■三菱重 <7011> 5,150円 (+260円、+5.3%)
三菱重工業 <7011> [東証P]が3日ぶりに急反発。高水準の売買代金をこなしながら上昇基調を強め、5162円まで上値を伸ばし新値街道に復帰した。岸田首相が掲げる新しい資本主義と骨太方針案の概要が明らかとなったが、安全保障の分野では防衛力の抜本強化に加え、 防衛装備品の輸出制限見直しなどが挙げられている。同社は日本の防衛産業の中核企業として、艦艇や戦車、戦闘機など陸・海・空すべてを網羅しており、政府の輸出規制緩和に伴う需要拡大が業績に反映されるとの思惑が、継続的な投資資金の流入を誘ったようだ。
■アンリツ <6754> 1,509円 (+76円、+5.3%)
アンリツ <6754> [東証P]が急反発。5月31日の取引終了後、上限を500万株(発行済み株式数の3.7%)、または50億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。取得期間は6月1日から7月29日まで。資本効率の向上と株主還元の充実を図るためとしている。あわせて、6月30日付で247万8900株(発行済み株数の1.79%)の自社株を消却すると発表した。なお、消却後の発行済み株数は1億3583万594株となる予定だ。
■日水 <1332> 545円 (+24円、+4.6%)
日本水産 <1332> [東証P]が大幅反発。商いを伴い反発したほか、マルハニチロ <1333> [東証P]、極洋 <1301> [東証P]など水産株に軒並み買いが集まった。業種別騰落で「水産」は33業種中で一時値上がり率トップとなる場面があった。原料価格の高騰などを背景に食品関連セクターの企業が相次いで値上げの動きを示している。日水はちくわなどのすり身製品や冷凍食品を8月1日納品分から値上げすることを発表しているほか、マルハニチロも冷凍食品について業務用は7月1日から、家庭用は8月1日から値上げすることを発表している。食品関連はこうした値上げの動きが比較的スムーズにできる強みがあり、株価面でもポジティブ視されやすい。
■日本空港ビル <9706> 5,540円 (+240円、+4.5%)
日本空港ビルデング <9706> [東証P]が大幅反発。5月10日の急落で開けたマドを完全に埋めると同時に、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスも示現するなど目先上値指向を強めた。6月から外国人観光客の入国規制緩和でインバウンド関連に幅広く物色の矛先が向いているが、外客を受け入れる空港も活況を呈することが予想される。直近では、羽田とソウル・金浦線の定期運航が今月15日にも再開する見通しが伝えられており、これを受けて羽田空港の“家主”である同社の株価を強く刺激する形となった。
■トヨタ <7203> 2,197.5円 (+75円、+3.5%)
トヨタ自動車 <7203> [東証P]が大幅反発。前日31日は上昇一服となったものの陽線で引けており、足もと上値指向の強さを示した。米国ではインフレ警戒ムードが再燃するなか、米長期金利が上昇し、外国為替市場ではドル買いの動きを誘発した。ドル円相場は1ドル=128円台後半までドル高・円安が進んでおり、輸出セクターには為替メリットが期待される状況にある。特に1円の円安で営業利益を400億円以上押し上げる効果があるとされる同社にとっては、今期業績の上振れ要因として株価にポジティブに働いている。同社の今期想定為替レートは1ドル=115円で実勢とは13円以上の開きがある。単純計算で5000億円以上の営業利益上振れ要因として考慮されるだけにインパクトは大きい。
■花王 <4452> 5,365円 (+169円、+3.3%)
花王 <4452> [東証P]が大幅反発。1日付の日本経済新聞朝刊で「傘下のカネボウ化粧品の主力ブランド『KANEBO』で、6月から中国でライブコマースを本格展開する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」を通じて、商品のライブ配信を毎日実施するという。KANEBOは中国に店舗がないことから、ターゲットとするZ世代に動画で直接訴えることで越境ECの拡大を狙うとしている。
■第一生命HD <8750> 2,701円 (+67.5円、+2.6%)
第一生命ホールディングス <8750> [東証P]が4日続伸、上値追い基調鮮明。5日・25日移動平均線もゴールデンクロスを示現した。米国ではインフレ警戒感の再燃で長期金利が上昇、米10年債利回りが2.85%台まで水準を切り上げたほか、超長期債の30年債は終値ベースで利回りが3%台を回復した。前日31日の米国株市場では全体相場が軟調な動きとなったものの、JPモルガン
■マルハニチロ <1333> 2,290円 (+57円、+2.6%)
マルハニチロ <1333> [東証P]が反発。1日午後、グループ会社であるオランダのシーフード・コネクション・ホールディング社が、イギリスでエビ・バサ・タラ・サーモンなどの水産加工品を販売するノースコースト・シーフーズ社の全株式を取得し、イギリス市場に本格参入したと発表しており、これが好感された。欧州におけるイギリスの水産物消費はイタリア、スペイン、フランス、ドイツに次いで第5位。今回の買収でノースコースト社はマルハニチログループの一員となり、海外市場への更なる展開拡大と欧州における水産物の流通・販売の強化の一翼を担うことになる。
■ツルハHD <3391> 7,200円 (+160円、+2.3%)
ツルハホールディングス <3391> [東証P]が3日続伸。5月31日の取引終了後に発表した5月度の月次営業速報で、既存店売上高が前年同月比2.9%減と2ヵ月連続で前年実績を下回ったが、想定内との見方が強いようだ。客単価が同1.0%増と堅調に推移したものの、客数が同3.9%減と前年割れが続いたことが響いた。なお、全店売上高は同6.1%増だった。
■東京海上 <8766> 7,629円 (+163円、+2.2%)
東京海上ホールディングス <8766> [東証P]が続伸、寄り付き大口の買い注文が入りマドを開けて上昇する異色の展開となり、3月22日につけた高値7565円を払拭し上場来高値に買われた。22年3月期の最終利益が前の期比2.6倍の4204億8400万円と急拡大したが、23年3月期も火災保険を中心に料率引き上げなどに伴う収益押し上げ効果で、小幅ながら増益基調を確保する見通し。注目されるのは株主還元姿勢で、年間配当は前期実績から45円の大幅増配となる300円を計画しており、配当利回りも4%近くに達し、株高を後押ししている。株式需給面では信用買い残など低水準で、売り圧力が希薄な点も足もとの値動きの軽さに反映されたもようだ。
■寿スピリッツ <2222> 7,230円 (+130円、+1.8%)
寿スピリッツ <2222> [東証P]が反発。岩井コスモ証券は5月31日、同社株の投資判断「A」と目標株価8700円を継続した。同社は、人気ブランド「ルタオ」などを擁するお菓子の総合プロデューサー。22年3月期は営業損益が14億200万円の黒字(前の期は28億9000万円の赤字)となった。上期は営業赤字を余儀なくされたが、移動制限が緩和された下期は積極的な営業が奏功し黒字転換した。23年3月期は、経済活動が平常に向かい個人消費が緩やかな回復基調に推移すると想定し、同利益は前期比3.7倍の51億6000万円の予想。同証券では、58億円への増額修正を見込んでいる。しばらくは インバウンド需要の本格化は望みにくいが、国内旅行需要の回復や人流の回復がギフトスイーツの需要を押し上げるとみている。
■マネックスG <8698> 510円 (+9円、+1.8%)
マネックスグループ <8698> [東証P]が反発。5月31日の取引終了後、子会社のコインチェックが、米Yuga Labs(ユガラボ)が展開する新たなメタバースプロジェクト「Otherside」の仮想空間上の土地である「Otherdeed(NFT)」を取得し販売していくと発表。「Otherside」は、web3に対応したmetaRPGのゲームフィールドで、4月のローンチ初日に5万5000区画を予定していた「Otherdeed」が当日に完売したほど人気という。コインチェックでは今後も、 メタバースとNFTを掛け合わせた新たな顧客体験を創造していくための取り組みを検討していくとしている。
■凸版 <7911> 2,459円 (+34円、+1.4%)
凸版印刷 <7911> [東証P]が反発。1日午後、GMOフィナンシャルホールディングス <7177> [東証S]傘下のGMOアダムが運営するNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」の新たな代理店に認定され、NFT事業を共同で推進すると発表。「Adam byGMO」の認定代理店となったことで、凸版は出品の申し込み・審査などの出品者をワンストップでサポートする体制を構築。IPホルダー(スポーツ、eスポーツ、アート、芸能、出版など)の出品をサポートすることで、 NFTを活用したコンテンツ流通の更なる活性化を図るとしている。
※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース
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