防衛装備移転三原則を閣議決定
国内の防衛関連を取り巻く環境に変化が起こり始めている。政府が昨年4月、武器の輸出を原則禁じた「武器輸出三原則」を改め、条件を満たせば輸出を幅広く認める防衛装備移転三原則を閣議決定したことがそのきっかけ。既に地対空ミサイル部品の対米輸出と、日英の空対空ミサイルの共同研究が決まり、さらに豪への潜水艦輸出に関する受注競争が最終段階を迎えつつある。また、仏とも水中で使う無人機などの共同開発で協定を結ぶ方針のほか、インドでは海上自衛隊の救難飛行艇「US2」の購入もほぼ決まりつつある。
日本の防衛関係費は2015年度予算で14年度比2.0%増え、過去最高の4兆9801億円となった。02年度をピークに減少傾向が続いたが、3年連続で増えることになる。一方、日本の防衛関連企業では、世界の軍事企業のランキング(ディフェンスニュース調べ、12年)では三菱重の33位が最高で、トップの米ロッキード・マーチン社に比べ事業規模は6%程度でしかない。今後、日本の防衛ビジネス環境が変化するなか、関連する企業にも注目が高まりそうだ。
◆主な防衛関連銘柄
銘柄(コード) 取り組み
細谷火工<4274> 防衛省向けに火工品を納入
豊和工<6203> 小銃や迫撃砲、無反動砲などを防衛省に納入
石川製<6208> 艦船が接近または接触すると爆発する機雷を製造
日無線<6751> 防衛省向けに地上無線機や艦艇用レーダーを納入
日アビオ<6946> 陸・海・空自向けに防衛システムを納入
三菱重<7011> イージス艦の建造や最新鋭ステルス戦闘機「F35」の保守点検を担当
川重<7012> 今年度防衛予算で同社製の哨戒機「P-1」20機を取得
IHI<7013> 今年度防衛予算で20機が採用された「P-1」のエンジンを製造
東京計器<7721> レーダ警戒装置や慣性航法装置などを製造