「財政の崖」に反応する地合い継続
本日は本邦では総選挙を控えた党首討論、米国では3QGDP 改定値、新規失業保険申請件数および中古住宅販売成約件数が予定されている。
マーケットにおいての党首討論における焦点は、安倍自民党総裁の金融緩和発言に対する市場の反応度がどの程度低下しているか。いわゆる安倍トレードの寿命は、それほど長くないと見る。
米国においては「財政の崖」に市場の関心が向いている中、米経済指標に対する注目度は低い状況が続こうが、3QGDP改定値は主に貿易収支や卸売在庫の上振れなどにより速報値の前期比年率+2.0%から大きく上方修正される見込み(市場予想+2.8%)で、ハリケーン・サンディ到来の影響で大きく上昇していた新規失業保険申請件数も減少継続が示される見込みで、事前予想より大きく下方修正されなければドル円の下値支持要因となろう。
「財政の崖」関連では、ガイトナー財務長官が29日に議会で民主、共和両党の幹部らと会談し、「財政の崖」回避に向けた対応を協議する予定。ガイトナー長官は共和党のベイナー下院議長、マコネル上院院内総務、民主党のペロシ下院院内総務、リード上院院内総務と個別に面会する。減税措置が失効する年末までの合意形成を目指しており、直接協議で交渉の進展があるのか否かに市場は強く反応するだろう。