2025年7月期の連結業績は、売上高で前期比22.3%増の5,722百万円、営業利益で同97.7%増の111百万円、経常利益で同115.6%増の136百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同194.0%増の73百万円を見込んでいる。既存事業の着実な成長に加えて、新たに連結子会社化したささきと平成ハウジングが売上高に寄与する。不動産事業も足元で仕入れが順調に進んでおり、増収に寄与する見通しだ。利益面では、資材価格の高騰などを受け適正利潤確保を目的とした価格改定を実施することで、売上高の伸びを上回る成長を見込んでいる。
また、さらなる業績拡大を目的に、BtoC向けのリフォーム事業の進出を検討している。ゆくゆくは小型の店舗を多数展開することでBtoC市場でも迅速に店舗網を拡大し、新規収益基盤として確立することを目指す。業績の拡大と企業価値の向上に資するM&Aや、人材採用についても引き続き注力する。
■中長期の成長戦略
既存事業の成長と新規事業への進出により業績拡大と企業価値の向上を目指す
中長期的な成長戦略として同社は、既存のリフォーム事業の着実な成長と、新規事業領域やエリアへの積極的な進出により、さらなる業績の拡大と企業価値の向上を実現する方針を掲げている。主力のリフォーム事業は、工事件数・顧客数・従業員数をKPIとして設定している。それぞれのKPIの数値目標は、2026年7月期に完成工事件数を20,403件(2024年7月期比8,528件増)、累計登録顧客数を3,662社(同651社増)、従業員を141人(同49名増)にまで増やすことを計画している。既存顧客の深耕やリピート率の向上、新規顧客の獲得、外装・共用部工事などをはじめとする周辺工事領域への積極的な事業拡大により、KPIの目標達成を目指す。
新規事業は、従来のビジネスモデルにとらわれずに事業機会が見込まれる領域へと積極的に進出する。新たに開始した不動産事業は、新収益基盤となるよう育成を進めるほか、BtoC向けのリフォーム市場への進出も検討している。これら施策を遂行する手段としてM&Aも活用する方針で、周辺領域への拡大や事業規模の拡大、グループの成長と経営基盤の強化を目的に、事業シナジーを見込める企業を積極的にグループに迎え入れることを検討している。
さらに中長期的には海外への進出も検討している。海外については東南アジアの高所得国を中心に、同社の原状回復ノウハウによって顧客の潜在的なニーズの掘り起こしを狙う。2024年7月期には、TOMORROW WTO SDN. BHD.(マレーシア)との戦略的パートナーシップ契約の締結や、マレーシア連絡事務所の設置などを行った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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