まずは今晩のイエレン議長会見に注目
今晩の注目は、FOMCとイエレンFRB議長の会見。雇用統計で確認されたように、米国では足元の雇用は強く、テーパリング(量的金融緩和の縮小)は既定路線との見方が多い。四半期経済予測では、実質GDPおよび失業率の見通しが下方修正される一方、インフレ見通しは上方修正される可能性。3月FOMCに続き、政策金利見通しが再びタカ派的な方向に修正されるとの見方がある一方、イラクやウクライナ問題を始めとする地政学リスクの高まり・原油高などから、早期の利上げ観測が後退する可能性もあるだろう。米WSJ(電子版)は17日、オバマ大統領がイラク空爆を当面見送る決断をしたと報じており、米弱腰外交は続き、地政学リスクの火種は拡散していく流れだ。今晩のイエレン議長の会見次第では波乱含みとなりそうだ。6月15日付けのWSJ紙では、政策金利の長期見通しが下方修正される可能性が指摘されており、出口戦略が市場予想よりも後方にずれ込むようなら、ドル円が再び200日移動平均線の攻防に向かう可能性もある。明確に同水準を割り込むようなら、テクニカル的な売りが一時的に加速する可能性もある。6月末にかけては、一目均衡表の雲と200日移動平均線がほぼ同水準になる時間帯となり、テクニカル的な意味合いも強くなる。同水準での下値支持感が強くなる一方、割り込んだ場合は、投げが加速しやすく、強い抵抗帯に変化する可能性もあろう。
反対に、ドル高が加速するためには、一目均衡表の雲を上抜け、103円台を回復してこないとこれまでのボックス相場を大きく抜ける事にはならないだろう。良い金利上昇と共に株価下上昇するのがドル上昇にとっては理想的な訳だが、地政学リスクの浮上で、それは困難な情勢になりそうだ。
FOMC・イエレン議長会見共に大きなサプライズがなければ、200日移動平均線~90日移動平均線に挟まれた狭いレンジ相場が、もうしばらく継続する可能性も想定しておきたい。