ユーロも動意
本邦の11月経常収支は、2224億円の赤字。本邦ファンダメンタルズの悪化継続が確認され、足許の日銀追加緩和期待の高まりとあわせて円売り材料として反応している。緊急経済対策は正式に閣議決定し、経済再生へ事業規模20.2兆円、真水10.3兆円となった。
来週は、米国で小売売上、NY・フィラデルフィア連銀サーベイ、コアCPI や地区連銀報告が、中国で主要指標(4QGDP、鉱工業生産、固定資産投資、小売売上、CPI 等)などが予定されている。米経済指標は相対的に注目度が低くなっているが、市場予想を上回るものが相次いで、FOMC 議事要旨で示唆された年内の量的緩和縮小期待が高まる場合には、ドル高圧力となる可能性。中国指標も事前予想比上振れ傾向が続くようなら、旧正月辺りまでは、強気要因として働く可能性もあろう。
本邦では22日の会合での追加緩和期待が高まっているものの、日銀会合に向けては2%への目途(目標)引上げは、かなりの部分織込み済みと見られる。初期目標として1-2%への引上げに留まる場合は、ドル円利食いの一時的な材料となる可能性もあるだろう。また、加緩和措置については10 兆円の資産購入基金拡大が想定されている中、無制限型の緩和となる場合にはポジティブサプライズ、追加購入分が来年以降に割り振られ足許の資産購入ペースが加速しない場合や10 兆円未満の拡大に留まる場合はネガティブサプライズとなるだろう。
テクニカル面では1月4日高値を上抜いたことで、ダブルトップの可能性が否定された格好。オシレーター系指標は軒並み短期的な買われ過ぎ感を示唆するものが多いが、中長期のトレンド系指標は陽転したばかりで、押し目買い意欲が強い状況は継続見通しだ。