所信表明演説で高市トレードが加速するか
【注目ポイント】「152.700円」を上抜けブレークするか否か
【シナリオ①】同レート超えなら、「155.000円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レート超え未達なら、「150.500円」付近までの下落も
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「150.500~155.000円」
【注目材料】高市首相の所信表明演説、米国9月CPI(消費者物価指数)
米ドル/円の足もと注目ポイントとして注目していた「150.000円での下値サポート成否」。21日以降の動きは、「150.000円付近での下値サポート示現」→「上昇フロー」となっており、同日に首班指名された高市首相に対するご祝儀相場も相俟った“高市トレード”が再燃する相場付きとなっています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方で推移していること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)があること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが右肩上がりでの推移になっている(上図赤色点線丸印)ことから、現在の米ドル/円・日足チャートは上昇トレンドを示すチャート形状であると判断します。
目先注目すべきポイントは・・・本稿執筆(24日午前8時)時点を基準とするSAR値をメドとする「152.700円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜けブレークするか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「152.700円」を上抜けブレークした場合は、「SARの買いサインへの変化」→「もう一段の上値追い」へのトリガーとなりそうです。当該ケースでは、「上昇バンドウォークの継続」や「(BB[ボリンジャーバンド]・±2σラインの拡張である)エクスパンションの進展」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、BB・+2σラインをメドとし、同時に心理的な節目でもある「155.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「152.700円」超え未達(=上値抑制)となった場合は、「SARの売りサイン継続」→「下押しフロー」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足への近接」や「(BB・±2σラインの収縮である)スクイーズの進展」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAならびに青色雲の上辺である先行1スパンをメドとする「150.500円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落となりそうです。ただし、現状では青色雲が厚い形状(=下値しっかり)となっているため、下値余地は限定的でしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下の米ドル/円はもう一段の上値追いを模索する相場付きとなる中、当面※は「150.500~155.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
足もとでは、日本時間本日午後9時30分に発表される米国の9月CPI(消費者物価指数)結果が米ドル/円の相場動意となりそうです。合わせて、本日午後2時から衆院で、同3時から参院で実施される高市首相による所信表明演説の内容(特に経済財政政策および金融政策など)にも、耳目が集まりそうです。
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