*12:09JST テリロジーHD Research Memo(9):2025年3月期中間期は円安影響等で営業赤字・経常減益も売上面は順調
■テリロジーホールディングス<5133>の業績動向
1. 2025年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績の概要
2025年3月期第2四半期累計(中間期)の連結業績は売上高が前年同期比31.4%増の3,955百万円、営業利益が21百万円の損失(前年同期は24百万円の利益)、経常利益が同62.1%減の22百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が43百万円の損失(同20百万円の利益)だった。受注高は同43.9%増の4,920百万円、期末受注残高は同50.5%増の3,405百万円、平均為替レートは152.62円(前年同期比11.58円のドル高・円安)だった。利益面は為替の円安影響や人的資本投資に伴う費用増加等で営業赤字、経常減益、最終赤字だったが、売上面は受注が好調に推移して大幅増収と順調だった。
売上面では全部門が増収となり、特にソリューションサービス部門が需要拡大やログイットの新規連結等により大幅増収となった。利益面は、為替の円安影響によって仕入コスト(ライセンス料)が増加し、人的資本投資に伴って人件費などの費用が増加したこともマイナス要因だった。売上総利益は前年同期比27.3%増加したが、売上総利益率は同1.0ポイント低下して31.4%となった。販管費は同32.9%増加し、販管費比率は同0.3ポイント上昇して31.9%となった。なお営業外では為替予約によって為替差益が52百万円増加(前期は17百万円、当期は70百万円)した。デリバティブ評価損益は46百万円悪化(前期は評価益20百万円、当期は評価損26百万円)した。
ソリューションサービス部門が大幅伸長
2. 部門別の動向
部門別の売上高は、ネットワーク部門が前年同期比4.7%増の805百万円、セキュリティ部門が同10.9%増の1,539百万円、ソリューションサービス部門がM&Aも寄与して同89.1%増の1,610百万円だった。
ネットワーク部門はおおむね堅調に推移して増収だった。IPアドレス管理サーバ製品「Infoblox」は増収だった。リプレース需要が一巡したものの、DNSに対する脅威を遮断し、より効果的なセキュリティ対策を実現するプロテクティブDNS(保護DNS)の提案活動に注力した。DDoS攻撃対策「Radware」は減収だったが、新規顧客獲得に向けた営業活動を強化し、引き合いが増加傾向である。安心・安全なネットワーク環境構築に向けたクラウド型無線LANシステム「Extreme Networks」は大幅増収だった。柔軟なモビリティが求められるオフィスフロアや倉庫等での採用が増加した。
セキュリティ部門はセキュリティニーズの高まりを背景に2桁増収と好調だった。電力系等の重要インフラや工場・ビル管理などの産業制御システム分野(OT/IoTシステム)のセキュリティ対策に強みを持つ「Nozomi Networks」は大幅増収だった。国内電力会社や国内大手製造業などからの受注が増加した。CTIセキュリティサービスは大幅増収だった。ネット上で発信・拡散される偽情報による世論操作などのリスクが高まっていることを背景に、官公庁からの受注が好調に推移し、既存のサイバー犯罪対策サービスと併せて成長が加速した。このほか、ログ情報から脅威をいち早く正確に捉えることができる「Sumo Logic」や、同社グループ開発のネットワークパケットキャプチャ新製品「THXシリーズ」も伸長した。一方で、ネットワーク不正侵入防御セキュリティ製品「TippingPoint」、不正取引対策のワンタイムパスワード製品「OneSpan」は減収だった。
ソリューションサービス部門は大幅増収と伸長した。同社グループ独自開発のRPAツール「EzAvater」は増収だった。認知度の高まりにより、業界・業種・規模を問わず採用が拡大基調となっている。多言語リアルタイム映像通訳サービス「みえる通訳」は増収だった。インバウンド需要の拡大により、百貨店、小売店、宿泊施設を中心に引き合いが増加している。特に2025年春開催予定の大阪・関西万博に向けて関西エリアでの受注が堅調だった。訪日インバウンド関連のプロモーションを展開するIGLOOOは大幅増収だった。インバウンドの増加に伴って受注が拡大した。システム開発のクレシードは大幅増収だった。カスタマーサポート対応案件やセキュリティ対策案件などが好調に推移した。また新規連結の音声を中心に企業向けコンタクトセンターソリューションを提供するログイットは、存顧客向け保守ビジネス並びに感情解析ビジネスは順調に推移し、クラウドコンタクトセンターソリューションの引き合いも増加傾向にある。
財務面の健全性を維持
3. 財務の状況
財務面で見ると、2025年3月期中間期末の資産合計は前期末比49百万円減少して6,849百万円となった。前渡金が同68百万円増加、棚卸資産が同69百万円増加した一方で、売掛金が同159百万円減少した。負債合計は同124百万円減少して4,209百万円となった。前受金が同74百万円増加した一方で、未払金が同122百万円減少した。有利子負債残高(長短借入金合計)は同46百万円減少して322百万円となった。純資産合計は同75百万円増加して2,639百万円となった。主に自己株式(減算)が同255百万円減少した。この結果、自己資本比率は同1.3ポイント上昇して38.0%となった。特に大きな変動項目は見当たらず、キャッシュ・フロー計算書でも特に懸念される点は見当たらない。財務面に配慮した規律ある企業価値向上戦略を推進し、財務の健全性が維持されていると弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 2025年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績の概要
2025年3月期第2四半期累計(中間期)の連結業績は売上高が前年同期比31.4%増の3,955百万円、営業利益が21百万円の損失(前年同期は24百万円の利益)、経常利益が同62.1%減の22百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が43百万円の損失(同20百万円の利益)だった。受注高は同43.9%増の4,920百万円、期末受注残高は同50.5%増の3,405百万円、平均為替レートは152.62円(前年同期比11.58円のドル高・円安)だった。利益面は為替の円安影響や人的資本投資に伴う費用増加等で営業赤字、経常減益、最終赤字だったが、売上面は受注が好調に推移して大幅増収と順調だった。
売上面では全部門が増収となり、特にソリューションサービス部門が需要拡大やログイットの新規連結等により大幅増収となった。利益面は、為替の円安影響によって仕入コスト(ライセンス料)が増加し、人的資本投資に伴って人件費などの費用が増加したこともマイナス要因だった。売上総利益は前年同期比27.3%増加したが、売上総利益率は同1.0ポイント低下して31.4%となった。販管費は同32.9%増加し、販管費比率は同0.3ポイント上昇して31.9%となった。なお営業外では為替予約によって為替差益が52百万円増加(前期は17百万円、当期は70百万円)した。デリバティブ評価損益は46百万円悪化(前期は評価益20百万円、当期は評価損26百万円)した。
ソリューションサービス部門が大幅伸長
2. 部門別の動向
部門別の売上高は、ネットワーク部門が前年同期比4.7%増の805百万円、セキュリティ部門が同10.9%増の1,539百万円、ソリューションサービス部門がM&Aも寄与して同89.1%増の1,610百万円だった。
ネットワーク部門はおおむね堅調に推移して増収だった。IPアドレス管理サーバ製品「Infoblox」は増収だった。リプレース需要が一巡したものの、DNSに対する脅威を遮断し、より効果的なセキュリティ対策を実現するプロテクティブDNS(保護DNS)の提案活動に注力した。DDoS攻撃対策「Radware」は減収だったが、新規顧客獲得に向けた営業活動を強化し、引き合いが増加傾向である。安心・安全なネットワーク環境構築に向けたクラウド型無線LANシステム「Extreme Networks」は大幅増収だった。柔軟なモビリティが求められるオフィスフロアや倉庫等での採用が増加した。
セキュリティ部門はセキュリティニーズの高まりを背景に2桁増収と好調だった。電力系等の重要インフラや工場・ビル管理などの産業制御システム分野(OT/IoTシステム)のセキュリティ対策に強みを持つ「Nozomi Networks」は大幅増収だった。国内電力会社や国内大手製造業などからの受注が増加した。CTIセキュリティサービスは大幅増収だった。ネット上で発信・拡散される偽情報による世論操作などのリスクが高まっていることを背景に、官公庁からの受注が好調に推移し、既存のサイバー犯罪対策サービスと併せて成長が加速した。このほか、ログ情報から脅威をいち早く正確に捉えることができる「Sumo Logic」や、同社グループ開発のネットワークパケットキャプチャ新製品「THXシリーズ」も伸長した。一方で、ネットワーク不正侵入防御セキュリティ製品「TippingPoint」、不正取引対策のワンタイムパスワード製品「OneSpan」は減収だった。
ソリューションサービス部門は大幅増収と伸長した。同社グループ独自開発のRPAツール「EzAvater」は増収だった。認知度の高まりにより、業界・業種・規模を問わず採用が拡大基調となっている。多言語リアルタイム映像通訳サービス「みえる通訳」は増収だった。インバウンド需要の拡大により、百貨店、小売店、宿泊施設を中心に引き合いが増加している。特に2025年春開催予定の大阪・関西万博に向けて関西エリアでの受注が堅調だった。訪日インバウンド関連のプロモーションを展開するIGLOOOは大幅増収だった。インバウンドの増加に伴って受注が拡大した。システム開発のクレシードは大幅増収だった。カスタマーサポート対応案件やセキュリティ対策案件などが好調に推移した。また新規連結の音声を中心に企業向けコンタクトセンターソリューションを提供するログイットは、存顧客向け保守ビジネス並びに感情解析ビジネスは順調に推移し、クラウドコンタクトセンターソリューションの引き合いも増加傾向にある。
財務面の健全性を維持
3. 財務の状況
財務面で見ると、2025年3月期中間期末の資産合計は前期末比49百万円減少して6,849百万円となった。前渡金が同68百万円増加、棚卸資産が同69百万円増加した一方で、売掛金が同159百万円減少した。負債合計は同124百万円減少して4,209百万円となった。前受金が同74百万円増加した一方で、未払金が同122百万円減少した。有利子負債残高(長短借入金合計)は同46百万円減少して322百万円となった。純資産合計は同75百万円増加して2,639百万円となった。主に自己株式(減算)が同255百万円減少した。この結果、自己資本比率は同1.3ポイント上昇して38.0%となった。特に大きな変動項目は見当たらず、キャッシュ・フロー計算書でも特に懸念される点は見当たらない。財務面に配慮した規律ある企業価値向上戦略を推進し、財務の健全性が維持されていると弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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