ドルカナダ、もう一段の上値追いとなるか

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最新投稿日時:2025/10/10 10:06 - 「ドルカナダ、もう一段の上値追いとなるか」(津田隆光)

ドルカナダ、もう一段の上値追いとなるか

著者:津田隆光
投稿:2025/10/10 10:06

カナダ9月雇用統計が相場動意となるか

ドルカナダ・週足・複合チャート
ドルカナダ・週足・複合チャート出所:トラリピFX/CFDチャート

【注目ポイント】「1.40000カナダドル」を上抜けブレークするか否か
【シナリオ①-1】「1.40000カナダドル」超えなら、「1.41630カナダドル」付近までの上昇
【シナリオ①-2】さらに「1.41630カナダドル」超えなら、「1.45000カナダドル」付近までの上昇も
【シナリオ②-1】「1.4000カナダドル」超え未達なら、「1.37900カナダドル」付近までの下落
【シナリオ②-2】さらに「1.37900カナダドル」割れなら、「1.35000カナダドル」付近までの下落も
【1~2カ月程度の“主戦場”(コアレンジ)】「1.37900~1.41630カナダドル」
【注目イベント/材料】カナダ9月雇用統計


今年6月に直近と安値となる「1.35388カナダドル」を付けた後、徐々に上値を切り上げる展開となっている米ドル/カナダドル(USD/CAD、以下ドルカナダ)。足もとではもう一段の上値追いとなり得るシグナルが示現しつつあります。

上図(週足チャート)をそれぞれ見ていくと、1) 26週MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態(上図黄色丸印)になっていること、3) ローソク足が赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)の中で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが右肩下がりでの推移になっている(上図赤色点線丸印)ことから、現在のドルカナダ・週足チャートは上方硬直性を伴うレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。


足もとにおいて注目すべきポイントは・・・心理的な節目である「1.40000カナダドル」(上図黄色矢印および黒色線、週次終値ベース)を上抜けブレークするか否か。

筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)


[シナリオ①-1]
この先、「1.40000カナダドル」を終値ベースで上抜けブレークした場合は、「心理的な節目突破」→「もう一段の上値トライ」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転”」や「上昇バンドウォークの示現」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、赤色雲の上辺である先行2スパンをメドとする「1.41630カナダドル」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇となりそうです。

[シナリオ①-2]
さらに「1.41630カナダドル」超えとなった場合は、「上値抵抗帯突破」→「もう一段の上値追い」へのトリガーとなりそうです。当該ケースでは、「(BB{ボリンジャーバンド}・±2σラインの拡張である)エクスパンションの進展」や「遅行スパンの上放れ」、また「+DI>-DIのさらなる乖離拡大およびADXの上昇」なども伴いながら、今年3月以来の高値水準である「1.45000カナダドル」(上図Ⓐ’桃色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。上述した「1.41630カナダドル」については、週足スパンにおける直近高安レート(高値:1.47833カナダドル[24年2月]、安値:1.35388カナダドル[25年6月])を基準とするFR(フィボナッチ・リトレースメント)・50.0%ライン、いわゆる半値戻しの水準と近似値であることから、同水準はドルカナダにとっての重要な“分水嶺(ぶんすいれい)”と言えそうです。

[シナリオ②-1]
一方で、「1.40000カナダドル」超え未達(=上値抑制)となった場合は、「上値抵抗圧力の強まり」→「下押し」となりそうです。当該ケースでは、「SARの売りサインへの転換」や「遅行スパンの“好転フェイク(ダマし)”」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、約半年間における市場参加者の平均コストを示す26週MAをメドとする「1.37900カナダドル」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落となりそうです。

[シナリオ②-2]
さらに「1.37900カナダドル」割れとなった場合は、「基準線割れ」→「もう一段の下値切り下げ」となる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足との絡み合い」や「エクスパンションの進展」、また「+DI>-DIのさらなる乖離縮小ないしは収斂」なども伴いながら、200週MAをメドとする「1.35000カナダドル」(上図Ⓑ’紫色線)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。


上記シナリオ①(1、2)および②(1、2)を概括すると、現下のドルカナダはもう一段の上値切り上げを模索する相場付きとなる中、当面※は「1.37900~1.41630カナダドル」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。(※ここでの「当面」は、1~2カ月程度のスパンを想定しています。)

[シナリオ①-2]で記載した「1.45000カナダドル」および[シナリオ②-2]で記載した「1.35000カナダドル」については、中長期スパンにおいてテクニカル理論上においてあり得る水準として捉えるべきでしょう。

足もとでは、日本時間本日午後9時30分に発表されるカナダ9月雇用統計の結果がドルカナダの相場動意となりそうです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想

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