<話題の焦点>=7月24日を「テレワーク・デイ」に、政府が普及を後押し
テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用して時間や場所の制約なく仕事に従事できる働き方をいう。働き方の見直しが求められていることや、パソコンなどのセキュリティー対策が進んだこともあり、導入する企業は増加傾向にあるが、総務省が昨年7月に発表した通信利用動向調査によると、導入企業の割合は2015年末で16.2%(14年末は11.5%)と普及しているとは言い難い数値だ。
そこで、政府は20年の東京オリンピック・パラリンピックの開会式予定日である7月24日を「テレワーク・デイ」と定め、これを契機に普及を進めたい考え。12年のロンドン大会では、交通混雑によって市内での移動に支障が生じるとの予測から、市内の企業の約8割がテレワークを導入し、生産性向上やワークライフバランスの改善などの成果が得られたとされている。政府はこの成功事例にならい、東京都や経済団体などと連携し、競技会場予定地が集中する首都圏の企業を中心にテレワークを一斉に実施するよう呼びかけていく予定だ。具体的には、7月24日は、テレワークが可能な企業に、朝の通勤電車や自動車などを極力利用せず、少なくとも始業から10時30分まで、在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィス勤務のいずれかを要請。初年度となる今年は、国家公務員や賛同企業が一斉にテレワークを実施し、公共交通機関の混雑状況の変化などを検証するとしている。
こうした取り組みにより、今後さらなる導入拡大が見込まれ、テレワークに必要なシステムを開発・運用する企業の追い風となりそうだ。関連銘柄としては、クラウドソーシング(ネットなどを通じて不特定多数の人材に業務を委託する手法)を手掛けるクラウドワークス<3900.T>や、Web会議システムのブイキューブ<3681.T>、業務効率化のグループウエア大手のサイボウズ<4776.T>、BYOD(私有端末を業務に有効活用すること)を活用したモバイルワークシステムなどを展開するソリトンシステムズ<3040.T>に注目。
また、ネットワークデバイスをクラウド上からまとめて管理するオプティム<3694.T>、さまざまな端末から社内ネットワークに接続できる環境を提供するソフトバンク・テクノロジー<4726.T>、文字情報のデジタル変換を高精度で行うクラウド型デジタル化サービスを手掛けるSAMURAI&J PARTNERS<4764.T>、専用のUSB認証キーを利用して社内のパソコンやサーバーに安全にリモートアクセスできるソリューションを展開するジャパンシステム<9758.T>などにも商機がありそうだ。
出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
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