円安と自動車需要増が追い風
2015年3月期の売上ベースでは、石化事業37%、ペット樹脂等の基礎化学品事業が20%、歯科材料などの機能化学品事業が14%という比率です。
中期経営計画によると、事業環境の変化に対応するためセグメントを細分化しました。そこで、自動車材料を中心とした「モビリティ」、メガネレンズ用材料、歯科材料、不織布等の「ヘルスケア」、農薬、包装材料等の「フード&パッケージング」を当社グループ成長のターゲット事業領域と定め、石油化学、基礎化学事業を中心とした凡用化学品を基盤素材領域として展開していく方針。2020年にはこれらの3セグメントが占める割合が90%、利益1000億円を達成する事業ポートフォリオを確立していく計画です。
2015年3月期の業績は、売上高が1.0%減の1兆5500億7600万円、営業利益が68.8%増の420億4000万円、経常利益が97.2%増の444億1100万円、当期純利益が172億6100万円となりました。
自動車部品等に使われる機能化学品の受注が好調で同事業の営業利益は、58.8%増の189億円でした。世界的株高基調を前に、自動車需要増による受注の拡大が期待できると思います。
2016年3月期通期予想は、売上高が9.0%減の1兆4100億円、営業利益が23.7%増の520億円、経常利益が5.8%増の470億円、当期純利益が44.8%増の250億円と大幅増益の見通しです。年間配当金は1円増配の6円とする方針で配当性向24.0%と高水準。ROEは8.0%を目標とし(2015年3月期は6.0%)、2020年には10%以上を目指します。