市場は年後半最初の山場へ

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最新投稿日時:2015/09/24 12:21 - 「市場は年後半最初の山場へ」(堀篤)

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市場は年後半最初の山場へ

著者:堀篤
投稿:2015/09/24 12:21

今週の週初は、またボラティリティが大きな相場展開になる。

そして、今週から10月上旬にかけての時期は、後半戦の中で最初の山場となるだろう。
それは、3つの重要なポイントにさしかかるからだ。


①チャート上の節目の問題

日経平均株価の動きをもう一度おさらいしてみよう。
まず、高値は、6月24日の20952円。その後7月21日、8月11日、と二度にわたってこの高値に挑戦するが、それぞれ20850円、20946円、とわずかな差で抜けなかった。
このこと(わずか6円程度)が、後の下落幅を大きくさせている。

下落相場に突入した後は、8月26日に第一の安値、17714円をつけ、9月8日には第二の安値、17415円をつけている。


そして、今週の底値がどこになるか、が、その後のチャート形成に大きく関係をしてくるだろう。

理想的な形は、17714円程度までで下値が止まり、反発に入ること。この場合は、いわゆる「逆三尊」の形ができることによって、テクニカル論者は強気に転じるだろう。19000円~20000円までの戻りを期待するのではないか。

次に、17415円まで下落して反発に入った場合は、小型のダブルボトムとなり、この場合も、19000円までの戻りを想定しやすい。

最悪のシナリオは、17415円を明白に割りこむ場合だ。その場合は、下方トレンドラインを引かざるを得なくなり、下値は17000円を割った地点、ということになる。
もっといえば、テクニカル的には、そこすら、一時的な避難所としか言えない。トレンドラインが下降ウェッジに到達するまで、底値は見えない。

つまり、今回の下落が二つの価格地点、17714円、17415円で止まるかどうかが、今後を占う大きなポイントとなる。


②ここ3年間、圧倒的に強い9月~12月

次に、ここからの日程が非常に重要な局面に入る、ということに注意すべきだろう。
まずは、9月末、という特殊事情だ。9月末には一定のドレッシング需要がある。つまり、株価が高く終わってほしい、というニーズだ。しかもその需要は12月に再度現れる。
最近3年間では、特に夏場の相場が悪かったこともあり、9月末から年末には、いずれも「がんばり」が見られている。3年間の成績は、9月が3勝0敗、10月2勝1敗、11月3勝0敗、12月2勝1敗だ。
9月の平均上昇率は4.30%だが、高値までの上昇率は7.30%と年間で2番目に高い。ちなみに10月の平均上昇率は0.42%、11月が7.16%、12月が4.67%だ。

もちろん、今年も夏場が弱かった。
それだけに、3年間のデータだけを参考にするなら、9月以降は期待ができる相場展開となるはずだ。


③ゆうせいスケジュールと中国国慶節

さて、ここからがさらに重要な話になる。
今、政府・財政関係者が気にしているのは、ゆうせい3社の株価がどう決まるか、だ。この株価によって、財政で使える資金量は変わってくる。
スケジュールは、10月7日に仮条件の決定、10月8日から23日がブックビルディング(公募株の申し込み期間)、売り出し価格の決定が10月26日となる。
こういった手続きを経て、11月4日に上場の予定だ。

7日の仮条件は根本的に重要だ。売出価格の想定範囲がここで発表される。そして、ブックビルの人気を元に、売り出し価格が、その想定範囲の中で決まる、ということになる。

もし、日経平均株価が、下降トレンドを突っ走り、10月7日の時点で不安定な状況であった場合、売り出し価格の仮条件を高く想定することは困難になる。
もちろん、ブックビル中に何か起きた場合も、申し込み倍率が上がらず、価格は低くなる可能性が出て来てしまうだろう。

そういったことを考えると、9月末から10月にかけて、行政的には、なんとしても市場環境を安定させておきたいはずだ。現在の政府・財務官僚の考え方を踏襲するなら、GPIFでも日銀でも、なんでも使うだろう。

そして、彼らには一つ追い風がある。それは、10月1日から7日まで、中国国慶節により、上海市場が休場になる、ということだ。
現在考えられる、市場の崩壊要因は中国だ。その中国が休みに入る、ということは、それだけ懸念材料が減る、ということに他ならない。

これらの要因を考えると、日経平均は、なんとか17714円または17415円近辺で下げ止まるのではないだろうか。
あるいは、17000円近辺まで下落したとしても、公的資金で下落幅を抑えようとするだろう。


④3通りの底値想定をしておく

恐らく、市場関係者や官僚は、この10月半ばまでの市場の重要性はよくわかっているはずだ。
しかし最後の懸念点は、彼らの動きにある。

例えば、下落しても仕方がない局面で、無理な抵抗をしても、下落は止まらない。逆にヘッジファンドに対してまとまったカラ売り注文を成立させる、いい「餌食」になる。
そして、空売りが成約できれば、彼らはまた次の空売り注文をだす。
証券会社時代に、何度そういった光景を見てきたことか・・・。


如何に暴落するとしても、大事な公的資金を、わざわざ売り方の餌にしてしまうことは無い。気配値だけで下げていけば、それだけ空売りをしている側は苦しくなるものなのだ。
下落時にある程度は放置する、という勇気も必要だろう。
とはいえ、買い注文を出す側の意向と、それを処理する側の意向には隔たりがある場合もまた多い。

結論としては、公的資金で大きな下落圧力に抵抗することは無理だ、ということだ。

いずれにしても、日経平均では、上記の3通りの底値を想定して動くべきだろう。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想

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