<9月10日予想>冷静さ取り戻し一服、輸出関連の売りに警戒感
9日の東京株式市場は、2020年夏季オリンピック・パラリンピック開催都市が東京に決定したことを受け、関連セクターとされる建設や不動産の銘柄を中心に買い進まれ、ほぼ全面高となった。日経平均株価終値は、前週末比344円高の1万4205円。東証1部の売買代金は2兆1007億円と、8月9日以来1カ月ぶりに2兆円大台を上回った。市場関係者のあいだには、東京五輪開催をアベノミクス〝3本の矢〟に次ぐ〝4本目の矢〟と位置づける見方も浮上しており、継続的な景気浮揚への効果に期待が寄せられている。
東京五輪決定は、今回の〝アベノミクス上昇相場〟の中で、昨年11月の野田前首相の解散宣言、今年4月の〝異次元緩和〟に続く3回目の大きなポジティブ材料との評価が出ている。ただ、市場関係者は「今後堅調な相場が継続するためには、外国人投資家が買い姿勢を強めてくることと、円相場が1ドル=100円程度の水準で安定した推移となることが必須条件」としている。
9月も後半になると、3月期決算会社が9月中間期の業績内容を踏まえて、通期の業績見通しの修正を発表しはじめる。五輪開催の決定が、思い切った量的緩和を背景としたこれまでの金融相場から本格的な業績相場への円滑な移行の橋渡し役を果たすことに期待が寄せられている。