*16:18JST ミロク情報 Research Memo(8):2029年3月期に経常利益120億円を目指す(2)
■ミロク情報サービス<9928>の今後の見通し
(2) 基本戦略
中期経営計画におけるグループ共通の成長戦略として、ビジネスモデルの変革(サブスクモデルへの移行)、新規顧客の獲得による顧客基盤の拡大、LTVの最大化の3点を掲げ、以下の6つの戦略を推進している。
a) 「会計事務所ネットワークNo.1への戦略」
「会計事務所ネットワークNo.1への戦略」として、DXコンサルティングサービスと新たなSaaSビジネスにより、会計事務所と顧問先企業のDXを推進していく。具体的な施策として、短期的には、会計事務所の高齢化や人手不足に対応すべく、独自開発した3つのAIソリューション(AI仕訳、AI-OCR入力、AI監査支援)によって、仕訳業務や帳簿チェックなどの業務効率化を支援していく。
また、2024年10月に提供開始した新機能「経営分析プラス」は、会計事務所向けERP「ACELINK NX-Pro会計大将」と「Hirameki 7」を連携させており、顧問先の会計データを「Hirameki 7」上にアップロードするだけで、会計事務所側で顧問先企業の経営分析や財務分析、資金繰りの状況などをビジュアル化し、経営指導に活用する資料の作成を行うことが可能となっており、会計事務所の経営支援サービス力向上につながるだけでなく、「Hirameki 7」の利用企業も広がるといったシナジーが期待できる施策として注目される。
これらの取り組みを推進することで、約25%ある会計事務所向けERP製品の市場シェアを引き上げる。なお、SaaS版の「ACELINK」については現在開発中でリリース時期はしばらく先となるが、本格的なビッグデータ・AI活用や画期的な新規サービスの開発を進めている。SaaS版では会計事務所とすべての顧問先がWebサービスでつながることになり、リアルタイムにデータを収集・活用することで、より高度な経営支援サービスが可能になると見られる。
b) 「中堅・中小企業向け総合ソリューション・ビジネス戦略」
中堅・中小企業向けの戦略としては、グループシナジーによりDXコンサルティング、SaaS製品、SI体制の強化を図り新規顧客の開拓を進める。ERP製品について、既存製品(オンプレミス・IaaS)についてはAI機能の活用による製品・サービスの高度化と法改正対応を継続的に実施し競争力の維持・向上を図る。また、SaaS製品については2025年後半を目標にリリースする予定で、API連携の充実や生成AIによる新機能などを搭載していく。まずは、中小企業をターゲットとした製品からスタートし、徐々に機能を拡充することにしている。
また、DXコンサルティング・サービス事業を立ち上げる。中堅・中小企業向けに自社のERP製品だけでなく他社製品も含めて最適なシステムを提案し、システム導入支援からサポートまでワンストップで提供するSIサービス体制を確立していく。このため、DXコンサルティングを行うスキルをもったITコーディネータを現在の約60名体制から2026年3月期は100名以上、中期的には200~300名体制まで拡大し地域密着型のDXコンサルティング・サービスを展開していく。また、グループ会社やパートナー企業とも協業し、より広範な経営課題に関するDXコンサルティングを行っていく。グループ会社ではデジタルマーケティングや組織・人事コンサルティング、M&A・事業承継コンサルティングなどを提供しており、シナジー効果は大きいと弊社では見ている。
c) 「統合型DXプラットフォーム戦略」
統合型DXプラットフォーム事業の中核をなす「Hirameki 7」は、既述のとおり中小企業や小規模事業者のDXを推進するための7つのサービスを提供している。利用社数は3.4万社を超えており大半は無料プランでの契約となっているが、2024年10月より有料プランへの本格移行を開始している。
従来は、有料プランとして現行のすべての機能が利用できるプライムプラン(月額6,000円(税別))を提供していたが、個人事業主でも利用可能なシングルプラン(月額800円/人(税別))と5人まで利用可能なグループプラン(月額3,200円/5人(税別))の2つのプランを用意し※、大幅な低価格化に努めることで有料化への移行促進を図る。また、機能面ではマーケティング機能に、新たに「新規営業開拓」機能と「案件管理」機能を追加し、営業活動のDXを実現している。販売面ではトライベックのデジタルマーケティングだけでなく、同社の全国拠点に在籍する900名超の営業・サポート要員も活用しながら、早期の収益化を実現する考えだ。2029年3月期のKPIとしては、顧客数で約8万社、ARPUで約2,600円/月とし、売上高25億円、経常利益10億円を目指す。
※ 各機能ともオプションメニューを用意しており追加料金を支払うことで利用可能となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2) 基本戦略
中期経営計画におけるグループ共通の成長戦略として、ビジネスモデルの変革(サブスクモデルへの移行)、新規顧客の獲得による顧客基盤の拡大、LTVの最大化の3点を掲げ、以下の6つの戦略を推進している。
a) 「会計事務所ネットワークNo.1への戦略」
「会計事務所ネットワークNo.1への戦略」として、DXコンサルティングサービスと新たなSaaSビジネスにより、会計事務所と顧問先企業のDXを推進していく。具体的な施策として、短期的には、会計事務所の高齢化や人手不足に対応すべく、独自開発した3つのAIソリューション(AI仕訳、AI-OCR入力、AI監査支援)によって、仕訳業務や帳簿チェックなどの業務効率化を支援していく。
また、2024年10月に提供開始した新機能「経営分析プラス」は、会計事務所向けERP「ACELINK NX-Pro会計大将」と「Hirameki 7」を連携させており、顧問先の会計データを「Hirameki 7」上にアップロードするだけで、会計事務所側で顧問先企業の経営分析や財務分析、資金繰りの状況などをビジュアル化し、経営指導に活用する資料の作成を行うことが可能となっており、会計事務所の経営支援サービス力向上につながるだけでなく、「Hirameki 7」の利用企業も広がるといったシナジーが期待できる施策として注目される。
これらの取り組みを推進することで、約25%ある会計事務所向けERP製品の市場シェアを引き上げる。なお、SaaS版の「ACELINK」については現在開発中でリリース時期はしばらく先となるが、本格的なビッグデータ・AI活用や画期的な新規サービスの開発を進めている。SaaS版では会計事務所とすべての顧問先がWebサービスでつながることになり、リアルタイムにデータを収集・活用することで、より高度な経営支援サービスが可能になると見られる。
b) 「中堅・中小企業向け総合ソリューション・ビジネス戦略」
中堅・中小企業向けの戦略としては、グループシナジーによりDXコンサルティング、SaaS製品、SI体制の強化を図り新規顧客の開拓を進める。ERP製品について、既存製品(オンプレミス・IaaS)についてはAI機能の活用による製品・サービスの高度化と法改正対応を継続的に実施し競争力の維持・向上を図る。また、SaaS製品については2025年後半を目標にリリースする予定で、API連携の充実や生成AIによる新機能などを搭載していく。まずは、中小企業をターゲットとした製品からスタートし、徐々に機能を拡充することにしている。
また、DXコンサルティング・サービス事業を立ち上げる。中堅・中小企業向けに自社のERP製品だけでなく他社製品も含めて最適なシステムを提案し、システム導入支援からサポートまでワンストップで提供するSIサービス体制を確立していく。このため、DXコンサルティングを行うスキルをもったITコーディネータを現在の約60名体制から2026年3月期は100名以上、中期的には200~300名体制まで拡大し地域密着型のDXコンサルティング・サービスを展開していく。また、グループ会社やパートナー企業とも協業し、より広範な経営課題に関するDXコンサルティングを行っていく。グループ会社ではデジタルマーケティングや組織・人事コンサルティング、M&A・事業承継コンサルティングなどを提供しており、シナジー効果は大きいと弊社では見ている。
c) 「統合型DXプラットフォーム戦略」
統合型DXプラットフォーム事業の中核をなす「Hirameki 7」は、既述のとおり中小企業や小規模事業者のDXを推進するための7つのサービスを提供している。利用社数は3.4万社を超えており大半は無料プランでの契約となっているが、2024年10月より有料プランへの本格移行を開始している。
従来は、有料プランとして現行のすべての機能が利用できるプライムプラン(月額6,000円(税別))を提供していたが、個人事業主でも利用可能なシングルプラン(月額800円/人(税別))と5人まで利用可能なグループプラン(月額3,200円/5人(税別))の2つのプランを用意し※、大幅な低価格化に努めることで有料化への移行促進を図る。また、機能面ではマーケティング機能に、新たに「新規営業開拓」機能と「案件管理」機能を追加し、営業活動のDXを実現している。販売面ではトライベックのデジタルマーケティングだけでなく、同社の全国拠点に在籍する900名超の営業・サポート要員も活用しながら、早期の収益化を実現する考えだ。2029年3月期のKPIとしては、顧客数で約8万社、ARPUで約2,600円/月とし、売上高25億円、経常利益10億円を目指す。
※ 各機能ともオプションメニューを用意しており追加料金を支払うことで利用可能となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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