東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1400を超え、全体の9割近くを占めた。セクター別では、パルプ紙と石油石炭の2業種を除く31業種が上昇し、不動産、保険、ゴム製品、証券商品先物、建設、電気機器の強さが際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>が堅調だった半面、リクルートHD<6098>、オリンパス<7733>、アサヒ<2502>、キッコーマン<2801>が軟化した。
前週末の米国市場は、NYダウ、S&P500指数がともに史上最高値を更新したほか、SOX指数は4%を超える上伸となったことが投資マインドを好転させた。また。米アマゾンが、新たなデータセンター建設などのため、今後5年間で日本に2兆2000億円を投資すると発表したことから、引き続き半導体関連株に投資資金が集中した。また、日銀の決定会合では、金融政策が据え置かれるとの見方が大半のなか、不動産や銀行など金利敏感セクターにも買い気が波及し、日経平均の上げ幅は一時600円を超えた。
日経平均はようやく終値でも36000円の大台を回復した。関係者からは「これまで日本株に関心の薄かった海外投資家にも資金配分の見直しや新たに組み入れる動きが出始めている」との声もあり、海外勢の買い継続への期待は根強い。一方、金融政策の現状維持が想定される日銀決定会合では、展望レポートも発表される。植田総裁の記者会見から「賃金と物価の好循環」に関する評価の変化に関して何らかのヒントが得られるのかポイントだ。その上で、会見後の為替市場の動きにも注意が必要だろう。
<CS>
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