テクニカル的な信頼性は落ち込む時間帯
既に、株式市場と逆相関のNY金は保合いを下に放れている。1929年前夜と2012年以降のNYダウを比べてみると、年末・年始まで自己相関の強い形状となっていたが、足もとは相関が崩れている。テクニカル分析では、自己相関が崩れた場合は、崩れた方向に大きく動意付くと言われるが、今回は、NYダウの上方リスクが高まっていると見た方が良いだろう。NY金が先行指標として機能したのかもしれない。「相場は相場に聞け」である。史上最高値圏と言うことで高値警戒感が強く、5月13日に三角保合い上放れた時はダマシに終わったが、6月入りで改めて5月13日高値を更新してきた。ダウ以外の株価指数も堅調であり、基準線~転換線を下値支持帯として、心理的節目17000ドル、N=17061.49ドル、V=17129.72ドルなどを試す流れへ向かうかもしれない。今週末の雇用統計を受けて、良い金利上昇と共に、株価・ドルが買われる流れとなるのか否かが目先の焦点だ。
週末にかけてドル円の一目均衡表では、雲の厚みが薄くなっており、上値抵抗としても、下値支持としてもテクニカル的な信頼性は落ち込む時間帯になる。上も下もダマシが多くなりやすい点にも注意したい。
ウクライナ情勢は、プーチン大統領の訪仏(6日のノルマンディー上陸作戦70周年記念式典に出席)に合わせた首脳会談の可能性も浮上している。ロシアとウクライナのガス代金支払いに関する協議は2日に再開。ロシアは6月分のガス供給の前払い期限を先送りしており、ウクライナ新政権とロシアとの間で、建設的な話し合いが行われると、こちらもリスクオンの材料となるだろう。決して問題解決には繋がらないと思われるが、マーケットの材料としては、一時的に後退する可能性はあろう。