■株式見通し:ポジションは傾けづらく、決算を手掛かりとした日替わり物色が中心に
■JR西、1Q営業損益 黒字転換 195億円
■前場の注目材料:日立造船、一般ゴミから水素ガス、小規模施設対応廃棄物処理システム事業化
■ポジションは傾けづらく、決算を手掛かりとした日替わり物色が中心に
3日の日本株市場は、こう着ながらも底堅さが意識されそうである。2日の米国市場でNYダウは402ドル安だった。ペロシ下院議長の台湾訪問を巡る中国の警告を受け、米中緊張の深刻化を警戒した売りが先行した。その後、ペロシ議長が問題なく台湾到着との報を受け、安心感から買戻しが強まり下げ幅を縮小。ただし、数名の連邦準備制度理事会(FRB)高官が講演やインタビューで、国内経済が景気後退には陥っておらず、高インフレの抑制が依然必要だとし、9月連邦公開市場委員会(FOMC)でも0.75%の利上げも除外しなかったため金利が急伸すると売りが再燃。シカゴ日経225先物清算値は大阪比75円高の27745円。円相場は1ドル133円00銭で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まりそうだ。前日にはペロシ下院議長の台湾訪問を巡る地政学リスクから過剰反応を見せていたこともあり、ポジション解消部分の買い戻しの動きは意識されやすいところであろう。とはいえ、米中間の緊張の高まりからポジションは傾けづらい需給状況であるため、決算を手掛かりとした日替わり物色が中心になりそうだ。
また、NYダウは大幅な下落だったものの、ナスダックは小幅な下げにとどまっているため、相対的に日経平均型の強さが意識されやすいと考えられ、NTロングの動きも入りやすいだろう。ただし、AMDが取引終了後の決算を受けて時間外取引で売られているため、ハイテク株の上値の重さは警戒してきたいところである。
日経平均は前日の下落により、直近もち合いレンジの下限まで調整した。27500円辺りは心理的な支持線として意識されやすく、5日線辺りまでのリバウンドは想定しておきたい。5日線が位置する27784円辺りでのこう着が続くようであれば、戻り待ちの売りが出やすいものの、短期的に仕掛けてくる局面においては、押し目狙いのスタンスといったところだろう。
なお、昨日の取引終了後に決算を発表したところでは、サンリオ<8136>、三井倉庫HD<9302>、東京エネシス<1945>、イーグル工<6486>、日曹達<4041>、アルメディオ<7859>などに値幅取り狙いの資金が向かいやすいと見られる。そのほか、マザーズ指数は引き続きリバウンド基調が継続しており、ナスダックの底堅い動きを支援材料に、中小型株の出遅れ修正の動きも引き続き注目されよう。
■JR西、1Q営業損益 黒字転換 195億円
JR西<9021>が発表した第1四半期業績は、売上高が前年同期比47.1%増の2971.44億円、営業損益は195.35億円の黒字(前年同期は493.87億円の赤字)だった。コンセンサス(36億円程度)は上回ったが通期は据え置きであり、コンセンサスの半分程度。運輸業セグメントでは、鉄道需要の回復により利用が増加したことから、営業収益は前年同期比54.8%増の1714億円、営業利益は89億円となった。
■前場の注目材料
・シカゴ日経先物は上昇(27745、大阪比+75)
・1ドル=133.10-20円
・米原油先物は上昇(94.42、+0.53)
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を長期化
・日立造船<7004>一般ゴミから水素ガス、小規模施設対応廃棄物処理システム事業化
・日野自<7205>03年からデータ不正、虚偽説明も発覚
・キヤノン<7751>画像解析で水稲の生育把握、システム実証
・兼松<8020>オートミール取り扱い拡大、25年3月期に1.7倍
・三井物産<8031>27年めどクリーンアンモニア生産、米社と年100万トン規模
・伊藤忠<8001>新食品ブランド立ち上げ、植物由来原料を使用
・伊藤忠<8001>韓国ロッテケミと協業、水素・アンモニア分野で
・ホンダ<7267>脱炭素へモータースポーツ再構築、HRCに機能集約
・日産自<7201>EV・電池開発強化、新たな資金調達手法導入
・住友化学<4005>子会社のサイオクス吸収合併、GaN基板事業を拡大
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・臨時国会召集(5日まで)
<海外>
・07:45 NZ・4-6月期失業率(予想:3.1%、1-3月期:3.2%)
・07:45 NZ・4-6月期雇用者数増減(前期比予想:+0.4%、1-3月期:+0.1%)
・10:45 中・7月財新サービス業PMI(予想:53.9、6月:54.5) <ST>
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