明日の株式相場に向けて=米国発・量子コンピューター爆騰は序章か
2025年の大発会を迎えた6日の東京株式市場では、日経平均株価が前営業日比587円安の3万9307円と大幅安。昨年の大納会の変調を引き継ぐ格好となった。前週末の米国株市場がNYダウ、ナスダック指数ともに大きく切り返したことで胸をなでおろした向きも多かったはずで、事実、今朝の日経平均の寄り付きは先物から買い戻されプラス圏でスタートした。しかし、そこから叩き込まれるような下げに遭遇することになる。アジアに目を向ければ中国株や香港株は軟調気味だったが、ハイテク株の宝庫である台湾株は同じ時間軸で大幅高に買われており、それだけに東京市場の異様さが浮き彫りとなった。
今年は巳年。俗に辰巳天井というが、昨年から高値警戒感は常に意識されながらも売りを仕掛けたショート筋はことごとく踏まされてきた。下向きの流れがどこかで堰を切る可能性はあるが、「売る側も(AIに倣って)人間がその気になってショートを積み上げるとやられる相場」(中堅証券マーケットアナリスト)という。先物主導のハイボラティリティな上下動はすべてAIのご託宣による。
極め付きは昨年8月初旬の“ブラックマンデー超え”ともいえる大暴落。たった3営業日で日経平均は7600円以上も水準を切り下げたのだが、この後に鮮烈なV字リバウンドで下落前の水準をあっという間に取り戻し、悲鳴を上げたのは売り方だったというオチがついた。フラッシュクラッシュは普通に起こり得るが、数日後には何事もなかったように通常モードの値動きと株価水準に戻る。そこに合理的な理由はなくAIアルゴリズムに翻弄されるのみで、後から人間がその値動きに見合った解釈をつけるだけである。
その意味ではきょうの波乱含みの下げも、難しく考えず素直に押し目買いで報われる可能性はそれなりに高い。裏を返せば、AIによる無機質なアンワインド相場が機能して、大勢トレンドが下降転換する蓋然性には乏しいと判断される。もう一段下がれば、そこは嬉々として買い下がる手法で臨む。それは昨年8月の歴史的な暴落局面でも通用した鉄板セオリーだ。今週は週末10日にオプションSQ算出日を控え、同日の日本時間夜には12月の米雇用統計の内容が開示される。今週末を目先のゴールに上下に振り回されることを、むしろ楽しめる境地となれば“人間”の勝ちである。
こうした大荒れの地合いにあっても、中小型の材料株を物色する動きは健在だった。米株市場では量子コンピューター関連のクアンタム<QMCO>が11月下旬から12月末にかけて暴騰を演じ、株価は1カ月あまりで何と20倍以上に化け話題となった。しかし、これは突発的な変異ではない。同関連ではシールSQ<LAES>がわずか半月で14倍化、クオンタム・コンピューティング<QUBT>が約2カ月で16倍化するなど、バブル的要素を多分に含んでいるとはいえ、株価上昇と時価総額の増大化は現実である。東京市場ではフィックスターズ<3687.T>やエヌエフホールディングス<6864.T>、テラスカイ<3915.T>などが直近急騰を演じたが、米株市場で起こっている事象と比べればまだ“おままごと”レベルといってよい。昨年末に当欄で取り上げたインテリジェント ウェイブ<4847.T>は量子コンピューター関連としては新鮮さがあり、業績も好調。なおかつ、量子技術と相性の良い金融分野を主要テリトリーとしていることもプラスαの材料として考慮される。
また、量子コンピューター関連以外でも中小型株に動意含みの銘柄は多い。大株主が保有株を減らす中で上値を慕うシライ電子工業<6658.T>は値動きだけをみると玉移動的な思惑も漂う。また、AI関連では底値離脱ムードのAVILEN<5591.T>や急伸後の一服局面にあるニーズウェル<3992.T>などに目を向けておくところ。穴株では割り切りスタンスが必要ながら、200円台に位置するホットリンク<3680.T>の大底買いも一法だ。また、データセンター関連として水冷ソリューションで先駆する三櫻工業<6584.T>や、業績絶好調の続く八洲電機<3153.T>などが妙味を内包している。
あすのスケジュールでは、12月のマネタリーベース、10年国債の入札などが予定されている。海外では12月の中国外貨準備高、12月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、11月のユーロ圏失業率のほか、11月の米貿易統計、11月の米雇用動態調査(JOLTS)、12月のISM非製造業景況感指数などに注目度が高い。なお、この日から10日までの日程で世界最大のテクノロジー見本市であるCES2025が開催される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
今年は巳年。俗に辰巳天井というが、昨年から高値警戒感は常に意識されながらも売りを仕掛けたショート筋はことごとく踏まされてきた。下向きの流れがどこかで堰を切る可能性はあるが、「売る側も(AIに倣って)人間がその気になってショートを積み上げるとやられる相場」(中堅証券マーケットアナリスト)という。先物主導のハイボラティリティな上下動はすべてAIのご託宣による。
極め付きは昨年8月初旬の“ブラックマンデー超え”ともいえる大暴落。たった3営業日で日経平均は7600円以上も水準を切り下げたのだが、この後に鮮烈なV字リバウンドで下落前の水準をあっという間に取り戻し、悲鳴を上げたのは売り方だったというオチがついた。フラッシュクラッシュは普通に起こり得るが、数日後には何事もなかったように通常モードの値動きと株価水準に戻る。そこに合理的な理由はなくAIアルゴリズムに翻弄されるのみで、後から人間がその値動きに見合った解釈をつけるだけである。
その意味ではきょうの波乱含みの下げも、難しく考えず素直に押し目買いで報われる可能性はそれなりに高い。裏を返せば、AIによる無機質なアンワインド相場が機能して、大勢トレンドが下降転換する蓋然性には乏しいと判断される。もう一段下がれば、そこは嬉々として買い下がる手法で臨む。それは昨年8月の歴史的な暴落局面でも通用した鉄板セオリーだ。今週は週末10日にオプションSQ算出日を控え、同日の日本時間夜には12月の米雇用統計の内容が開示される。今週末を目先のゴールに上下に振り回されることを、むしろ楽しめる境地となれば“人間”の勝ちである。
こうした大荒れの地合いにあっても、中小型の材料株を物色する動きは健在だった。米株市場では量子コンピューター関連のクアンタム<QMCO>が11月下旬から12月末にかけて暴騰を演じ、株価は1カ月あまりで何と20倍以上に化け話題となった。しかし、これは突発的な変異ではない。同関連ではシールSQ<LAES>がわずか半月で14倍化、クオンタム・コンピューティング<QUBT>が約2カ月で16倍化するなど、バブル的要素を多分に含んでいるとはいえ、株価上昇と時価総額の増大化は現実である。東京市場ではフィックスターズ<3687.T>やエヌエフホールディングス<6864.T>、テラスカイ<3915.T>などが直近急騰を演じたが、米株市場で起こっている事象と比べればまだ“おままごと”レベルといってよい。昨年末に当欄で取り上げたインテリジェント ウェイブ<4847.T>は量子コンピューター関連としては新鮮さがあり、業績も好調。なおかつ、量子技術と相性の良い金融分野を主要テリトリーとしていることもプラスαの材料として考慮される。
また、量子コンピューター関連以外でも中小型株に動意含みの銘柄は多い。大株主が保有株を減らす中で上値を慕うシライ電子工業<6658.T>は値動きだけをみると玉移動的な思惑も漂う。また、AI関連では底値離脱ムードのAVILEN<5591.T>や急伸後の一服局面にあるニーズウェル<3992.T>などに目を向けておくところ。穴株では割り切りスタンスが必要ながら、200円台に位置するホットリンク<3680.T>の大底買いも一法だ。また、データセンター関連として水冷ソリューションで先駆する三櫻工業<6584.T>や、業績絶好調の続く八洲電機<3153.T>などが妙味を内包している。
あすのスケジュールでは、12月のマネタリーベース、10年国債の入札などが予定されている。海外では12月の中国外貨準備高、12月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、11月のユーロ圏失業率のほか、11月の米貿易統計、11月の米雇用動態調査(JOLTS)、12月のISM非製造業景況感指数などに注目度が高い。なお、この日から10日までの日程で世界最大のテクノロジー見本市であるCES2025が開催される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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