アール・エス・シー Research Memo(1):足元業績は堅調。警備AI導入に向けて戦略的提携を公表

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最新投稿日時:2025/12/16 13:31 - 「アール・エス・シー Research Memo(1):足元業績は堅調。警備AI導入に向けて戦略的提携を公表」(フィスコ)

アール・エス・シー Research Memo(1):足元業績は堅調。警備AI導入に向けて戦略的提携を公表

配信元:フィスコ
投稿:2025/12/16 13:31
*13:31JST アール・エス・シー Research Memo(1):足元業績は堅調。警備AI導入に向けて戦略的提携を公表 ■要約

1. 会社概要
アール・エス・シー<4664>は2021年に創業50周年を迎えた総合ビルメンテナンス企業であり、人材サービスも展開している。「信頼されるサービスを提供し、人が生活するあらゆる場面において、常に安全・安心・快適な環境を創造していきます」を経営理念に掲げ、「サンシャインシティ」や「丸の内ビルディング(以下、丸ビル)」など、日本を代表するビルの管理業務を手掛けている。創業来の主力である警備保障に加え、清掃、設備・受付、人材サービスなどを組み合わせた総合的なサービス提案に強みがあり、業績は堅調に推移している。今後は業界におけるDX化に向けて、機械化や新技術(セキュリティロボットやAI等)を積極的に活用し、持続的な成長を目指す方針である。

2025年11月14日にはAI警備ソリューションの共同推進を目的として、ソフトバンクロボティクス(株)(以下、SBR)との資本業務提携を公表した。SBRは、AI・ロボット分野における世界的リーディングカンパニーであり、清掃・警備・物流など多様な業界に対して、先進的なロボットソリューションを提供している。特に、施設管理領域においては、AI警備による異常検知、群管理による効率的なオペレーションなど、従来の人手に依存した業務を根本から変革する技術力と実績を有している。今後、SBRが持つ最先端のAI・ロボットなどの技術力と同社の特徴であるホスピタリティを持った警備力を組み合わせた次世代警備ソリューションを共同で開発し、人手不足問題の抜本的な解決と社会インフラのさらなる安全性を目指す。

2. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比26.3%減の3,744百万円、営業利益が同70.8%減の71百万円と減収減益となった。売上は、前期業績に寄与した大型周年イベントの反動減(約13億円)により臨時契約(スポット売上)が大きく落ち込んだが、その点は想定内である。一方、コアとなる年間契約については、警備・清掃部門の新規受託案件や料金改定などが寄与し前年同期を上回った。損益面は減収による収益の下押しに加え、人的資本投資(賃上げ等)や物価上昇に伴う建設資材等の高騰などにより減益となった。また、新たに受託した大型複合施設警備の立ち上げ費用が追加的なコスト要因となった。

3. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績については期初予想を据え置き、売上高を前期比6.2%減の8,300百万円、営業利益を同0.3%減の300百万円と見込んでいる。減収となるのは、大型周年イベントの反動減によるものであり、既に中間期業績に反映されている。その反動減を大阪・関西万博の警備や前期に開始した警備・清掃部門の受託案件による通年寄与、さらには新たに竣工した大型複合施設の警備業務と関西エリアの清掃業務の受注によりカバーし、減収ながら営業利益は前期並みを確保する見通しだ。営業利益率も、労務費上昇に対応する適正な価格転嫁等により改善を図る。

4. 中期経営計画
最終年度を迎えた中期経営計画では、1) 収益力の向上(ワンストップソリューション提案、エリア管理体制の構築)、2) 技術力の強化(サービス品質の維持・向上、新技術の導入)、3) 職場環境の改善(従業員エンゲージメントの向上、女性の活躍推進)、4) 経営基盤の強化(持続的な成長の実現、環境への配慮)を基本戦略として、持続的な利益成長の基盤づくりに取り組んだ。業績目標はおおむね計画線で推移しており、戦略面でもM&Aによる経営基盤の強化を図ったほか、AI警備の導入に向けても、今回のSBRとの業務提携を含めて大きな成果を上げた。2026年3月期内に公表が見込まれる新中期経営計画では、どのような方向性(目指す姿)や具体的な道筋が示されるのか注目したい。

■Key Points
・2026年3月期中間期は前期大型案件の反動減により減収減益となるも、ほぼ計画線で推移
・AI警備導入に向けてSBRとの戦略的パートナーシップを締結
・2026年3月期は期初予想を据え置き、減収減益ながら中期経営計画をおおむね達成の見通し
・新中期経営計画でAI警備の本格展開に向けてどのような方向性や道筋が示されるか注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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配信元: フィスコ

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