口先介入の有無が焦点
90日と200日の移動平均線のデッドクロス以降、一目均衡表の雲と重なる90日移動平均線が上値抵抗として機能している。日本も政治の季節入りとなっており、効果的な介入実施が行い難いとの見方もある。足もとは、米株高・長期債利回り上昇が続いているものの、ドル円の上値は重く、口先介入不在の場合は、トレンドフォローからのドル安円高方向リスクがあるだろう。ドルとの逆相関のNY金は、保合いを上に放れて日が浅く、上昇トレンドが始まったばかりであるとの認識が強い。修正があっても買い直されると思われ、裏を返せば、ドルは自律反騰があっても戻りが売られ易いだろう。
ユーロ圏では、ESM発足に必要な独憲法裁判所によるESMの合憲性判断、およびオランダ総選挙が予定されている。独憲法裁判所のESMに関する合憲性判断について、過去ESMと類似したEFSFに対して合憲判断がされたことから承認されるとの見方が強い。この場合は、ユーロにとりポジティブ要因。ネガティブリスクとしては、独憲法裁判所が全体としては承認するものの、一部追加措置や法改正を求める場合で、ドイツのESM批准の遅延が長引くならユーロ売り圧力となる。
オランダ総選挙(総議席150)は、いずれの政党も単独過半数は不可能とみられており、選挙後に連立交渉に入る見通しだが、世論調査で与党第一党の自由民主国民党(VVD)と一位を争っている社会党(SP)・労働党(PvdA)が、どのような連立を組むのかが注目材料。ただし、過去の連立樹立には相応の時間が掛かっており、今晩すぐに大きな材料となるリスクは低いかもしれない。