決定的になったギリシャのデフォルト

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最新投稿日時:2015/06/30 12:28 - 「決定的になったギリシャのデフォルト」(川島寛貴)

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決定的になったギリシャのデフォルト

著者:川島寛貴
投稿:2015/06/30 12:28

これまでのまとめと今後のポイント

ギリシャと債権団の交渉決裂を受けた29日のマーケットは、非常に値動きの激しい状態となりました。

まず株式市場は日経平均が596円安の大暴落となり今年最大の下げ幅を記録。東証1部全体の96%を超える銘柄が下落するのは2000年以降で下落銘柄数は過去最高というなり、「ギリシャのデフォルトが決定的」という事件が5.23以上のインパクトだったことが分かります。

中国の株式市場は、一時前日終値付近まで反発をみせるも買いが続かず3%安。もっとも世界の注目を集めた欧州株式市場は、DAXが3%以上下落。銀行株やギリシャのATM不可が懸念される旅行株が大きく売られたようです。
ギリシャの株式市場は休場ですが、同国のETFは時間外で17%(日経平均に換算すると3000円以上の下落幅)もの恐ろしい下落幅となりました。

米国市場もほとんど戻りを見せることなく350ドル安い前日比-1.95%の下落。アジア、ヨーロッパ、米国と世界一周しましたが、当然のごとく大幅安となりました。

しかし、肝心のユーロとなると別でした。マーケットオープンともに大幅に売り込まれ、ユーロ売りドル買い円買いが加速。ユーロ円は最大4.5円のフランスの総選挙の時に迫る大暴落となったものの、その後ほぼ下げ幅を埋める4円30銭の戻しを記録。

これは、欧州時間に欧州要人から
「ギリシャと債権団の協議はいつでも再開できる」
「30日にIMFは不払いでもデフォルトを意味しない」
「ギリシャの離脱はない」
などのコメントが出てきたことで、短期的に傾き過ぎたユーロ売りが一気に逆回転を始めたことが大きな原因ではないでしょうか。
欧州株式市場の開始時間(16時)にユーロ売りがほとんど出なかったことで、利食いが優勢となったことも考えられます。

すでにギリシャのデフォルトは市場関係者に織り込み済みであり、ここからはギリシャがユーロを離脱するのかどうか。
そして、通貨はどうなるかということが焦点となりそうです。

ギリシャのユーロ離脱(Grexit)は起きるのか?

結論からいうと、前々から書かせていただいている通り可能性は極めて低いと考えられます。

まず、ギリシャ国民としても75%がユーロ残留を希望しており、その為に緊縮策を受け入れると考えているからです。そして、米国が最近のギリシャとロシアの接近を非常に気にしており、これを阻止するために動いていることもポイントです。
つまり、これ以上ネガティブなニュースはなく底打ち確認という結論になります。

もし、ギリシャのユーロ離脱があればあらゆる不透明なことが出てきてしまうため、月曜日とは比にならないような下落と混乱が起こりうると考えられます。後々ユーロの悪材料が減ったということで市場は最終的に上昇するというのが市場コンセンサスですが、

そして今後のギリシャの通貨に関してですが、こちらはまだ先が見えていない状態となっています。ユーロ以前の通貨はドラクマですが、ドラクマ採用となればギリシャ国民は瞬間的に困窮してしまい、政権後退や人口の現象、ユーロ・米ドルでの決済の採用、観光業への大幅な打撃など短・中期的な悪材料が噴出することなります。

市場のボラティリティは高くなっており、ヘッドライトリスクも高いギリシャ情勢ですが、基本路線はデフォルトは確定だがユーロ離脱はなしという状況で進んでいくのではないでしょうか。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想

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