●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。2つ目の質問になりますが、さらなる業績成長を目指して行動するため開発用地や賃貸物件を取得すると、営業キャッシュフローや投資キャッシュフローがマイナスになってしまいます。資金繰りのため銀行融資の依存度が高くなり、投資家が不安になってしまうと思うんですね。業績成長のため攻めれば攻めれるほど、その傾向が高まってしまいますが、キャッシュフローについてどのように考えていますでしょうか。
■ヤマイチ・ユニハイムエステート 山田
ありがとうございます。ご指摘のとおり、我々不動産の開発会社の場合は、もう先に先行投資で次の成長の種をまきますので、攻めれば攻めるほどどうしても資金が要ると、こういうビジネスモデルでございます。我々、不動産の販売と賃貸とやっていまして、キャッシュフローは短期、中期、長期と三つで考え方変えています。
短期というのが、賃貸物件の購入とか、こういったものを買いますと、もう既存の賃貸物件の場合、既にキャッシュを生んでますので、我々は基本的にはキャッシュフローが回るような物件、初年度はどうしても取得税とか手数料かかってきますけれども、2年、3年後はきちんとキャッシュフローが回るような投資を基本的にはやりますので、これは買ってちょっとするとキャッシュフローがプラスになるような、そういう投資になります。
中期のキャッシュフローについては、マンション開発でして、これは2年後ぐらいの売上を大体仕込みますので、投資してから2年後ぐらいに回収すると、こんなビジネスですね。
あと、長期に関しましては、大規模の開発ですね。素地から開発をして、かつ、規模が大きいものですね。これは5年ぐらいかかって回収に入りますので、この長期の案件ばかりやると、おっしゃるように、どうしても借入れがかさんで回収までの期間が長くなるので、この短期、中期、長期の開発案件のバランスをうまく取りながら、うまくキャッシュフローが平準化されるような投資をしていこうと、こういう考え方で今行っています。
●DAIBOUCHOU
じゃあ、営業キャッシュフローとかを見ると、その長期、短期、中期、どれが比率が高いかなども、よく分かるという感じですかね。
■ヤマイチ・ユニハイムエステート 山田
そうですね。とはいえ、我々、どうしても不動産マンなので、いい物件があるとつい買ってしまうというところがあるんですけれども、基本的には短期、中期、長期のうまくバランス取りながらというのが考え方になります。
●DAIBOUCHOU
分かりました。ありがとうございます。続いて気になる点は、開発事業や賃貸事業など、どうしても資産が必要な事業だと思います。投資家はどうしても懸念してしまいますが、仲介やコンサルなど、あまり資産を必要としない事業への拡大などは考えられていますでしょうか。
■ヤマイチ・ユニハイムエステート 山田
ありがとうございます。そうですね。当社は、まず、分譲マンションの管理事業に去年、一昨年ぐらいから入りまして、管理は、これも人を雇って、お掃除したり、日常的な修繕のあっせんとか、こういった間、立ち会いますので、仕入れの要らない仕事になろうかと思います。我々としても、こういう仕入れの要らない仕事を少しずつ拡大したいとは考えています。
一方で、仲介やコンサルとかの場合、労働集約になりがちになりますので、人のやりくりとか人件費とか、ちょっと違う悩みもまた出てくるかなと思います。ここら辺は、社内の人材とか全体のバランスを見ながら少しずつ拡大していこうかなと、考えています。
●DAIBOUCHOU
分かりました。ありがとうございます。続いて、有価証券報告書78ページの表によりますと、所有賃貸物件に43億円ぐらいの含み益があります。前年の20億円に比べて23億円も増えています。時価総額数十億円の会社にとって、43億円の含み益はインパクトが大きいと思うんですね。投資家へのアピール材料になると思うんですけれども、IR資料などには説明がありません。こちらはどのように考えられていますでしょうか。
■ヤマイチ・ユニハイムエステート 山田
ありがとうございます。さすがDAIBOUCHOUさんだなと思って、すごい感銘を受けるんですけども、やっぱりあれですか、資料は基本そこをよく見られるんですか、不動産投資の中で。
●DAIBOUCHOU
いや、賃貸物件を持ってる不動産会社は結構そこは見ますね。
■ヤマイチ・ユニハイムエステート 山田
そうなんですね。さすがよく読み込んでいただけてるなと思いまして、うれしく思うんですけれども。ご指摘のとおり、投資家へのアピールになるかと思いますので、これから少しIR資料のほうには参考にさせていただきたいなと思います。
上場するときの機関投資家回りのときの資料とかでは、結構その辺をアピールしてはいたんですけれども、人によって、「それすごいですね」っていう人と、「ああ、そうですか」っていう人と、割と極端な印象だったので、しばらく個人投資家さん向けのところでは、あまりそこのほうは強調してこなかったっていうのが今の背景かなというのが一つと。
あと、含み益、結局、顕在化する時っていうのは、物件を売却するときになろうかと思いますが、当社は基本的には長期保有が原則になっていますので、あまりそこを強調して、いつでも売りますよみたいなストーリーには今のところしていないというところではあるんですけれども。
ただ、おっしゃるように、切り札といいますか、何かあってもこれだけ売るものはあるというふうなアピールにはなるかと思いますので、今後のIR資料の作成の参考にさせていきたいと思います。ありがとうございます。
●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。5つ目の質問になりますけど、四半期業績の振れ幅が大きいです。その期の売却物件次第だとは思うんですけど、事業特性上、仕方がないんですけど、投資家評価が下がる原因の一つと思います。どのように考えられていますでしょうか。
■ヤマイチ・ユニハイムエステート 山田
おっしゃるように、今年なんかは特に顕著でして、第4四半期にほとんど売上と利益が上がっていくような計画になってしまってまして、四半期ごとに前年比で見ますと、23年3月期が第2四半期でぼこっと売上あったものですから、大丈夫か、この会社みたいな形で見られがちなので、ちょっとここは弊社の課題かなと思っています。
あと、どうしても業界的に3月のお引っ越しとか、年末のお引っ越しとか多いものですから、第3、第4四半期に偏る傾向があるかなというふうに感じていますので、ここら辺は、開発案件がどうしても何年っていう単位で開発するので、ピンポイントでこの期に完成させるとかが難しいところあるんで限界はあるのですが、ある程度、案件が多くなってくれば少しずつ平準化できていくのかなというふうに思っていまして。当社の規模ですと、どうしても30億から50億の物件をやりますと、一つの案件のインパクトが大きくありますので、その引渡しでぼこっと上がってしまうという傾向がありますけれども、これから少しずつ会社の体力つけて、およそ30億の案件がもう少し数こなせるようになれば、一つの取引のインパクトが平準化されていきますので、そこをならされていけばいいかなと、思っています。
●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。今回は第4四半期がすごい多くて、逆に、その割には第3四半期までの利益がそれなりに出てるので、悪くない状況なのかなと個人的には思っています。
■ヤマイチ・ユニハイムエステート 山田
ありがとうございます。
●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。
■ヤマイチ・ユニハイムエステート 山田
計画どおりには、今のところ進捗をしています。
●DAIBOUCHOU
そうですね。はい。6つ目の質問になりますが、夙川分譲地、こちらの業績、貢献度が大き過ぎて、2022年3月期の業績がよすぎて、その後の業績がちょっと横ばい程度、利益は減益と見た目が悪い状況です。成長企業として評価されにくく、投資家評価が上がらない原因の一つと思います。どのように考えられていますかね。
■ヤマイチ・ユニハイムエステート 山田
ありがとうございます。弊社は、どうしても開発の中で、先ほど申し上げた大規模な開発がぽこぽこと入ってきますので、なかなか真っすぐな線形成を持った成長っていうのが難しいところがございまして、この販売セグメントのほうは、マンションセグメントのほうで大きな土地の仕入れがあると、それを造っている間は、どうしても前年比と比べて横ばいになって見えたりとかするんですけれども、大きな開発案件が完成しますと、また引渡しがどんと入りますので、そこでかなり売上と利益が上に上がると、こんな形で今まで来ています。
ご指摘の夙川の案件は、5年かけて開発しまして3年ほどかけて売っていると、こんな状況でございまして、今その得られた利益を次の投資案件につぎ込んでいるという状況です。
ですので、真っすぐ右肩上がりというよりは、階段のような垂直に上がっていくようなそんな成長のイメージを持っていただけたらなと思ってますので、今はちょっと踊り場みたいなふうに捉えていただいて、後続の大きな開発案件が上がってくるタイミングで、またどかんと来るように今ちょっと仕込んでいるという状況でございます。
【ヤマイチ・ユニハイムエステート】著名投資家DAIBOUCHOU氏が自身の保有銘柄に直球質問!Vol.3に続く
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