*12:01JST ティア Research Memo(1):葬儀業界の二極化が進むなか、中長期的な成長ポテンシャルは大きい
■要約
ティア<2485>は、葬儀会館「ティア」を中部、関西、首都圏で直営及びFC展開している。「葬儀価格の完全開示」「適正な葬儀費用」を業界に先駆けて提唱し、「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」をスローガンに、「徹底した人財教育によるサービスの向上」を実践することで成長を続けてきた。2023年11月に葬儀運営会社2社((株)八光殿(大阪府)、(株)東海典礼(愛知県))をグループ化したほか、周辺領域へとサービスを拡大するなど攻めの経営に舵を切っており、トータル・ライフ・デザイン(以下、TLD)企業として更なる飛躍を目指している。
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期の連結業績は、売上高で前期比33.9%増の18,839百万円、経常利益で同9.8%増の1,243百万円となった。売上高は直営店の葬儀件数増加や葬儀単価の上昇による増収やTLD事業※の増収に加えて、第2四半期から八光殿、東海典礼の売上高が3,387百万円加わったことが増収要因となった。一方、経常利益は既存事業の伸長と2社のグループ化による利益増575百万円があったものの、のれん償却費やM&Aにかかる支払手数料及び資金調達に伴う費用の計上により増益率が1ケタ台にとどまった。ただ、本来の収益力を示すEBITDA(償却前営業利益)は同50.7%増の2,653百万円となり、EBITDAマージンも前期の12.5%から14.1%に上昇した。グループ店舗数は八光殿及び東海典礼の41店舗が加わったこともあり、前期末比49店舗増の202店舗(FC70店舗含む)となった。
※ 「ティアの会」会員及び提携団体向けに葬儀と親和性の高い周辺サービスをTLD領域と位置づけ、事業開発を進めている。既に、葬儀の事前準備サービスとなる霊園事業(樹木想共同墓地の区画販売)事業、葬儀の際に必要となる宗教者紹介サービス、葬儀後サービスとして相続・不動産支援サービスなどに取り組んでいる。また、八光殿にてリユース事業を行っている。
2. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期の連結業績は、売上高で前期比13.3%増の21,340百万円、経常利益で同16.2%増の1,445百万円を見込む。直営店の葬儀件数増加やTLD事業の成長に加えて、グループ2社が通年寄与することが増収要因となる。経常利益は人件費や広告宣伝費、のれん償却額の増加があるものの、増収効果に加えて前期に計上したM&A関連費用(支払手数料及び資金調達費用などの一時費用337百万円)がなくなり2ケタ増益となる。なお、グループ店舗数については前期末比20店舗増の222店舗(FC80店舗含む)を計画している。全体的にはPMIの実行フェーズとなることもあり、保守的な計画になっていると見られる。
3. 中期経営計画
2027年9月期までの3ヶ年の中期経営計画では重点施策として、1) ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充、2) TLD領域の拡大及びグループ間連携の強化、3) 計画に則した人財確保・育成とエンゲージメントの向上、4) 上場会社グループとしての体制構築と潜在的なM&Aニーズの掘り起こし、の4点に取り組む。各エリアで継続的に出店し、2027年9月期末のグループ店舗数は前期末比66店舗増の268店舗を目指す。最終年度の業績目標は売上高で22,720百万円、経常利益で1,650百万円を掲げた。グループ2社の業績が通年寄与する2025年9月期の業績計画を起点とした2年間の年平均成長率は、既存店業績が横ばいで推移することを前提に売上高で3.2%、経常利益で6.9%と堅実な目標を立てている。葬儀需要は2040年まで緩やかな増加ペースが続くなか、価格競争などで市場規模は微増にとどまる見通しで、今後は大手企業による寡占化が進行するものと思われる。同社にとっても今後数年間はM&AやFC展開によって葬祭事業を拡大する好機と見られる。同時にTLD事業を育成していくことができれば収益成長スピードも加速していくものと期待される。
■Key Points
・2024年9月期は売上高、営業利益、経常利益で4期連続増収増益を達成
・2025年9月期は経費増を増収効果やグループ2社の通年寄与でカバーし連続増収増益へ
・新規出店の継続による葬祭事業の拡大とTLD事業の育成に注力し、持続的成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ティア<2485>は、葬儀会館「ティア」を中部、関西、首都圏で直営及びFC展開している。「葬儀価格の完全開示」「適正な葬儀費用」を業界に先駆けて提唱し、「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」をスローガンに、「徹底した人財教育によるサービスの向上」を実践することで成長を続けてきた。2023年11月に葬儀運営会社2社((株)八光殿(大阪府)、(株)東海典礼(愛知県))をグループ化したほか、周辺領域へとサービスを拡大するなど攻めの経営に舵を切っており、トータル・ライフ・デザイン(以下、TLD)企業として更なる飛躍を目指している。
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期の連結業績は、売上高で前期比33.9%増の18,839百万円、経常利益で同9.8%増の1,243百万円となった。売上高は直営店の葬儀件数増加や葬儀単価の上昇による増収やTLD事業※の増収に加えて、第2四半期から八光殿、東海典礼の売上高が3,387百万円加わったことが増収要因となった。一方、経常利益は既存事業の伸長と2社のグループ化による利益増575百万円があったものの、のれん償却費やM&Aにかかる支払手数料及び資金調達に伴う費用の計上により増益率が1ケタ台にとどまった。ただ、本来の収益力を示すEBITDA(償却前営業利益)は同50.7%増の2,653百万円となり、EBITDAマージンも前期の12.5%から14.1%に上昇した。グループ店舗数は八光殿及び東海典礼の41店舗が加わったこともあり、前期末比49店舗増の202店舗(FC70店舗含む)となった。
※ 「ティアの会」会員及び提携団体向けに葬儀と親和性の高い周辺サービスをTLD領域と位置づけ、事業開発を進めている。既に、葬儀の事前準備サービスとなる霊園事業(樹木想共同墓地の区画販売)事業、葬儀の際に必要となる宗教者紹介サービス、葬儀後サービスとして相続・不動産支援サービスなどに取り組んでいる。また、八光殿にてリユース事業を行っている。
2. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期の連結業績は、売上高で前期比13.3%増の21,340百万円、経常利益で同16.2%増の1,445百万円を見込む。直営店の葬儀件数増加やTLD事業の成長に加えて、グループ2社が通年寄与することが増収要因となる。経常利益は人件費や広告宣伝費、のれん償却額の増加があるものの、増収効果に加えて前期に計上したM&A関連費用(支払手数料及び資金調達費用などの一時費用337百万円)がなくなり2ケタ増益となる。なお、グループ店舗数については前期末比20店舗増の222店舗(FC80店舗含む)を計画している。全体的にはPMIの実行フェーズとなることもあり、保守的な計画になっていると見られる。
3. 中期経営計画
2027年9月期までの3ヶ年の中期経営計画では重点施策として、1) ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充、2) TLD領域の拡大及びグループ間連携の強化、3) 計画に則した人財確保・育成とエンゲージメントの向上、4) 上場会社グループとしての体制構築と潜在的なM&Aニーズの掘り起こし、の4点に取り組む。各エリアで継続的に出店し、2027年9月期末のグループ店舗数は前期末比66店舗増の268店舗を目指す。最終年度の業績目標は売上高で22,720百万円、経常利益で1,650百万円を掲げた。グループ2社の業績が通年寄与する2025年9月期の業績計画を起点とした2年間の年平均成長率は、既存店業績が横ばいで推移することを前提に売上高で3.2%、経常利益で6.9%と堅実な目標を立てている。葬儀需要は2040年まで緩やかな増加ペースが続くなか、価格競争などで市場規模は微増にとどまる見通しで、今後は大手企業による寡占化が進行するものと思われる。同社にとっても今後数年間はM&AやFC展開によって葬祭事業を拡大する好機と見られる。同時にTLD事業を育成していくことができれば収益成長スピードも加速していくものと期待される。
■Key Points
・2024年9月期は売上高、営業利益、経常利益で4期連続増収増益を達成
・2025年9月期は経費増を増収効果やグループ2社の通年寄与でカバーし連続増収増益へ
・新規出店の継続による葬祭事業の拡大とTLD事業の育成に注力し、持続的成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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