金利ある世界で「現実買い」の局面到来、金融セクターは今年も熱い! <株探トップ特集>

\ あなたにピッタリの銘柄がみつかる /

みんかぶプレミアムを無料体験!

プランをみる

さらにお得なキャンペーン!

資産形成応援キャンペーン

期間内であればいつでもエントリーOK

最新投稿日時:2025/01/14 19:30 - 「金利ある世界で「現実買い」の局面到来、金融セクターは今年も熱い! <株探トップ特集>」(株探)

お知らせ

読み込みに失敗しました。

しばらくしてからもう一度お試しください。

重要なお知らせ すべて見る

金利ある世界で「現実買い」の局面到来、金融セクターは今年も熱い! <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2025/01/14 19:30

―日銀の利上げ観測くすぶるなかで注目度上昇中、好業績・株主還元強化の流れは不変か―

 日本銀行は、2024年3月にマイナス金利政策を解除し、同年7月には政策金利(無担保コールレート翌日物)を0.25%に引き上げた。お金を預けてもほとんど利息が付かない世界から、わずかとは言え利息が付く世界に戻ったのである。となれば、お金を持つ企業が恩恵を受けることとなる。昨年の金融セクターの株価は極めて堅調であった。問題は、金融セクターの好パフォーマンスが持続するか否かという点にある。結論から言えば、ファンダメンタルズの観点では、金融セクターの好調は持続すると考えてよいだろう。昨年が「理想買い」の局面とするなら、本年は「現実買い」の局面に相当すると言ってもよいかもしれない。

●資金利益の増加基調は継続へ

 全国銀行協会が昨年12月26日に公表した「全国銀行の2024年度中間決算の状況」によると、都市銀行から地方銀行まで110行の今年度の9月中間期純利益は前年同期比で52%増加し、2兆9534億円となった。資金運用収益から資金調達費用を差し引いた資金利益は、同14%増の4兆5219億円。臨時損益に分類される株式等関係利益は同2.7倍の9582億円だった。

 資金利益は、本業からの利益である業務利益の大宗といえる。資金運用収益は、貸付金利息、有価証券利息配当金などからなり、資金調達費用は預金利息からなる。つまり、貸付金などから受け取る利息と、預金に対して支払う利息との利ザヤが利益の源泉となる。先の集計によると、預貸金利ザヤは前年同期比プラス0.01ポイントの0.28%。金利上昇を受けて増加した資金調達原価を補って貸出金利回りが高まり、利ザヤの改善につながった。貸出金の金利は通常、即座には改定されることはなく、今後も徐々に上昇傾向が鮮明になると想定される。資金利益の持続的な増加が見込めることは、金融セクターのパフォーマンスを高める大きなドライバーとなる。

 加えて、昨今の「資本コストや株価を意識した経営」の浸透によって、上場企業において政策保有株の売却が進んでおり、この流れは当面は継続すると見込まれる。一過性の利益でもある株式売却益は、自己株取得や増配など株主還元の原資として活用されている。株式売却益の計上と株主還元の強化が見込めること。これがもう一つのドライバーとなるだろう。欧米と比べて遅れて金融引き締め局面を迎えた日本では、四半期決算を迎えるごとに資金利益の増加基調が再確認される公算が大きい。時期によって増減はあるにしても、趨勢(すうせい)として株式売却益の計上が継続するのであれば、株主還元の上乗せが期待できよう。

●資金量が銀行利益に貢献

 インフレの世界では資産や負債を有効に活用することが求められる。金利が付かないにもかかわらず集まってきた預金、低金利での貸出金、低利回りで保有する有価証券。これらは金利上昇に転じた場合で収益を拡大させる大きなポテンシャルを持つ。その意味では、金融セクターのなかでも メガバンクが最注目となるはずだ。

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]は、預金・貸付金の規模で世界有数でもあり、金利上昇からの恩恵を受けると考えられる。また、海外事業展開や証券業務連携により、資金利益だけではない利益成長モデルも描けるかもしれない。各社ともすでに欧米での金利上昇から恩恵を受けているが、今後は国内金利上昇の効果が上乗せ要因となろう。メガバンク株の上昇相場から降りるのは、時期尚早といえるかもしれない。

  地方銀行にも投資家からの熱視線が集まっている。一般に、地方銀行は住宅ローンなど長期の貸付金が多いため、金利感応度は都市銀行より小さく、金利上昇効果は遅れて出てくる傾向がある。株価的にも昨年来高値を更新できていない銘柄が多く、出遅れ感がある。

 横浜銀行や東日本銀行を傘下に持つコンコルディア・フィナンシャルグループ <7186> [東証P]や千葉銀行 <8331> [東証P]、福岡銀行や熊本銀行など4地銀に加えてデジタルバンクにも展開するふくおかフィナンシャルグループ <8354> [東証P]、マネックスグループ <8698> [東証P]に出資するしずおかフィナンシャルグループ <5831> [東証P]、傘下の京都銀行が任天堂 <7974> [東証P]や村田製作所 <6981> [東証P]の大株主である京都フィナンシャルグループ <5844> [東証P]、常陽銀行と足利銀行を傘下に持つめぶきフィナンシャルグループ <7167> [東証P]は、有力な投資候補先となるだろう。それなりの規模の預金、貸付金、有価証券によって利益寄与が期待できると考えられるためだ。

 ネット専業銀行ながら、預金獲得によって事業規模を拡大させている楽天銀行 <5838> [東証P]と住信SBIネット銀行 <7163> [東証S]も面白い存在だ。グループ内の連携に加え、外部企業とのサービス連携も進めており、物理的な店舗網はなくともインターネット上のサービス体制を拡充しているという点において、評価の余地が大きい。

●生保業績へのプラス効果も注目

 現状では、日本における金利上昇のペースは遅々たる歩みとなっているが、それでも一段の上昇の可能性について考慮しなければならない局面であることには変わりがない。そこで見逃せないのが 生命保険会社だ。生命保険の契約期間は長期にわたる。金利低下局面で逆ザヤに苦しんだという過去もある。

 生命保険料は、予定死亡率、予定利率、予定事業費率の3要素をもとに決められる。すなわち、死亡率の低下と運用利回りの上昇、保険事業を運営するための費用の削減が、保険会社の利益を押し上げる要因となる。このうち予定利率は、商品によって異なるが、1980年代から90年代にかけ5%を超える水準にあった。その後は金利低下に伴って徐々に引き下げられ、2020年代になると1%を下回る水準に沈んだ。しかし、昨年11月、日本生命保険が約40年ぶりに一部商品の予定利率を引き上げると発表した。足もとの金利上昇は、収益性を高めるための好機となっている。

 生命保険会社には相互会社の形態をとるところもあり、上場会社はそれほど多くはない。第一生命ホールディングス <8750> [東証P]は、国内生命保険大手の一角を占め、米国・豪州・アジアなど海外展開も進めている。T&Dホールディングス <8795> [東証P]は、大同生命と太陽生命を傘下に持つ中堅生保グループ。ライフネット生命保険 <7157> [東証G]は、ネット専業生保として成長しており、東証プライムへの市場変更を目指している。

 生命保険と同様、損害保険会社についても金利上昇メリットはある。ただし、いくつかの点で異なる特徴に留意が必要だろう。自動車保険を中心とする損害保険の契約期間が短期(通常は1年)であり、料率改定は比較的スムーズに実施できる。また、資金運用の面でも長期運用というよりは余資運用に近い形であり、構造的に金利変動の影響はさほど大きくは受けない。

 損害保険料を決める上では、予定損害率が圧倒的に重要で、予定事業費率がこれに続き、予定利率は限定的と考えてよいだろう。その意味では、自動車の事故率、自然災害の発生率などに合わせて素早く料率を調整することが肝要となる。損保業界は国内大手3グループに集約され、収益性の向上を果たしたが、この点は金利情勢とは別の要因である。とはいえ、損害保険会社にも金利メリットはあり、SOMPOホールディングス <8630> [東証P]、MS&ADインシュアランスグループホールディングス <8725> [東証P]、東京海上ホールディングス <8766> [東証P]の大手3社にも目を配っておきたい。

●穴株として第二地銀をマーク

 銀行株のPBR(株価純資産倍率)を見ると、「メガバンク・大手行>地銀大手>地銀中堅以下・第二地銀」という序列が存在する。第二地銀は、そのほとんどが旧相互銀行からの転換により誕生した。第二地銀には財務基盤が相対的に盤石ではないところもあり、公的資金が注入された例もある。しかし、もともと評価が低かったがゆえ、化けると変化率が大きくなる可能性が高い。切り口として、SBIホールディングス <8473> [東証P]が設立したSBI地銀ホールディングスの出資先を挙げると、島根銀行 <7150> [東証S]や福島銀行 <8562> [東証S]、きらやか銀行と仙台銀行を傘下に持つじもとホールディングス <7161> [東証S]などがある。

 最後に、ゆうちょ銀行 <7182> [東証P]を取り上げたい。郵便貯金事業を展開した経緯から、貸出金のウェイトは小さく、有価証券での運用が中心。昨年9月末時点の貯金残高は191兆円と国内金融機関として最大規模の資金を抱えてきたとあって、潜在力は大きい。郵政民営化法に基づき、親会社・日本郵政 <6178> [東証P]による保有株放出が想定されるのはリスク要因だが、株価には織り込み済みだろう。うがった見方をすれば、ゆうちょ銀が活況裡に高値をつけるまで、金融株相場は終わらないと言えるかもしれない。

株探ニュース
配信元: 株探

関連銘柄

銘柄 株価 前日比
1,310.0
(01/14)
+11.0
(+0.84%)
4,572.0
(01/14)
+95.0
(+2.12%)
2,204.5
(01/14)
-23.5
(-1.05%)
1,518.5
(01/14)
+4.0
(+0.26%)
2,497.5
(01/14)
-25.0
(-0.99%)
493.0
(01/14)
-6.0
(-1.20%)
1,786.0
(01/14)
+2.0
(+0.11%)
304.0
(01/14)
-8.0
(-2.56%)
3,975.0
(01/14)
+170.0
(+4.46%)
630.2
(01/14)
-13.0
(-2.03%)
1,489.0
(01/14)
+2.5
(+0.16%)
851.6
(01/14)
-12.6
(-1.45%)
7974
9,332.0
(01/14)
+84.0
(+0.90%)
1,859.5
(01/14)
-44.0
(-2.31%)
3,712.0
(01/14)
-42.0
(-1.11%)
1,198.5
(01/14)
+9.0
(+0.75%)
3,920.0
(01/14)
-60.0
(-1.50%)
3,843.0
(01/14)
-42.0
(-1.08%)
3,878.0
(01/14)
-47.0
(-1.19%)
220.0
(01/14)
+1.0
(+0.45%)
4,080.0
(01/14)
+75.0
(+1.87%)
882.0
(01/14)
-46.0
(-4.95%)
3,218.0
(01/14)
+14.0
(+0.43%)
4,077.0
(01/14)
-19.0
(-0.46%)
5,248.0
(01/14)
+85.0
(+1.64%)
2,773.0
(01/14)
-21.5
(-0.76%)

みんかぶおすすめ