「官製相場」の要諦はしなやかに風に従うこと
サプライズ当初は、ほぼ真上に打ち上がるような相場展開となりましたが、時間経過とともに上昇トレンドの巡航路線とも言える日足・+1σ~+2σラインの間で推移する、いわゆる“バンドウォーク”を形成中。
そんな中、気になるところはどのあたりまで上値を伸ばすかということですが、ちなみに黒田日銀によるバズーカ砲第1弾が発射された2013年4月4日の安値92.73円から、翌月5月のバーナンキ・ショック当日の5月22日の高値103.71円まで、高低差で10.98円、上昇率で11.8%という以前の例も。
この数字をベースに勘案すると、バズーカ砲第2弾、いわゆる“ハロウィン・サプライズ”が実施された10月31日の安値109.17円から高低差ベースでは120.15円、上昇率ベースでは122.05円という数字を想定することも可能です。
日経平均株価とドル/円相場を日々首相官邸でチェックしているとも伝えられる安倍首相ですが、就任以来のメルクマールは第一次安倍政権時代の日経平均株価17,000円台とドル/円相場124円台とも。日経平均株価ではその基準を突破している中、残るはドル/円相場の124円台。バズーカ砲第1弾を基準とする高低差ならびに上昇率ベースから見ても概ね当該ライン近辺を次なる目標ポイントと捉えてもよさそう。
ここへ来て、永田町からは消費増税先送りの信を問う衆院解散風が巻き起こりつつある中、何といっても注目は17日に予定されている第3四半期GDPの結果数値。
年内解散はほぼ既定路線となりつつある中、この“解散風”は相場にとって強烈な追い風になるとも目されており、10月31日の日銀追加緩和が<第1の号砲>とするならば、11月17日の第3四半期GDPは<第2の号砲>となる可能性も。
現在のマーケットはまさに「官製相場」と言っていい相場環境。
「大きな風には逆らうべからず」という相場参加者にとっての金科玉条を忘れることなく、まさに「柳に雪折れなし」の言葉通りしなやかに風に従う投資スタンスを貫いてみてはいかがでしょうか?