~カラオケを超えて、新しいエンタメ・インフラ企業をめざす~
【ポイント】
・今期から3ヵ年で、売上高1000億円、営業利益150億円以上、ROE 18%以上を目指す。新規出店はこれまでの50店ペースから100店ペースに上げていく。カラオケを超えるエンタメを楽しむ店舗とルームを提供すべく、新しいコンテンツ開発に取り組んでいる。
・国内カラオケは好調である。前期は、カラオケだけで、スピンオフ前のカーブスを含めた経常利益を抜いた。これは画期的である。2019年8月期の経常利益は9562百万円であったが、当時は6割弱がカーブスの利益であった。カーブスをスピンオフする時、カーブスに依存しない体制を作ると宣言したが、コロナ禍を経て実現した。今期もピーク利益の更新が続こう。
・なぜカラオケで大幅に稼げるのか。それは、コロナ下にあって業界が弱る中で、果敢な出店を継続したことによる。前期末のカラオケ店664店中、3割の約200店をこの4年で出店した。これが需要回復局面で、従来の既存店と遜色ない収益を上げている。まねきねこの集客力の高さが光っており、来期は営業利益で120億円を超えてこよう。
・2つの戦略を遂行している。1つは、プライベート エンターテイメント ルーム(PER)の実現を加速させており、もう1つはシェア拡大のチャンスとして、果敢な出店をM&Aを含めて展開している。駅前繁華街への新規出店を軸に、年100店(平均30~40ルーム)ペースへピッチを上げようとしている。
・2023年、本社を渋谷の道玄坂に移した。新しいエンタメ・インフラ企業を目指して、新立地をベースにブランド戦略を遂行している。働き方改革も進めており、人材の採用と定着にも寄与してこよう。
・次の成長戦略として、カラオケルームでの楽しみ方に、新しいデジタル商品や新サービスを開発していく。DXによる新規事業として、バーチャルなカラオケ体験サービスも順次拡大しよう。海外事業はマレーシア、タイ、インドネシアを含めて加速しよう。米国への進出も有望である。3カ国の海外事業は、今期から連結に入ってこよう。新しいコンテンツがヒットしてくれば、市場での評価も一段と高まってこよう。
目次
1.特色 「既存業種新業態」の余暇サービス提供企業
2.強み カラオケの首都圏展開で競争力を発揮
3.中期経営方針 カラオケからプライベートエンターテイメントへ
4.業務連携 アドバンテッジ アドバイザーズと提携し、成長を加速
5.当面の業績 収益力が向上し、3カ年計画の達成も視野に
6.企業評価 新たなエンタメの世界へ
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (2024年11月6日) |
1196円 |
時価総額 | 979億円 (82.3百万株) |
PBR | 3.17倍 |
ROE | 24.6% |
PER | 12.9倍 |
配当利回り | 2.0% |
総資産 | 61714百万円 |
純資産 | 30354百万円 |
自己資本比率 | 49.2% |
BPS | 374.9円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2018.8 | 61771 | 7858 | 8207 | 4426 | 54.4 | 10.0 |
2019.8 | 65840 | 9507 | 9562 | 6226 | 76.6 | 12.0 |
2020.8 | 43303 | 1147 | 1699 | -231 | -2.8 | 12.0 |
2021.8 | 20791 | -7628 | -3092 | -4144 | -50.8 | 4.0 |
2022.8 | 37995 | 2205 | 5331 | 3643 | 44.7 | 8.0 |
2023.8 | 54629 | 7667 | 7767 | 7104 | 87.1 | 12.0 |
2024.8 | 63263 | 10164 | 10934 | 6735 | 82.7 | 18.0 |
2025.8(予) | 71000 | 11600 | 11500 | 7500 | 92.1(82.1) | 24.0 |
2026.8(予) | 82000 | 12900 | 12800 | 8400 | 103.8(92.0) | 28.0 |
(2024.8ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは来期ベース。2018年5月末で1:4の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。カーブスを2020年2月末でスピンオフ(1:2.109の株式分割に相当)。潜在株式数10.387百万株、EPSのカッコ内は希薄化後ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/kosidaka202411.pdf
(開示)日本ベル投資研究所は、当社株式を1000株ほど中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則についてはこちら〕
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