また最後に、コーポレートガバナンスやクライシスマネジメントの分野では、高名な専門家である白井 邦芳さんにご協力いただいています。ご多忙の中にもかかわらず、当社の節目ごとの重要な局面で、親身になってご相談に乗っていただいています。
なお、プライベート・エクイティ・ファンドの方については、まだ正式な承認をいただいているわけではありませんが、将来的にはこの最後のピースとしてご参加いただける方が現れることを期待しています。
次にご紹介するのは、スライドの一番下にある3本の柱のうちの1つ、新しいビジネスモデルの構想についてです。
最初に取り組んでいるのが、AIを活用したペルソナデータベースの創出です。これは、あるときふと気づいたことがきっかけでした。ペルソナ集団というものを、自分たちで意図的に作り出すことができるのではないか、という発想が生まれたのです。そこから、この構想をまずはアナログでスタートしてみようという考えに至りました。
事例として、当社では毎年、新年号において「昨年、千葉県で生まれた赤ちゃんを無料で誌面に掲載します」というキャンペーンを行っています。この企画により、千葉県内でお子様を掲載したいと考えるお母様やお父様から、写真とともに多くの情報をお寄せいただいています。
当社は、発行部数が約174万部ありますが、実際には40以上の異なるバージョンを発行しており、その中で700~800組程度の赤ちゃんを、新年号の1週にわたって掲載するという取り組みを継続してきました。
ふと気づいたのは、この情報はまさに「新生児がいるご家庭」の情報であり、ひとつの明確なペルソナ集団のデータベースになっているのではないか、ということです。そして、新生児は毎年誕生するため、この企画を継続することで、当社には年代ごとに切れ目なく、その時々のご家庭の情報が蓄積されていくということになります。
そうすると、例えば「離乳食を売りたい」というクライアントがいた場合、ただ広くフリーペーパーに広告を出すのではなく、700組の新生児を持つご家庭に限定して、ダイレクトメールなどのプロモーションを提案することができます。
さらに、赤ちゃんが成長するにしたがって、七五三、小学校入学、中学校入学といったライフイベントごとに、時間軸に沿ってアプローチを継続できるという点も、非常に大きな気づきでした。
このように、特定のタイミングで構築されたペルソナが、時間軸を追って継続的に活用できるという点が、新しいビジネスモデルの核となり得ると考えています。
株式会社地域新聞社:個人投資家向けIR説明会文字起こし(7)に続く
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