三井松島ホールディングス<1518>は、株主に対する利益の還元を経営上重要な施策の1つとして位置付けており、将来における安定的な企業成長と経営環境の変化に対応するために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績に応じた株主への利益還元を継続的に行うことを基本方針としている。この基本方針に基づき、普通配当ベースで18期減配なく配当を実施している。2024年3月期の1株当たり年間配当金は前期比220.0円減配の100.0円だが前期は創業110周年・最高益記念配当240.0円を行っており、普通配当ベースでみると前期比20.0円の増配となった。また、期初の予想と比較すると期末配当を20.0円増配しており、同社の株主還元を重視する姿勢が見て取れる。2025年3月期の配当に関しても、1株あたり100.0円(中間50.0円、期末50.0円)を予定している。
M&Aを実行しながら同社のキャッシュ創出力は今後も順調に高まっていくと弊社は見ている。実際、生活関連事業のセグメント利益にM&Aの費用として損益計算書から引かれる「のれん償却費」(実際のキャッシュアウトは伴わないにも関わらず、毎年一定額が費用として計上されるため、足し戻した金額が純粋なキャッシュ総出力となる)を足し戻したのれん償却前セグメント利益は確実に増加してきている。今後も、質の高いM&Aを実施する中で配当の原資となるキャッシュを積み上げ、しっかりと株主に還元していくものと弊社は見ている。
同社は、株主優待制度も実施している。2024年3月期は花菱の商品優待券(10,000円)や、三井港倶楽部、ラ・ロシェル3店舗で利用できるレストラン優待券(3,000円)、ケイエムテイのプレミアムペットフード優待券(2,500円相当)をを保有株数に応じて贈呈している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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