平和RE Research Memo(4):3つの強化により、投資主価値の最大化に取り組む(1)

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最新投稿日時:2025/02/12 13:04 - 「平和RE Research Memo(4):3つの強化により、投資主価値の最大化に取り組む(1)」(フィスコ)

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平和RE Research Memo(4):3つの強化により、投資主価値の最大化に取り組む(1)

配信元:フィスコ
投稿:2025/02/12 13:04
*13:04JST 平和RE Research Memo(4):3つの強化により、投資主価値の最大化に取り組む(1) ■平和不動産リート投資法人<8966>の中長期の成長戦略

1. 中期目標「NEXT VISION II+」
同REITでは、2024年5月期からは「サステナブルな投資主価値の向上を追求するステージ」と位置付けて、新たな中期目標として「NEXT VISION II」を掲げ、(1)分配金3,800円、(2)資産規模3,000億円、(3)内部成長として賃料収入年率+1%とROI10%、(4)格付AA、(5)GHG90%削減(2018年比)と再生可能エネルギー電力100%の数値目標を目指して推進してきた。

しかし、投資口価格の低迷に対応するとともに、株式市場における資本コストや株価を意識した経営を求める声を十分に意識して、2025年5月期からは一部を改訂し「NEXT VISION II+」として、3つの強化により資本効率を高め、投資主価値を最大化する施策の拡充を図ることとした。この改訂版を打ち出すことで、低迷している投資口価格を引き上げたいとの狙いによるものだ。具体的には、「投資主還元の強化」では、一時差異等調整積立金の取崩し拡大や資産回転型ビジネスによる譲渡益の創出と還元の加速を図る。また、「内部成長の強化」では、バリューアップ投資を着実に推進し、賃料収入の成長を加速する。さらに、「資産回転型ビジネスの強化」では、投資主還元を目的とした譲渡益獲得の加速、バリューアッド運用により含み益を上回る実現益の創出、将来の内部成長の基礎となる資産の取得、を推進する計画である。

3つの強化による改訂版の中期目標として、(1)分配金4,200円、(2)資産規模3,000億円、(3)内部成長として賃料収入年率2%とROI10%、(4)格付AA、(5)2030年までにGHG90%削減と再生可能エネルギー電力100%、に上方修正した。目標達成に向けては、外部成長として、「着実かつ健全な外部成長」「継続的な入替戦略の実施」「投資機会の拡大・中長期で競争力を有するポートフォリオの構築」「資産回転型ビジネスの強化とバリューアッド戦略を通じた含み益の創出と顕在化」を目指す。内部成長では、「高稼働率の維持・向上」「賃料増額に向けた取り組み」「付帯収入増加と費用削減」に加えて、「戦略的な「攻め」の資金活用」を掲げる。財務運営では、「財務基盤の強化」「LTVのコントロール」「資金調達手段の多様化」「金融コストの抑制」を図る。また、投資主還元として、「潤沢な内部留保の還元」「フリーキャッシュの活用」「流動性向上」「含み益の顕在化」を計画する。さらに、ESGの向上にも引き続き前向きに取り組む。潤沢な内部留保残高と含み益の活用などの「攻め」の資金活用によって、バリューアップ工事や物件入替によるバリューアッド戦略を推進することで、サステナブルな投資主還元を目指す。今後予想される金利上昇に対しては、内部留保や含み益を活用したバリューアップ工事による賃料増額によりカバーする計画である。以上の投資主還元の強化を中心とする意欲的な目標設定は投資主に高く評価されると弊社では見ており、今後の進捗状況に注目したい。

2. 外部成長戦略
外部成長戦略では、「着実かつ健全な外部成長」「継続的な入替戦略の実施」「投資機会の拡大・中長期で競争力を有するポートフォリオの構築」「資産回転型ビジネスの強化とバリューアッド戦略を通じた含み益の創出と顕在化」を運用方針としている。「着実かつ健全な外部成長」としては、ポートフォリオの質と収益性の向上に資する物件に厳選投資し、スポンサーと協働することで開発など多様な手法による取得機会の拡大を図ることに加え、フリーキャッシュ及び借入余力を活用した機動的な物件取得を行う。「継続的な入替戦略の実施」としては、低収益物件や小規模レジデンスを優良なオフィスやレジデンスに入れ替えるなど、引き続きポートフォリオの収益力改善を図る。「投資機会の拡大・中長期で競争力を有するポートフォリオの構築」としては、基本的にはオフィスとレジデンスに投資するが、マーケット需要の変化・社会的ニーズへの対応として、ヘルスケア施設やホテルなどへの投資機会を拡大する方針だ。

スポンサー変更以降、資産の入替戦略を積極的に進めてポートフォリオの再構築を図るとともに、稼働率の上昇や賃料改定などにより収益力強化を図った結果、2024年11月期には含み益がさらに拡大し、NOI利回りも上昇するなど、ポートフォリオの質が大幅に改善している。今後も同戦略を推進することで、ポートフォリオのさらなる改善を図る方針である。

同REITのスポンサーである平和不動産はオフィス及びレジデンス開発を積極的に展開しており、同REITはその中から物件を取得している。2024年11月期の期初に実施した4年連続となる公募増資により、平和不動産のパイプラインから販売用不動産のうちオフィス2物件を取得した。このように平和不動産の販売用不動産のストックは、将来の同REITの外部成長を支えている。加えて、同REITでは、普通借地権を活用したパイプラインの構築に取り組んでいる。スポンサーである平和不動産との協業により、借地権のデメリットを克服し、メリットを最大限に享受できるスキームを構築できるのが強みである。また、共有物件・区分所有物件の追加取得によって、ポートフォリオ価値の向上にも取り組んでいる。2024年6月には、北浜一丁目平和ビル(大阪市中央区)のスポンサーからの追加取得による完全保有化(所有割合100%)によって鑑定評価額が1.6億円増加した。今後も公募増資による資産規模の増加、1口当たり分配金やNAV(純資産価値)の成長、LTVの引き下げを推進し、レバレッジを活用した成長余力の確保を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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配信元: フィスコ

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