IACEトラベル Research Memo(3):BTMサービス拡大に特化したプロダクト・ポートフォリオ(1)

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最新投稿日時:2026/01/13 10:03 - 「IACEトラベル Research Memo(3):BTMサービス拡大に特化したプロダクト・ポートフォリオ(1)」(フィスコ)

IACEトラベル Research Memo(3):BTMサービス拡大に特化したプロダクト・ポートフォリオ(1)

配信元:フィスコ
投稿:2026/01/13 10:03
*10:03JST IACEトラベル Research Memo(3):BTMサービス拡大に特化したプロダクト・ポートフォリオ(1) ■事業概要

1. 事業概要
(1) BTMサービス
IACEトラベル<343A>の主力事業はBTMサービスである。BTM市場は、企業の出張・業務渡航を包括的に管理する領域で、現在は「インハウス系」と呼ばれる企業内旅行会社が大半を占めている。市場規模は約3.9兆円に上る。この構造は、親会社からの安定的な受注を基盤とし、外部競争が限定的であるため、Eメールや電話といったアナログな手配が依然として主流であることが特徴である。市場の閉鎖性と慣行的な業務フローが、デジタル化・効率化の進展を阻む要因となっており、業界構造としては変化が生まれにくい。大手インハウス企業の市場支配力が高い一方で、サービス品質やスピード面での課題が残存している。したがって、BTM市場は「競争が限定的だが非効率性が構造化された領域」と言える。

同社は、こうした市場の中で独立系BTMサービス専業企業として唯一の上場企業であり、従来のアナログ的慣行に変革をもたらす存在である。大手インハウス系と異なり、特定企業グループに依存しない独立した立場を強みとし、顧客ごとの個別要望に対応できる柔軟性と迅速な意思決定力を備える。また、自社開発のクラウド出張手配システム「Smart BTM」及び「Travel Manager」により、出張手配から管理・経費精算までを一気通貫でデジタル化する点が大きな差別化要因である。同社は、BTM市場における「顧客体験の非効率」を的確に捉え、オンラインプラットフォームと人的サポートが融合したハイブリッド型モデルを構築した。特に、中堅・中小企業や外資系企業など、インハウスの対象外となる法人セグメントを主な顧客層として開拓しており、BTM市場における新しい価値創造型プレイヤーとして存在感を高めている。

なお、主力のサービスラインは以下のとおりである。

a) Smart BTM
中小企業から大企業まで幅広い層を対象としたクラウド型の出張予約サービスである。航空券やホテル、さらにはワーケーションなどの手配をワンストップで完結できる点が特徴であり、ダイナミックプライシング(需要連動型料金)に対応したリアルタイム予約機能を備える。これにより、従来の旅行代理型手配では実現できなかったスピード感と利便性を提供している。業務の効率化とコスト削減を両立する中核的サービスとして、同社の成長をけん引する存在である。

b) Travel Manager
中堅企業以上を対象とした出張管理システムで、稟議・申請・危機管理・経費精算など、出張に関わる一連の業務を一元管理するプラットフォームだ。従来は企業ごとに分断されていた管理システムを統合し、内部統制やリスクマネジメントの高度化を可能にしている。Smart BTMとの連携により、出張予約から承認・精算までを一気通貫で運用できる点が大きな強みであり、より大規模な組織での導入拡大が進んでいる。

c) Easy Booking
小規模事業者や大学・研究機関などを主な利用対象とする海外出張専用の予約システムである。ユーザー登録や事前マスター設定が不要で、海外航空券を簡便に予約できる手軽さから、利用者層の拡大が顕著である。請求書による後払いに対応し、立替精算を不要としており、利用者の資金繰りや事務負担の軽減につながることから、小規模組織に高い利便性をもたらしている。

これら3つのサービスは、企業規模・管理ニーズ・業務プロセスの成熟度に応じて選択・組み合わせが可能であり、同社のBTM事業を支える戦略的プロダクト群と言える。単なる旅行手配にとどまらず、出張という企業活動を支えるインフラとしての位置付けを確立しており、同社の競争優位の源泉となっている。

(2) その他のサービス構成
同社の事業は、コアであるBTMサービスを中核に、4つの補完サービス(官庁・公務、海外、米軍、個人)からなる体系的なポートフォリオを構築している。BTMサービスでは、出張手配だけでなく、渡航中のトラブル対応や出張履歴・経費データを活用した改善提案まで含む包括的な法人向けサービスを提供しており、顧客企業の出張業務全体を効率化するソリューションとして機能している。このBTMサービスを支える形で展開される4つの補完サービスは、いずれも単独での収益寄与にとどまらず、同社の信頼性・実績・ネットワークを裏付ける役割を果たしている点に特徴がある。

a) 官庁・公務サービス 【信用力の象徴としての役割】
農林水産省や国土交通省などの中央省庁に常設店舗を構え、24省庁と契約する官庁・公務サービスは、同社にとって高い社会的信用を裏付ける存在である。民間企業にとっても、官庁案件を継続的に受託している事実は、取引開始時の信用補完要素として作用する。結果として、BTM事業の新規開拓において“信頼の証”としてのレバレッジを発揮している。

b) 海外サービス 【グローバル対応力と顧客循環の源泉】
カナダとメキシコに設立した現地法人を通じて、日系企業の海外拠点や駐在員向けに出張手配・旅行サービスを提供している。多くの大手企業グループでは、海外現地法人が本社インハウス系旅行会社の利用を義務付けられていない場合があり、利便性や対応スピードを重視する現場レベルの判断で同社のサービスが選ばれるケースが増加している。さらに、こうした駐在員が帰任後も同社のBTMサービスを利用し続ける例も多く、海外サービスが国内BTM事業への逆流的シナジーを生む構造となっている。

c) 米軍サービス 【信頼性と安定性の補完】
在日米軍基地内に3店舗(岩国・嘉手納・キャンプフォスター)を展開し、米軍関係者やその家族に対して旅行手配を行っている。この領域は高いセキュリティ要件や厳格な契約条件を伴うが、同社は長年にわたる運営実績を有しており、信頼性・堅実性の象徴としてBTM事業の信用補完機能を果たしている。

d) 個人サービス 【BTM顧客との継続接点】
BTM契約企業の従業員を対象に、プライベート旅行や帰省・家族旅行を支援する「個人サービス」も展開している。法人契約を起点とした個人顧客との接点維持により、同社ブランドの親近感と顧客ロイヤルティを高める役割を担っている。単なる旅行販売ではなく、法人と個人の境界を越えたリレーション拡張モデルとしてBTM事業の安定的成長を支えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)

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配信元: フィスコ

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