金融政策決定会合の結果を受けて為替市場では急激な円高が進んでおり、ドル・円相場は今年8月以来の高値圏まで上昇した。同社は円高メリット株の代表的な存在で、これまで円安による輸入コスト上昇の影響を受けてきた経緯がある。円高進行によって、今後業績の改善が進むとの期待感から買いが入ったようだ。
■川崎汽 <9107> 2,725円 (+40円、+1.5%)
川崎汽船 <9107> [東証P]が反発。20日付の日本経済新聞朝刊が「川崎汽船の明珍幸一社長は2023年3月期に株主還元の拡大を視野に入れていると明らかにした」と報じた。これを手掛かりとした買いが集まったようだ。報道によると、追加還元は下期の業績と営業キャッシュフローを見極めたうえで検討するという。あわせて液化天然ガス(LNG)の輸送船を25年までに6割増やす考えを示し、成長投資も進める方針としている。
■積水化 <4204> 1,892円 (+26円、+1.4%)
積水化学工業 <4204> [東証P]が4日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が19日付で投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエイト」とし、目標株価を2200円から2500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、23年3月期は配管・インフラ事業の原料コストアップに対して素早い値上げで利益改善に成功しているほか、2度の自社株買い発表を行うなど、経営環境の変化に対して機動的な対応を見せている点を評価。24年3月期は、請負住宅の棟単価アップ、分譲・建売の強化、配管・インフラの堅調持続、自動車用ガラス中間膜の回復などにより、同証券の従来予想を上回る営業利益を確保すると予想しており、営業利益予想を1050億円から1130億円へ上方修正した。また、バイオリファイナリーやペロブスカイト太陽電池など、事業の種まきを行っている点も評価している。
※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース
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