「中高年に大ヒット!カップヌードル リッチ開発秘話(1)」日清食品マーケティング部ブランドマネージャーに聞く!<直撃Q&A>
Q1 「カップヌードル リッチ」を開発した経緯について教えてください
藤野 16年9月に45周年を迎えた「カップヌードル」ですが、その購入者層を見ると60歳代くらいから喫食率が下がるという傾向がありました。60歳代というと、カップヌードルが世に出た当時は20歳代で、最初のお客様でもあります。45周年記念商品を開発するに当たって、こうした人たちにもう一度、カップヌードルを食べていただこうというのがスタートラインになりました。
ただ、これまでにも、こうしたシニア層をターゲットとして、「減塩」や「カロリーオフ」などを意識した商品を投入していたのですが、思ったほどには受け入れてもらえませんでした。そこで、シニア層について詳しく調査したところ、一口にシニア層といっても「健康」を志向している人ばかりではではないということが分かりました。
特に、戦略ターゲットに設定した現在65歳前後のアクティブシニア層は、消費意欲が非常に旺盛で、もちろん健康には気を使っていますが、それよりも「おいしさ」や「質の良さ」を求めています。そこで、「質が良くて、その上に健康の要素を加える」というように、プレミアム感とプラス要素を打ち出すことにし、「贅沢とろみフカヒレスープ味」と「贅沢だしスッポンスープ味」の2品を発売しました。
Q2 200円を超える価格はかなりの挑戦だったのでは?
藤野 どんぶりタイプのカップめんには高価格帯の商品が多くありますが、カップヌードルのようなタテ型タイプには、ほとんどありませんでした。また、コンビニエンスストアのPB商品のなかには100円前後の商品もありますから、タテ型のカップめんで200円以上の商品を投入することについて、お客様に受け入れてもらえるだろうかという不安はありました。
しかし、実際に発売してみると、狙い通りに「味」を評価していだだける声が多く聞かれました。そうした「おいしい」という声は、多くの人が商品に対して価格以上の価値を見出していただけたということでもあります。
また、戦略ターゲットにしたアクティブシニア層は、自分たちのことを実年齢よりも10歳くらい若いと感じていることから、アクティブシニア層だけでなく、50歳代の人にも多く食べてもらえたのはうれしい誤算でした。結果的に、これが全体のボリュームの拡大につながったのだと思います。
※「中高年に大ヒット!カップヌードル リッチ開発秘話(2)」へ続く
出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
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