1. 2024年5月期の業績概要
2024年5月期の連結業績は、売上高で前期比0.8%減の37,207百万円、営業利益で同2.3%減の4,348百万円、経常利益で同0.6%減の4,597百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.6%減の3,032百万円と若干ながら減収減益となり、会社計画に対しても売上高、各利益ともに未達となった。大型の橋梁関係業務の工期延伸など、複数案件で売上計上が翌期にずれ込んだことが主因だ。公共事業の建設プロジェクトにおいても、人材不足に起因して工期延伸の影響が出ているようだ。ただ、自然災害・リスクの軽減や環境対策、社会インフラ整備などの需要は引き続き旺盛で、受注高は同1.3%増の38,749百万円と2期連続で過去最高を更新し、期末受注残高も前期末比5.9%増の27,713百万円と過去最高水準に積み上がるなど繁忙状況が続いていることに変わりない。
売上原価率は前期の66.6%から66.5%と若干ながら改善した。前期に引き続き賃金改定の実施※により労務費は増加したものの、受注単価の上昇により吸収した。販管費率は前期の21.5%から21.8%と0.3ポイント上昇し、金額ベースでも45百万円増加した。賞与が減少した一方で、経営のDXに取り組むなかで新たな業務システムの利用料や償却費が増加したほか賃借料も増加した。この結果、営業利益率は前期の11.9%から11.7%と若干低下した。
※ 国は賃上げ促進策の一環として、公共事業の入札に関する事業者の評価項目の1つとして、2022年度より賃上げの実績状況(3%以上)を加えており、2023年度も継続した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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