銚子丸、2Q 累計で既存店の売上高、客数、客単価が前年を上回る 下期は既存店の成長継続と新業態店舗の安定化に注力
業績ハイライト
石井憲氏:取締役副社長の石井です。本日はお忙しい中、説明会にご参加を賜り誠にありがとうございます。決算説明会資料を基に業績数値についてご説明します。
まず、業績ハイライトについてです。2024年11月期の売上高は106億8,900万円で前年比105.1パーセント、予算比98.2パーセントとなり、営業利益は6億1,800万円で前年比67.9パーセント、予算比92.9パーセントの業績着地となりました。
対前年では増収減益の中、過去最高の売上高を更新することができています。そして対予算では売上高、営業利益ともに予算未達ですが、年末年始の直近業績は順調に推移しており、オントラックの状態にあると考えています。
表の下に上期6ヶ月間のトピックスを記載しました。まず、新店を2店舗オープンしました。6月に千葉県市川市に完全予約制の高級寿司業態である屋号「鮨元」、続いて7月に東京都JR赤羽駅構内に立ち食い寿司の新業態である屋号「Standing 鮨 Bar Yasuke」をオープンしました。期中の閉店はなく新規出店が2店舗ですので、期末店舗数は90店舗となっています。
次に、お客さまへの快適な環境提供ならびにオペレーションの効率化を目指し、6月に桜木店、7月に宇喜田店と板橋東新町店、10月に経堂店と計4店舗の既存店で改装を実施しました。
また、年間公休日数の増加とともに、働き方改革の一環ならびにより良いサービスの提供強化を目的として、一部館(やかた)の店舗を除いた全店、同日に一斉で店舗休業日を実施しました。
そして、すでにリリース済みの「縁アプリ」はさまざまな機能を追加しつつ、足元の登録会員数が43万人にまで増えています。
続いて、10月29日よりTverで当社出店エリアの1都3県に向けて2種類のWebCMを放映しました。なお、並行して11月に実施した創業祭というイベント期間の売上高は6パーセント程度の上昇と認識しています。特に創業祭期間中、全店で同一日に2回開催したマグロの解体ショーはお客さまから大変ご好評いただきました。当社の調達力や技術力をアピールする重要な施策として、今後も実施を検討していきたいと考えています。
エリア別売上高
スライドのエリア別売上高の表では1都3県における90店舗の各店舗状況が記載されています。新たに出店した2店舗は千葉県と東京都でしたので、こちらでは店舗数の推移があります。一方、店舗数が変わらない2県でも、埼玉県は前年比103.4パーセントの売上高、神奈川は前年比105.3パーセントの売上高と、どちらも順調に前年の売上高をクリアしています。
既存店の推移
既存店の推移についてご説明します。
まず、足元の第2四半期のトピックスとして、2024年6月に価格改定を実施しました。よって、第2四半期の累計客単価は6.5パーセントほど上昇しています。また、折れ線グラフのオレンジのラインで客数の推移を示しています。
2024年10月は店舗休業3日間と、細かい説明ですが創業祭イベントの実施期間が昨年と今年で15日ほどずれたことにより、第2四半期の客数はマイナス5.0パーセントと悪化しています。しかし、全体を通して第2四半期累計数字は売上高、客数、客単価ともに前年を超えるかたちで推移しています。
営業利益の変動
営業利益の変動についてご案内します。前年の営業利益は9億1,000万円で、今期の着地は6億1,800万円となりました。前年に対し、売上高の増加、売上総利益率の改善があったものの、2024年2月に一律3万円のベアを行ったことにより、人件費が2億9,500万円増加しました。こちらの数字には、昨今増加している店舗での日雇いアルバイトの賃金上昇分も含んでいます。
また、上記に付随する法定福利費及び福利厚生費が8,100万円、アプリ開発やDX推進による外注費が8,000万円、ともに増加しました。その他販管費の増加における主な内訳は、クレジット手数料、システム維持管理費用の支払い手数料ならびに水道光熱費、消耗品費、修繕費の増加などにより、計1億2,600万円ほどの増加がありました。そのため、今期の営業利益は6億1,800万円、営業利益率は5.8パーセントとなっています。
貸借対照表の状況
貸借対照表の状況です。2024年11月期は運転資本が50億3,600万円となっています。スライド右側のグラフや表に記載のとおり、自己資本比率は74.3パーセントと引き続き高水準で安定した状態にあります。
2025年2月期 通期業績予想
これらを基に、スライドでは、最終的な2025年2月期通期業績予想を載せています。今期の売上高予測は177億3,800万円、営業利益は10億5,700万円、営業利益率は6.0パーセントの着地を見込んでいます。
スライドの表の下に記載のとおり、業績予想の前提として既存店売上高は前年比102.0パーセント、下期店舗休業9日間、下期想定原価率39.5パーセントという数字を織り込みながら着地を予測しています。また、下期には1店舗の新規オープンも織り込んでいます。
以上、私からは上期の業績ハイライトと、今期の2月末で決算期を変更していますが、通期業績予想についてお話ししました。具体的な今後の取り組みについては社長の石田よりご説明します。
2025年2月期の取組課題
石田満氏:石田です。本日はお忙しい中、ご参加いただき誠にありがとうございます。副社長の石井からも説明がありましたように、今期は2月末で締まるという変則的な決算になっています。通常ですと、ここで後半戦の話をしていますが、2月末までのお話しとなりますと話がなかなか進まないため、年の初めでもありますので、来期にかけてのところも多少織り込みながらお話しします。
それでは、2025年2月期の取組課題についてお話しします。取組課題は、大きく分けて4つあります。店舗開発の推進、DX推進、人財確保、米国市場における新たな価値創造です。
一つひとつご説明したいと思います。まずは、これから先、総合的にどのようなことをしていくかをお話しします。年初に私から本部の社員に向けて話したことが2つあります。1つは、この1年、既存店の成長力をさらに磨くことをテーマに掲げている点です。もう1つは、歩み始めた新業態を軌道に乗せることです。
ここ数年はこのような機会を設けて、既存店の成長力についてお話ししてきました。少しずつですが既存店の磨き上げができていると思いますが、さらに磨こうと考えています。
今まで取り組んできた人員補充や商品力の強化に加えて、何事も計画を立てて、その結果を詳細に分析して次のアクションを起こそうと考えています。そのため、さらに磨くというかたちにしました。
また、これから先は生産性のアップや効率化に対する投資を掲げていくことになると思います。すでに機械化等を進めていますが、より一層細かなところでも省力化・効率化を目指します。まずはキッチンを中心に機械化・省力化をもう一度検討します。
DXについては後ほどご説明しますが、2025年はテーブル決済等を導入して、オペレーションの効率化を考えています。
2025年2月期の取組課題の進捗
店舗開発の推進について具体的にお話しします。新業態として、2024年6月に高級業態の「鮨元」、7月に立ち食い業態の「Standing 鮨 Bar Yasuke エキュート赤羽みなみ店」をオープンしました。2025年1月23日には「銚子丸雅 アリオ橋本店」の出店を予定しています。この3つを今期内での出店と考えています。
これらはかなりチャレンジングな出店となりました。高級業態も、駅中の立ち食いという業態も初めてです。「銚子丸雅 アリオ橋本店」は、従前からアリオ亀有店がありますが、もう少しフードコート寄りの商売ができると考え、アリオ橋本店では店から持ち出してフードコートで食べられる商売にも手を伸ばそうと考えています。
この3つはチャレンジというかたちを取りながら進めるわけですが、初めての取り組みということで、今まで得意分野で行ってきたロードサイドとは少し異なります。軌道に乗せていくために、これから力を注いでいこうと考えています。
改装については、改装前の10パーセントの売上アップを考えて実施しています。桜木店、宇喜田店、板橋東新町店、経堂店、南柏店の改装を実施しました。
南柏店はまだ改装したばかりなため効果を測りにくいのですが、経堂店は改装直前と直後、比較期間の曜日回りなどを見ながら、開店景気などを織り込まないかたちで数字を並べると、約108.4パーセントの売上になりました。その他は110パーセントを大きく超えて改善しています。今のところ、しっかりと良い改装ができていると考えています。
2025年2月期の取組課題の進捗
DXの推進についてご説明します。DXを進めてきた中で、そろそろ仕上げの状況に入ってきました。半期で行ってきたことは、銚子丸の「縁アプリ」の機能を強化したことです。おすすめメニューの表示と順番待ち機能を加えました。また、お気に入り店舗の登録ができるようになりました。
2025年2月ごろから追加する機能をご紹介します。モバイルオーダーでクレジット決済のオーダーをした場合、従来はアプリのポイントやクーポンなどを利用する際、一度来店して手続きを踏まないと利用できませんでした。それを自動的に使えるよう変更します。そして、大きな変更として、テーブル決済も可能にする予定です。2月頃に実験店を進めて、随時全店に広げていく予定で進めています。
スライドには「縁アプリ」の会員数が43万人とありますが、2025年1月6日時点で47万1,850人と、着実に増えてきています。
アクティブユーザー数も、直近の平均は16万3,000人程度と、順調に動いています。「縁アプリ」の会員のレジの通過割合は、平均32パーセントから33パーセントのため、まずまず使われていると考えています。
「縁アプリ」はお客さまとの双方向のアプリとして開発を進めています。これからは、まだ来店していないお客さまにもつながっていくようなものを打ち出しながら、口コミを誘発して新しいお客さまの獲得にもつながる機能を追加したいと思います。
2025年2月期の取組課題の進捗
人財確保についてです。現場の方にお話を聞くと人員の補充を求められることから、現場の人手不足感が高まってきている印象です。スライドには採用媒体の多様化と書きましたが、外食企業を志向している方たちとして、今までは40代ぐらいの経験者を採用できるような媒体に力を入れていましたが、これからは、もう少し若い層や若年層を捉えられるような媒体を加えていくことで、採用に動きがついてくると思います。
また、時間や勤務地に制限のある方たちの雇用も考えています。限定社員として打ち出して採用を進めているところです。積極的な社員登用、リファラル採用に関しては、基本的には内部からの社員登用や紹介採用を進めることで従前に増して力を入れていく予定です。
なにより大事なことは育成です。未経験の中途採用者が狙い目だと考えており、そこに力を入れて採用すれば、おのずと入社以降の育成が大事になってくるからです。
動画教育ツール等の活用や研修店舗での研修はこれまでも実施していましたが、研修店舗での研修をより充実させていきます。最初に教える研修店舗と、ある程度できるようになってから追加の研修を受けるそれぞれの地区の研修店舗というかたちを取り、そこからお店に本配属されるというルートが出来つつあります。このような研修を進めていくことで、未経験の中途採用者をしっかり戦力にしていく戦略を考えています。
また、育成がしっかりできると、スライドの中央にも記載したように女性店長の候補者がどんどん出てくると考えています。
未経験でも「外食やお寿司に興味がある」「手に職をつけたい」という女性の応募も増えてきているため、一石二鳥にもなることから、上記のような育成施策が大事だと考えています。
スライド下段には、リテンションについて記載しています。一度入社していただいたら、その方々に長く勤めていただけるような施策を今後も充実させていくつもりです。
店舗休業日については、3日間の連休で店舗を休業し、働いている方々が心おきなく休めるような状態を作れるよう、設定しています。今期は2月までで12日間設定していますが、通期で1年のペースになってきたら、5ヶ月で15日間設定できると考えており、そのように動いていくつもりです。
また、店舗設備のリニューアルについては改装等を通じて進めていきます。一番下に記載したGLTD保険(団体長期障害所得補償保険)の導入については、怪我や病気などで傷病手当金の対象になり、手当が終了した後は、従来は働けない限り補償はされなかったところ、60歳または65歳まで、怪我や病気によって減少してしまう所得の一定割合を保障する保険に加入しました。こちらの最初の募集は2月7日締め切りでスタートしており、現在周知しています。
このような取り組みを通じて、順調とはいえませんが採用も進み、女性の比率も増え、そして技術者育成研修でも結果が出てきています。引き続きしっかりと進めていく予定です。
2025年2月期の取組課題の進捗
米国市場における新たな価値創造についてです。こちらは2024年3月に、米国に合弁会社を設立して動きはじめています。
現在、ペースは少し緩めではありますが、着々と進んでいます。現状は1号店と2号店の物件選定に目途がつき、今年はそろそろ動いていきます。
詳細については、ロイヤルホールディングス、双日、当社の3社の合意をもって、必要に応じて開示していこうと思っています。
SDGs&CSRの取り組み
SDGsとCSRの取り組みについてです。フードバンク活動は2021年8月から開始しており、スライドに記載した数字が累計の寄贈量です。
重さで表示するのはどうかと思いますが、今のところ重さで出す以外方法がないためこのようにしています。活動開始からの累計寄贈は延べ35回、累計4.9トンの食料品をフードバンクちばに寄贈しました。
SDGs&CSRの取り組み
スライドは、当社で扱っているオーロラサーモンのファンイベントのご紹介です。写真はイベント開催時のものです。ノルウェーで養殖したものをチルドの状態で輸入し、お客さまにおいしく召し上がっていただいています。
今の世の中を考えていくと、このような養殖魚をよりおいしく召し上がっていただけるという状況に注力していきたいと考えています。
我々が扱っているマグロもそうですし、オーロラサーモン、みやび鯛、それからシマアジ、ヒラメ、カンパチ、はまちが主だった養殖魚ですが、自信のある食材がだいぶ増えてきたため、養殖魚をしっかりと取り扱って、今後も安定供給とおいしさの追求をしていきたいと考えています。もちろん天然魚も大切であるという前提は置いています。
SDGs&CSRの取り組み
食育とキャリア教育活動についてです。食育にも相当な時間を割いて協力しています。地域の小・中学校への出張授業については2月まで予定が入っており、66回の実施を予定しています。この中の10回は、生徒たちに寿司握り体験をしていただいています。
また、「食」と「職」がコラボレーションしたキャリア教育という側面のイベントを1回、調理実習を含む食育イベントを2回実施しています。
その他のイベントも1回参加しており、かなりの回数を実施しています。
顧客層拡大の取組 - サービスの拡充
顧客層拡大の取り組みのうち、出張回転寿司の積極的な展開についてです。48期上半期の開催実績は137件、お客さまの参加人数は6,281名でした。したがって、5月までの1年通期でこの倍の数字と考えると、前年を大きく上回るかたちになると考えています。
このチームは担当者3名と回転レーン2台を持って営業していますが、1日のうち午前に1回、夜に2回という営業の日もあるため、そろそろキャパシティの限界に来ているというのが現状です。11月16日から12月15日までの12月度は24回実施、参加人数が1,254名で売上が614万円でした。このあたりが現在のおおよその上限と考えています。
ご注文をお断りすることも増えており、またその数も増えていくと予想されるため、増員を検討する段階に入っています。大変喜ばれている事業ですので、しっかりと進めていきたいと考えています。
いろいろなことをご説明しましたが、2月末の決算に向けて、今お話ししたことを計画どおりに進めていこうと考えています。また、この先の来期も含めた方向性を含んだお話にもなっています。
ありがとうございました。
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