画期的「下水道インフラ工法」特需も。異彩放つ子会社に「想定を上回る魅力」
・キョウデン(6881)
スマートフォンや自動車などに使われる電子機器の「ものづくり」には欠かせないプリント配線基板の設計・製造から実装まで手掛けるトータルソリューション企業である同社。
アベノミクス効果もあり、企業の製品開発意欲の高まりから同社には追い風が吹いているが、追い風はキョウデン単体だけで無い。2010年に完全子会社化で連結に組み込んだ「昭和KDE」の存在価値が急浮上しつつある。
同社はトンネル工事用プレミックスモルタルや、コンクリートパイル用混和剤、グラスファイバー原料など製造してきた。昨年には特許公開された「排熱エネルギー再利用システム」に使う「熱電変換素子」を開発するなど異彩を放っている。
その同社は「東京オリンピックに向けてのインフラ整備で活躍の場」を見せる時がやってきたといえよう。
老朽化した下水道管路を更生する画期的な工法として注目を浴びる「SPR工法」の裏込めモルタルの供給を担当しているという点に注目せざるを得ない。
「SPR工法」とは下水を流したまま施工出来るのが最大の利点であり、従来の管路の内側に、既設管と更生管、モルタルが一体になった強固な構造を作る。これまで第1回「ものづくり日本大賞」や第59回「大河内記念賞」、更には「2013グッドデザイン賞」を受賞した事でも、その凄さが分かろうというものだ。
トンネルもそうだが下水管の老朽化は大問題であり、国土交通省によれば老朽化が起因する事故が2013年だけでも3500件あり、今後のインフラ整備に「SPR工法」は欠かせないものといえよう。
キョウデンの連結業績も順調である。今15年3月期の営業利益を中間決算時に上方修正を発表したが「円安効果がこれに上乗せ」される可能性は非常に大きい。
また、期末一括配当取りも楽しくなってこよう。株価は市場全般の落ち着きもあって200円台を回復してきたが「昨年来高値323円に向け大きく跳ね上がる」とみる。今後の動向に注目しておきたい。
本村