650V耐圧GaN HEMTに小型・高放熱のTOLLパッケージが登場!

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最新投稿日時:2025/01/30 12:19 - 「650V耐圧GaN HEMTに小型・高放熱のTOLLパッケージが登場!」(PR TIMES)

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650V耐圧GaN HEMTに小型・高放熱のTOLLパッケージが登場!

配信元:PR TIMES
投稿:2025/01/30 12:19
車載向けGaNデバイスの量産に向けても開発を加速

ローム株式会社(本社:京都市)は、650V耐圧GaN HEMT(*1)のTOLL(TO-LeadLess)パッケージ品、「GNP2070TD-Z」の量産を開始しました。TOLLパッケージは、小型、高放熱でありながら、電流容量やスイッチング特性にも優れていることから、産業機器や車載機器の中でも、大電力対応が求められるアプリケーションにおいて採用が進んでいるパッケージです。今回、パッケージ製造については、半導体後工程事業者(OSAT)として豊富な実績を持つ日月新半导体(威海)有限公司/ATX SEMICONDUCTOR (WEIHAI) CO., LTD.(以下、ATX社)に委託しております。



TOLL-8Nパッケージ「GNP2070TD-Z」

新製品は、このTOLLパッケージに第2世代のGaN on Siチップを搭載しており、オン抵抗と入力容量の相関を示すデバイス性能指標(RDS(ON)×Qoss(*2))において、業界トップクラス(※)の数値を実現しています。これにより、高耐圧かつ高速スイッチングが求められる電源システムの更なる小型化と省エネ化に貢献します。2024年12月より量産(サンプル価格 3,000円/個:税抜)及びインターネット販売を開始しており、コアスタッフオンライン(TM)、チップワンストップ(TM)などから購入できます。



TOLLパッケージの新製品と一般品の比較

新製品の量産にあたり、ロームはベースとしている一貫生産体制で培ったデバイス設計の技術やノウハウを活かして、設計及び企画を行いました。そして、2024年12月10日に発表したTaiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited(TSMC)との協業の一環として、前工程はTSMCで生産し、後工程はATX社で生産しています。なお、ATX社とは車載向けGaNデバイスの生産においても協業を予定しています。車載分野におけるGaNデバイスの採用は2026年から加速すると予想されていますが、ロームは、自社での開発に加えて、これらの関係も強化することで、車載向けGaNデバイスの迅速な市場投入を実現する計画です。
※2025年1月30日ローム調べ
ATX SEMICONDUCTOR (WEIHAI) CO., LTD. 董事兼総経理 廖弘昌
ウエハ製造からパッケージングまで自社に生産設備を持ち、高い製造技術を持つロームから生産委託されたことを非常にうれしく思います。ロームとは、2017年に技術交流を開始し、現在も引き続き、より深い協力の可能性を模索しています。そして、GaNデバイスの後工程製造におけるATX社の実績や技術力を評価いただいたことから今回協業に至りました。そして、ロームが現在開発中の車載用GaNデバイスについても協業を予定しており、今後も様々な分野での省エネ推進と持続可能な社会の実現に貢献すべく、パートナーシップを強化してまいります。
ローム株式会社 AP生産本部 本部長 藤谷 諭
ロームの650V GaN HEMTのTOLLパッケージ品を満足できる性能で生産できたことを大変うれしく思います。ロームは、GaNデバイスを単体で提供するだけではなく、強みであるアナログ技術をベースとしたICなどと組み合わせたパワーソリューションを提供しており、これらの設計で培ったノウハウや思想をデバイス設計にも活かしています。そして、ATX社のような高い技術力を持つOSATと協業することで、急成長しているGaN市場に追従しながら、我々の強みを活かしたデバイスを製品化することが可能となります。今後もGaNデバイスの性能向上により、様々なアプリケーションの小型化、高効率化を推進し、人々の豊かな生活に貢献してまいります。
ニュースリリース
背景
脱炭素社会の実現に向けて、全世界の電力消費量の大半を占めるといわれる電源やモーターの効率改善は、世界的な社会課題となっています。その効率改善のカギを握るのがパワーデバイスであり、各種電源のさらなる高効率化に向けて、SiC(シリコンカーバイド:炭化ケイ素)やGaNなどの新材料の活用が期待されています。
ロームは、2023年4月に、650V耐圧の第1世代GaN HEMTを量産し、2023年7月にはゲートドライバと650V耐圧GaN HEMTを1パッケージにしたパワーステージICを量産しました。そして今回、ハイパワーアプリケーションにおける、さらなる小型・高効率化の市場要求に対応するため、従来のDFN8080パッケージに追加する形で650V GaN HEMTのパッケージラインアップを強化。TOLLパッケージに第2世代の素子を搭載し、製品化しました。
EcoGaN(TM)とは
EcoGaN(TM)は、GaNの性能を最大限活かすことで、アプリケーションの低消費電力化と周辺部品の小型化、設計工数と部品点数の削減を同時に目指した省エネ・小型化に貢献するロームのGaNデバイスです。



ロームのEcoGaN(TM)ロゴ

製品ラインアップ

製品ラインアップ「GNP20xxTD-Z」

アプリケーション例
- サーバー電源
- ACアダプタ(USBチャージャ)
- 通信基地局電源
- 産業機器電源
- PVインバータ
- ESS(Energy Storage System / 電力貯蔵システム)

出力電力500W~1kWクラスの幅広い電源システムに搭載可能です。
インターネット販売情報
販売開始時期:2024年12月から
販売ネット商社:コアスタッフオンライン(TM)チップワンストップ(TM)
それ以外のネット商社からも順次発売していきます。
販売対象品番:GNP2070TD-ZTR
注)「コアスタッフオンライン(TM)」、「チップワンストップ(TM)」は、各社の商標または登録商標です。
ATX SEMICONDUCTOR (WEIHAI) CO., LTD.(エーティーエックスセミコンダクター)について
ATX社は、中国山東省威海(ウェイハイ)市に位置し、パワーデバイスの組立及びテストの受託に従事しているOSATです。MOSFET、IGBT、SiC、GaNなど合計50種類以上のパッケージに対応可能であり、年間生産能力は57億個以上です。製品は産業機器、車載機器、再生可能エネルギー(太陽光発電など)、民生機器などに広く使用され、特に電気自動車の制御分野では、国際的なブランド向けに高い市場シェアを誇ります。
ATX社は、世界でトップ10に入るパワーデバイス企業と長期的かつ緊密な協力関係を確立しており、独自の知的財産権及びそれに基づくコア技術を保有している、次世代半導体デバイス開発におけるリーディングカンパニーです。
ATX社の詳細については、以下のWebサイトをご覧ください。http://www.atxwh.com
用語解説
*1) GaN HEMT
GaN(ガリウムナイトライド:窒化ガリウム)とは、次世代パワーデバイスに用いられる化合物半導体材料のこと。一般的な半導体材料であるSi(シリコン)に対して物性に優れており、高周波特性を活かし採用が始まっている。
HEMTとは、High Electron Mobility Transistor(高電子移動度トランジスタ)の単語の頭文字を取った略称。
*2) RDS(ON)×Qoss
デバイス性能を評価する指標であり、Qossは出力側から見た時のドレイン・ソース間の総電荷量のことを指す。また、RDS(ON)(オン抵抗)は、MOSFETを動作(オン)させた時のドレイン・ソース間の抵抗値のこと。値が小さいほど、動作時のロス(電力の損失)が少なくなる。この2つをかけ合わせた値が低いほど、スイッチング動作の効率が向上し、スイッチング損失が少なくなる。
配信元: PR TIMES

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