外部波乱も底堅さ発揮、中国の経済指標を注視

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最新投稿日時:2015/08/11 22:16 - 「外部波乱も底堅さ発揮、中国の経済指標を注視」(冨田康夫)

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外部波乱も底堅さ発揮、中国の経済指標を注視

著者:冨田康夫
投稿:2015/08/11 22:16

明日の東京株式市場見通し

 12日の東京株式市場は、取引時間中に中国の主要経済指標が集中して発表されることから、その内容や上海総合指数の推移を注視しながらの神経質な動きとなりそうだ。ただ、突然の中国人民銀行による人民元の切り下げによる日本株のショック安が比較的軽微にとどまったことに加え、外国為替市場でのさらなる円安・ドル高進行の兆しが浮上していることなどから、日経平均株価は底堅い動きとなりそうだ。

 市場関係者からは「人民元の切り下げが進むと中国人の購買力にブレーキが掛かるとの見方から、インバウンド関連銘柄の一角が売られたが、2%程度の引き下げなら影響は少ないのでは」との見方が出ていた。

 11日の東京株式市場は、前日の中国や欧米株市場の上昇を受けて買いが先行したものの、前場後半に中国人民銀行がドルに対し人民元を切り下げたことから、これが利益確定売りの口実となり、日経平均株価終値は前日比87円94銭安の2万720円75銭と5日ぶり反落した。

11日の動意株

 藤田エンジニアリング<1770>=後場一時ストップ高。
同社はきょう午後1時に、16年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は1億4300万円(前年同期比4.5倍)となり、上半期計画9000万円を超過した。売上高は56億8500万円(同24.5%増)で着地。主力の建築事業は大型案件など受注が堅調で、売上高は29億5400万円(同49.0%増)に拡大した。なお、上半期および通期の業績見通しは従来計画を据え置いている。

 三谷商事<8066>=後場急上昇。
午後2時ごろ、第2四半期累計(4~9月)連結業績見通しについて、売上高を従来予想の1800億円から1960億円(前年同期比14.1%減)へ、営業利益を同65億円から68億円(同1.9%減)へ、純利益を同38億円から41億円(同0.8%減)へ上方修正したことを好感した買いが入っている。石油製品価格が期初に想定したほど下がらなかったことが要因。また、自社株買いを発表したことも好材料視されているようだ。上限と100万株(発行済み株式数の3.70%)、または32億円としており、取得期間は8月12日から来年3月24日まで。

 岡本硝子<7746>=大幅高。
同社が正午ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算で、売上高14億4200万円(前年同期比9.1%減)、営業利益4100万円(同79.3%増)、純利益1300万円(前年同期4000万円の赤字)と8割近い営業増益となったことを好感した買いが入っている。プロジェクターなどに用いられるフライアイレンズの単価適正化が寄与したほか、ストックオプションの見積り失効数が増加したことで株式報酬費用が減少したことなども増益に貢献した。

 千代田化工建設<6366>=急伸。
同社が10日発表した第1四半期(4~6月)連結決算は、純利益が前年同期比6.8倍の20億1700万円だった。海外で手掛ける液化天然ガス(LNG)プラントの工事などが順調だった。この決算に対して、SMBC日興証券は「ニュートラル」な内容として、投資評価「2」と目標株価1100円を継続した。「全体として会社計画線で推移している」とみているが、「原油価格の下落による新規プロジェクト進捗の後ずれについては留意する必要がある」とも指摘している。

 カネカ<4118>=大幅高で5日続伸。
同社は10日取引終了後に発表した16年3月期の第1四半期(4~6月)連結決算は、売上高が1393億7400万円(前年同期比2.5%増)、営業利益は86億700万円(同76.5%増)、最終利益は51億5000万円(同72.8%増)と高変化を示しており、これが一段と買い人気を高めるかたちとなった。北米を中心に医療機器などの販売が好調だったほか、利益面では原油安に伴う原料コストの低下が押し上げ要因となっている。

 日本ライトン<2703>=一時ストップ高。
同社が10日の取引終了後に発表した第2四半期累計(1~6月)連結決算は、売上高96億7900万円(前年同期比3.5%増)、営業利益1億600万円(同73.6%増)、純利益7700万円(同2.9倍)と7割強の営業増益となったことが好感されている。LEDなどの光学コンポーネントやセンサー・電源製品などが順調に推移したことが寄与した。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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