*15:31JST ファインデクス Research Memo(1):2024年12月期は増収増益予想、第3四半期累計は順調
■要約
ファインデックス<3649>は、医療データ管理システムや文書管理システムなどのソリューションを開発・販売する研究開発型のTech企業である。企業理念である「価値ある技術創造で社会を豊かにする」を実現するため、医療機関の診療を支援するDXソリューションを主力とするほか、官公庁・地方自治体の行政DXを支援するソリューションや、医療機器の開発・販売も推進している。
1. 医療ビジネス、公共ビジネス、ヘルステックビジネスを展開
同社はセグメント区分を、医療機関向けに医療データ管理システムなど各種システムの開発・販売・保守等を行う「医療ビジネス」、官公庁・地方自治体向けに公文書管理システムの開発・販売・保守等を行う「公共ビジネス」、視線分析型視野計をはじめとする医療機器の開発・販売・保守等を行う「ヘルステックビジネス」としている。医療ビジネスが収益の大部分を占め、公共ビジネスとヘルステックビジネスは成長途上である。医療ビジネスと公共ビジネスの営業利益率は主力製品の順調な拡大、パッケージ販売増加に伴う個別カスタマイズ工数の削減、システム導入数増加に伴うストック型収益(保守・サポート等)の増加などにより30%前後の高い水準となっている。なお大規模病院はシステム導入・更新を行うにあたり、年末年始の休業など外来患者が少なく業務への支障が少ない時期を選ぶため、同社の収益も第1四半期(1月〜3月)及び第4四半期(10月〜12月)に偏重している。
2. 2024年12月期第3四半期累計は大幅増収増益で過去最高と順調
2024年12月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比24.1%増の4,310百万円、営業利益が同41.3%増の1,125百万円、経常利益が同38.1%増の1,132百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同46.6%増の831百万円だった。大幅増収増益で過去最高と順調だった。医療ビジネスが好調に推移し、公共ビジネスの成長も寄与した。売上総利益は同22.0%増加したが、データ移行作業に伴って外注費が増加したことなどにより、売上総利益率は同1.0ポイント低下して60.4%となった。販管費は戦略的な人的投資により同10.5%増加したが、増収効果で吸収し、販管費率は同4.3ポイント低下して34.2%となった。この結果、営業利益率は同3.2ポイント上昇して26.1%となった。なお四半期別に見ると2024年12月期は特に第1四半期の構成比が高くなっている。
3. 2024年12月期は期初計画を据え置いて増収増益予想
2024年12月期の連結業績予想は期初計画を据え置いて、売上高が前期比11.4%増の5,782百万円、営業利益が同5.2%増の1,574百万円、経常利益が同4.2%増の1,591百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.6%増の1,097百万円を見込んでいる。利益面は人的投資を継続するため小幅増益にとどまるが、売上面は医療ビジネスの拡大や公共ビジネスの成長により2桁増収を見込む。通期予想に対する第3四半期までの進捗率は売上高が74.5%、営業利益が71.5%、経常利益が71.2%、親会社株主に帰属する当期純利益が75.8%と順調である。ヘルステックビジネスは販売戦略が遅れているが、医療ビジネスの導入病院数が増加基調であること、公共ビジネスの成長が加速していること、第4四半期の構成比が高い特性があることなどを勘案すれば、通期ベースでも好業績が期待できると弊社では見ている。
4. 成長戦略の進捗は順調
同社は成長戦略として中期経営計画「Vision for 2025」(2021年12月期~2025年12月期)を策定し、最終年度2025年12月期の経営目標数値(2023年2月13日付で修正値を公表)に売上高6,330百万円、経常利益2,100百万円、経常利益率33.2%、1株当たり配当金18.0円、配当性向31.2%を掲げている。進捗状況としては、ヘルステックビジネスにおいては販売戦略が遅れているものの、医療ビジネスの進捗が順調であり、公共ビジネスは想定以上に成長が加速している。今後の重点施策としては、医療ビジネスではクラウド製品の大規模病院向けへの展開加速、中規模病院・診療所向けのクロスセル推進、適切な価格改定(効果発現は2025年12月期以降の見込み)など、公共ビジネスでは中規模案件の本格開拓に向けた代理店との関係強化など、ヘルステックビジネスでは認知度・理解度向上に向けた積極的なマーケティングの展開などを推進する。
■Key Points
・医療データ管理システムや文書管理システムなどを開発・販売する研究開発型のTech企業
・2024年12月期第3四半期累計は大幅増収増益で過去最高と順調
・2024年12月期は期初計画を据え置いて増収増益予想
・成長戦略の進捗は順調
・高利益率のビジネスモデルを評価、軽度認知障害関連にも注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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ファインデックス<3649>は、医療データ管理システムや文書管理システムなどのソリューションを開発・販売する研究開発型のTech企業である。企業理念である「価値ある技術創造で社会を豊かにする」を実現するため、医療機関の診療を支援するDXソリューションを主力とするほか、官公庁・地方自治体の行政DXを支援するソリューションや、医療機器の開発・販売も推進している。
1. 医療ビジネス、公共ビジネス、ヘルステックビジネスを展開
同社はセグメント区分を、医療機関向けに医療データ管理システムなど各種システムの開発・販売・保守等を行う「医療ビジネス」、官公庁・地方自治体向けに公文書管理システムの開発・販売・保守等を行う「公共ビジネス」、視線分析型視野計をはじめとする医療機器の開発・販売・保守等を行う「ヘルステックビジネス」としている。医療ビジネスが収益の大部分を占め、公共ビジネスとヘルステックビジネスは成長途上である。医療ビジネスと公共ビジネスの営業利益率は主力製品の順調な拡大、パッケージ販売増加に伴う個別カスタマイズ工数の削減、システム導入数増加に伴うストック型収益(保守・サポート等)の増加などにより30%前後の高い水準となっている。なお大規模病院はシステム導入・更新を行うにあたり、年末年始の休業など外来患者が少なく業務への支障が少ない時期を選ぶため、同社の収益も第1四半期(1月〜3月)及び第4四半期(10月〜12月)に偏重している。
2. 2024年12月期第3四半期累計は大幅増収増益で過去最高と順調
2024年12月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比24.1%増の4,310百万円、営業利益が同41.3%増の1,125百万円、経常利益が同38.1%増の1,132百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同46.6%増の831百万円だった。大幅増収増益で過去最高と順調だった。医療ビジネスが好調に推移し、公共ビジネスの成長も寄与した。売上総利益は同22.0%増加したが、データ移行作業に伴って外注費が増加したことなどにより、売上総利益率は同1.0ポイント低下して60.4%となった。販管費は戦略的な人的投資により同10.5%増加したが、増収効果で吸収し、販管費率は同4.3ポイント低下して34.2%となった。この結果、営業利益率は同3.2ポイント上昇して26.1%となった。なお四半期別に見ると2024年12月期は特に第1四半期の構成比が高くなっている。
3. 2024年12月期は期初計画を据え置いて増収増益予想
2024年12月期の連結業績予想は期初計画を据え置いて、売上高が前期比11.4%増の5,782百万円、営業利益が同5.2%増の1,574百万円、経常利益が同4.2%増の1,591百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.6%増の1,097百万円を見込んでいる。利益面は人的投資を継続するため小幅増益にとどまるが、売上面は医療ビジネスの拡大や公共ビジネスの成長により2桁増収を見込む。通期予想に対する第3四半期までの進捗率は売上高が74.5%、営業利益が71.5%、経常利益が71.2%、親会社株主に帰属する当期純利益が75.8%と順調である。ヘルステックビジネスは販売戦略が遅れているが、医療ビジネスの導入病院数が増加基調であること、公共ビジネスの成長が加速していること、第4四半期の構成比が高い特性があることなどを勘案すれば、通期ベースでも好業績が期待できると弊社では見ている。
4. 成長戦略の進捗は順調
同社は成長戦略として中期経営計画「Vision for 2025」(2021年12月期~2025年12月期)を策定し、最終年度2025年12月期の経営目標数値(2023年2月13日付で修正値を公表)に売上高6,330百万円、経常利益2,100百万円、経常利益率33.2%、1株当たり配当金18.0円、配当性向31.2%を掲げている。進捗状況としては、ヘルステックビジネスにおいては販売戦略が遅れているものの、医療ビジネスの進捗が順調であり、公共ビジネスは想定以上に成長が加速している。今後の重点施策としては、医療ビジネスではクラウド製品の大規模病院向けへの展開加速、中規模病院・診療所向けのクロスセル推進、適切な価格改定(効果発現は2025年12月期以降の見込み)など、公共ビジネスでは中規模案件の本格開拓に向けた代理店との関係強化など、ヘルステックビジネスでは認知度・理解度向上に向けた積極的なマーケティングの展開などを推進する。
■Key Points
・医療データ管理システムや文書管理システムなどを開発・販売する研究開発型のTech企業
・2024年12月期第3四半期累計は大幅増収増益で過去最高と順調
・2024年12月期は期初計画を据え置いて増収増益予想
・成長戦略の進捗は順調
・高利益率のビジネスモデルを評価、軽度認知障害関連にも注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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