セントラル硝子:ガラス事業は黒字継続、EV向け電解液は底打ち反転へ、配当利回り5%超

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最新投稿日時:2025/12/15 12:03 - 「セントラル硝子:ガラス事業は黒字継続、EV向け電解液は底打ち反転へ、配当利回り5%超」(フィスコ)

セントラル硝子:ガラス事業は黒字継続、EV向け電解液は底打ち反転へ、配当利回り5%超

配信元:フィスコ
投稿:2025/12/15 12:03
*12:03JST セントラル硝子:ガラス事業は黒字継続、EV向け電解液は底打ち反転へ、配当利回り5%超 セントラル硝子<4044>は1936年に創業し、ソーダ事業を祖業として、肥料、ガラス、フッ素関連化成品などへ事業領域を拡大してきた。長期ビジョン「VISION 2030」では、「サステナブルな社会の実現に寄与する『スペシャリティ・マテリアルズ・カンパニー』になる」をありたい姿として掲げている。2026年4月より、「電子材料」「エネルギー材料」「ライフ&ヘルスケア(L&HC)」「ガラス」「その他」の5セグメント体制へ移行し、開示強化に取り組んでいる。売上構成比はガラスが4割、L&HCが3割、電子材料が2割弱、エネルギー材料が1割となっている。
同社は、蛍石からフッ化水素を一貫生産できる数少ない企業であり、フッ素化技術に強みを持つ。製品群は、世界トップシェアを維持している吸入麻酔薬の原薬、半導体製造工程で使用されるエッチングガスやクリーニングガス、リチウムイオン電池用電解液など多岐にわたる。

事業環境はセグメントにより異なる。電子材料はAI向け半導体需要が堅調である一方、NANDメモリー(※)の在庫調整や、原材料のタングステン価格高騰によるコスト増が課題である。エネルギー材料はEV需要急減と、中国勢による価格競争激化により売上が半減し赤字が継続している。L&HCでは吸入麻酔薬の競争が激化しているが、シェアと収益性の維持に努めている。ガラスにおいては、約3年前に海外撤退を含む大規模な構造改革を進めた結果、以降は継続して黒字を確保しており、安定的な収益源となっている。

※フラッシュメモリーの一種で、電源を切ってもデータを保持できるメモリー。スマートフォン、パソコンなど、幅広い電子機器に使われている。

2025年3月期は、売上高144,233百万円(前期比10.0%減)、営業利益10,629百万円(同26.8%減)、経常利益12,164百万円(同25.2%減)、当期純利益5,678百万円(同54.5%減)であった。減収はEV向け電解液の販売減少に加え、麻酔原薬の販売数量低下によるものである。利益面では、減収に加えて、受取配当金・為替差益・有価証券売却益の減少が影響し、減益となった。

2026年3月期中間期は、売上高66,430百万円(前年同期比2.4%減)、営業利益2,502百万円(同47.3%減)、経常利益3,412百万円(同34.0%減)、中間純利益2,135百万円(同23.2%減)であった。売上は、北米・韓国で価格競争激化によりEV向け電解液の減収が響いた。利益面では原燃材料費の上昇と低価法の影響により、減益となった。

2026年3月期通期では、売上高142,400百万円(前期比1.3%減)、営業利益7,000百万円(同34.1%減)、経常利益7,800百万円(同35.9%減)、当期純利益5,500百万円(同3.1%減)を予想している。電解液販売は日系自動車メーカーとの取引開始により底打ち反転を見通しているが、量産本格化が半年程度遅れるため減収予想となった。利益面では電子材料の原材料高騰や販売製品の構成差によるマイナス影響、エネルギー材料の営業損失を要因として減益の見込みである。なお英国子会社売却に伴う譲渡損失が見込まれるが政策保有株式売却等でカバーされ当期純利益への影響は軽微となる見通し。

2026年3月期から開始した6ヶ年の新中期経営計画では、2028年3月期までの前半3期をPhase 1として「成長への基盤強化」に取り組み、後半3期をPhase 2として「本格的な成長軌道へ」と位置づけている。最終年度の2031年3月期に営業利益200億円、ROE10.0%以上の達成を目標としている。成長戦略の柱は「スペシャリティ製品の拡大」と「エッセンシャル製品の強化」である。この戦略に基づき、事業ポートフォリオの最適化を推進し、成長性と投下資本利益率(ROIC)を踏まえメリハリをつけた戦略投資を中長期的な目線で行う方針である。電子材料では環境に配慮したPFAS(※)フリー製品や、次世代半導体基盤となる低欠陥SiCウェハなどの研究開発に注力し、グローバルでの競争力強化に取り組む。エネルギー材料では国内外のサプライチェーン能力を最大限活用し、効率化の向上を図る。L&HCは吸入麻酔薬市場でのシェア維持に努めつつ、再生医療分野の研究開発を強化する。

※有機フッ素化合物の総称で、一部については発がん性リスクなど、健康被害が懸念されている。

株主還元については、成長投資による企業価値向上を図りつつ、安定的な株主還元を基本方針とし、Phase 1(2025~2027年度)では年間配当額170.0円を下限とする。2025年3月期に年間170.0円(配当性向74.2%)を実施し、2026年3月期も年間170.0円(同76.6%)を予定している。足元の株価水準はPBR約0.7倍と割安水準であり、配当利回りは5%を超えており、株主還元面での魅力は高い。


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配信元: フィスコ

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