Faber Company、3Qは注力事業において前年比+11.5%の成長を実現 ターゲットを大手・中堅企業に絞り営業強化を図る

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最新投稿日時:2024/09/10 13:00 - 「Faber Company、3Qは注力事業において前年比+11.5%の成長を実現 ターゲットを大手・中堅企業に絞り営業強化を図る」(ログミーファイナンス)

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Faber Company、3Qは注力事業において前年比+11.5%の成長を実現 ターゲットを大手・中堅企業に絞り営業強化を図る

投稿:2024/09/10 13:00

2024年9月期第3四半期決算説明&会社概要

宮田愛子氏(以下、宮田):本日から始まりました「Faber Company IRチャンネル」進行役の宮田愛子です。Faber Company代表取締役Founderの古澤さんとともに番組を進めていきます。古澤さん、よろしくお願いします。

古澤暢央氏(以下、古澤):株式会社Faber Company代表取締役の古澤と申します。よろしくお願いします。

宮田:「Faber Company IRチャンネル」は、投資家のみなさまにFaber Companyの事業について、より理解を深めていただこうという番組です。古澤さん、この番組がどのような意図で作られたのか教えてください。

古澤:こちらのチャンネルは、投資家のみなさまとのコミュニケーションの場にしたいと思っています。四半期決算発表ごとに、宮田さんとともに振り返りをしていきます。

いろいろな場面においてどんどんご質問いただくことで、投資家のみなさまに当社へのご理解を深めていただければと考えています。

次に、Faber Companyの事業や社風に加え、どのようなメンバーが活躍しているかなどを同時に伝えていけたらと考えていますので、みなさま、よろしくお願いします。あわせて、チャンネル登録もお願いします。

事業概要

宮田:さっそくですが、事業概要についてご解説をお願いします。まず、Faber Companyはどのようなことをしている会社でしょうか?

古澤:まずは事業概要からご説明します。宮田さん、デジタルマーケティングにはどのようなイメージがありますか?

宮田:最新のITを手がけており、いろいろな操作をしたり、検索したりするものを作っているイメージです。

古澤:そのとおりです。例えば私たち生活者は、日々スマートフォンなどを用いて、いろいろと検索したり、調べごとをしたり、あるいはSNSを使ってさまざまな人とコミュニケーションを図ったりしています。

一方、メーカー等の企業は、さまざまなプラットフォームやインターネットを通じて、生活者、消費者のみなさまと接点を持ちたいと考えていますが、具体的に、作成したホームページのアクセス数を伸ばしたいと考えたところで、方法がわからないというのはよくある話です。

当社では、企業のマーケティング部門の方に対して、日々の課題を解決するためのツールとリソースを提供しています。ツールとは、インターネット上でログインして使うさまざまなマーケティング自動化ツールのことを指します。また、人手が足りないということで、さまざまな知識や知識を持った人材を提供しています。

ファーストパーティーデータを強化する コンテンツマーケティング・SEOの自動化ソフトウェア

古澤:具体的な商品についてご紹介します。まずは「ミエルカSEO」です。例えば、ホームページを持っている企業を、生活者が「Google」や「Yahoo!」等で検索した時、できるだけ上位にいたほうがアクセスされやすいということがあります。

宮田:そうですね。まずは1番目、その次に2番目というかたちです。

古澤:そのとおりです。したがって、どのようにして検索上位に持っていくかが重要です。SEO (Search Engine Optimization) と言いますが、当社では、こちらを行うための自動化ツールを提供しています。

具体的に、生活者は検索エンジンにおいて何が知りたくて検索をするのでしょうか? 「検索意図」という言葉を用いますが、企業側が検索意図を把握して、それに対して的確な答えが出せるような良いコンテンツを提供すると、ホームページは検索で上位に上がっていく仕組みとなっています。

「どのようなことを知りたがって検索しているのか?」といったことを調べたり、考えたり、あるいは実際に品質等を軽量化してコンテンツの品質を向上させていくために必要なツールが「ミエルカSEO」です。

宮田:これまで、まったく可視化されていなかったものを見えるようにする、見える化(ミエルカ)ですね。

古澤:そのとおりです。

ユーザー行動を可視化し、コンテンツの満足度を高める UX改善ソフトウェア

古澤:次に、「ミエルカヒートマップ」です。宮田さん、サーモグラフィーをご存知ですか?

宮田:体温等、温度が高いところがわかるものですよね?

古澤:そのとおりです。企業が作ったホームページにエンドユーザーである生活者がアクセスし、「どのあたりをよく読んでいるのか」「どのあたりから離脱(ドロップアウト)しているか」「どこをタップ・クリックしているか」を測る技術です。

ヒートマップには、企業にとって「ホームページのこのあたりを改善したほうがよい」といったヒントが詰まっています。

宮田:そのようなこともわかるのですね。

約1,600名のデジタルマーケティング人材が登録する、 即戦力マーケティング人材を企業に提供するサービス

次に、「ミエルカコネクト」です。マーケティング部門などの企業の方にはさまざまなお困りごとがあります。例えば急な退職者が出てしまうことがよくあります。その時に、広告の運用をする担当者がいなくなったら困ってしまいます。

私どもはその達人というか、プロフェッショナルのスキルをアセスメントして、企業にマッチするかどうかの要件定義を行い、お客さまのご要望をうかがった上で「AさんよりはBさん」というように、人材をご紹介しています。

人事担当者はデジタルマーケティングのプロ(専門家)ではないため、これまでは、企業が求人広告を出していましたが、プロではないため、人の能力を見極めるのはなかなか困難でした。私どもは19年間事業を行っており、スキルレベルや実績をデータベースとして蓄積しているため、価値や期待値の相違が起きずにリソースを提供することができます。

宮田:素人目ですが、効率化が図れますね。

当社のビジネスモデル

当社のビジネスモデルのまとめです。企業のマーケティング部門の方に日々起きるピンポイントの課題を先ほどご紹介したツール(プロダクト)によりピンポイントで解決することができます。

ツールは安価ですので、ユーザーにとっては導入障壁が低く、まずは課題を解決するために使っていただきます。その後はお客さまの次年度の予定や戦略予定をうかがって、さらにもう1案提案します。このようなクロスセル・アップセルにより、「小さく生んで大きく育てる」のが、Faber Companyのビジネスモデルです。

ビジネスモデルの展開事例(抜粋)

古澤:「小さく生んで大きく育てる」ビジネスモデルの展開事例として2社をご紹介します。

スライド左側はあるECサイトで、おそらく宮田さんもお使いになっている可能性が高い大手化粧品顧客の事例です。自社ホームページについて「ユーザーがよいかたちで回遊しているかを調べたいのですが、なにかありますか?」と問い合わせをいただきました。

まずは、「ミエルカヒートマップ」を月額15万円でご利用いただき、そこから信頼関係を作っていきました。その後、先方の部長が来社された際に「なかなかいい成績を出しているようだね。来年もぜひ続けていきたいから、ほかになにかありますか?」と言われ、ぜひ提案しようとなりました。

提案してから導入されるまでの時間をリードタイムと言いますが、約9ヶ月のリードタイムを経て、2つ目、3つ目の商材へと積み上げていきました。スライドには具体的なイメージを記載しています。

宮田:1つ目の商品を絶対良いと思ってもらうことが大事ですよね。

古澤:そこが重要ですので、そのために努力しています。

安定した収益構造

古澤:当社の収益構造の特徴をご説明します。継続型売上は、契約期間が長いのが特徴です。毎月支払うということで、今月のみではなく、例えば1年間、2年間継続してお支払いいただく安定型の売上が全体の約85パーセントを占めています。

ポーンと突発的な依頼があって終わりではなく、毎月少しずつ課金される仕組みに加え、売上は大口の顧客に依存していません。当社には1,700社超のお客さまがおり、同業他社に比べて顧客が細かく分散されています。突然の大型解約によって売上が3分の1に減るといったケースはこれまではないため、こちらも特徴的なポイントです。

業績推移及び成長戦略

古澤:業績推移及び成長戦略についてご説明します。実は、当社は1年半前に戦略転換をしました。業績を見ると、コロナ禍までは伸びていますが、2020年初頭のコロナ危機で解約が続きました。

その時に、「どういうお客さまであれば、こういう危機があっても長くお付き合いできるのか?」という分析をした経緯があります。そこで比較的予算帯の大きなお客さまであれば、長くお付き合いしていただけることがわかりましたので、予算が潤沢にあり、かつ年間の予算をしっかりと定めている大手・中堅企業にリソースを向ける戦略転換を行いました。

また、私が起業して間もない頃から行っていた非注力事業であるEC事業から撤退し、注力事業にリソースを振り分ける戦略をとりました。

スライド左側には戦略の変遷を記載しています。現在、この戦略が功を奏しており、注力事業売上の3年CAGRは13.5パーセントと、当社が属する市場成長率にほぼ沿ったかたちで推移しています。今後も、角度を上げていかなければいけないと認識しています。

今後の成長イメージ

古澤:今後の成長イメージです。大事なのは目の前の「ミエルカ事業の成長」、注力事業の大手・中堅企業に対する販売、営業強化を主軸として、その後にM&Aや新規事業を考えています。

FY24/9 第3Q 連結決算 サマリー

宮田:第3四半期決算概要のご解説をお願いします。

古澤:私どもは、2024年7月31日に東京証券取引所のスタンダード市場に上場しました。上場日の翌日から急激な日経平均株価の下落、世界的な株安となり、上場の2日後、3日後には、ブラックマンデー以来の下落となりました。こちらに引きずられるように、株価が落ちてしまい、経営者としては心苦しく思っています。ただし、足元では計画どおりに進んでいます。

2024年9月期第3四半期の連結決算サマリーです。スライド下部に記載しているように、昨年の非注力事業の売上の剥落により、売上高累計は前年比5.3パーセントの伸びとなっているものの、それを除くと、注力事業は前年比11.5パーセントの売上成長を実現しています。

第3四半期終了時点の営業利益累計の進捗率は89パーセントと、順調に推移しています。この状態であれば、通期は上振れるのではないのかというご指摘をいただいていますが、今期の第4四半期に、来期や中長期的な成長に向けた採用等、マーケティングへの投資を予定しています。したがって、すでに発表している通期見通しに変更はありません。

業績概要

古澤:業績概要のイメージ図です。スライドのグラフに点線で記載していますが、通期は発表どおりの進捗となる予定です。

KPI

古澤:KPIについてです。宮田さん、KPIは聞いたことがありますか?

宮田:今まで聞いたことはないですね。

古澤:KPIはKey Performance Indicatorの略で、私どもは行動KPIを設定しています。結果KPIは、結果として「その重要な指標がいくつとなった」という数値ですが、その前の結果につながる行動ということで、現場では行動KPIを重視しています。

スライド左側には、粗利益別顧客社数の推移を記載しています。スライド左側から右側にかけて四半期ごとの推移となっています。左端に「30万円以上」「3~30万円」「3万円未満」とありますが、こちらは月額でお客さまからいただいている金額、厳密にいうと粗利益額です。

先ほどお伝えしたように、1年半前からの戦略転換により、大手・中堅企業向けにターゲットを絞りましたので、どちらかと言いますと、高価格帯のお客さまの数が増えています。

一方で、「3万円未満」には、当社において最も低価格メニューである月額9,800円の「ミエルカヒートマップ」などがありますが、こちらのお客さまがやや離脱しています。しかしながら、高価格帯のお客さまがそれを補うかたちで増えています。

また、理解が大変だと思いますが、右側の2つのグラフのうち左側のグラフは、営業チームの新規決裁者相談数です。こちらは、新規のお客さまに対する商談の中で、部長など決裁権限のある方が出席した商談の数です。2023年9月期第3四半期から2024年9月期第3四半期にかけて、赤色の折れ線グラフが急激に上昇しているのがわかると思います。

宮田:おっしゃるとおり、かなりの右肩上がりですね。

古澤:こちらは、商談数そのものが増えているというより、決裁者に出席していただいている割合が増えているということです。

商談数そのものも絶対数として15パーセント程度増えてはいるものの、それよりも商談の場に決裁者に出席いただく割合が増えています。

宮田:なぜ、このように増えてきているのですか?

古澤:私どもはBtoB、つまり法人相手に提案しています。企業にお勤めになられている方はおそらくわかると思いますが、法人における決裁権限は、例えば「課長はいくらまで決められます」「部長はここからここまで決められます」「最後は、役員決裁です」と、ラダー(段階的)になっており、決められることの内容が変わってきます。

したがって、ある程度大きな金額の商談をご提案する場合、決められる額の大きい決裁者に出席いただいたほうが、お互いにミスのない提案、コミュニケーションができます。

宮田:そうですね。スピード感も変わってきますね。

古澤:おっしゃるとおりです。そのため、こちらを行動KPIとして追っています。スライドに記載のとおり、足元では順調に進んでいますが、これからもテコ入れしていきます。

23年9月期からの取組の結果について クロスセル戦略

古澤:2023年9月期からの取り組みの結果についてです。スライド左側の粗利益水準別の契約社数を見ると、低価格帯のお客さまの数が減っており、非常に心配になりますよね。

宮田:一見すると、そのように見えます。

古澤:ただし、「3~30万円」と「30万円以上」は増えています。一方、右側の粗利益水準別の粗利益では、全体の面積が増えています。したがって、大手・中堅企業にご提案していることは、足元の結果につながっていると言えます。

費用構造

古澤:費用構造についてです。変わった点としては、棒グラフの赤色部分の売上原価(変動費)がやや減っていることです。要因は、非注力事業の撤退により、その分の原価が軽くなったためです。

また、ピンク色の売上原価(固定費)がやや増えているのも気になりますね。

宮田:そうですね。増えていますね。

古澤:こちらはサーバーの原価上昇によるものです。私たちがご提供しているプロダクトはツールです。例えば、サーバーは大きなパソコンのようなものをイメージしていただきたいのですが、顧客数や容量が増加することで、サーバー費用が上がります。さらに昨今は、為替の変動が大きく影響し、ドルと円の関係でやや増えています。

宮田:それは仕方ないですね。

古澤:来期は費用がそれほど大きくかさむわけではありませんが、販促費等を投下することで、集客数、お客さまへの提案数をさらに増やしていく計画です。

FY24/9期の取り組み①:営業活動の組織化

古澤:2024年9月期の取り組みをいくつかお話しします。取り組みの1つ目は、営業活動の組織化です。

先ほどの行動KPIとつながりますが、スライド右下に記載のとおり、キーエンス流の「外報レビュー」を日々徹底しています。

キーエンスは、みなさまよくご存知のすばらしい会社です。そのキーエンスの営業手法を勉強しています。営業のメンバーには若手が多いため、彼らが翌日お客さまに提案する内容などをプロフェッショナルがきちんと確認し、「もう少し粒度を上げたほうがいいのでは?」「このような提案もしたらどうか?」とレビューします。

このようなことを毎日現場で実践することにより、提案内容の質を向上させ、営業効率を上げています。

FY24/9期の取り組み②:CARTA HDとの資本業務提携

古澤:取り組みの2つ目は、上場日に発表したCARTA HOLDINGSとの資本業務提携です。CARTA HOLDINGSは電通グループの大きな会社で、大手のお客さまが非常に多く、お互いの商品をそれぞれのお客さまに提案するような取り組みを増やしていきます。

これまで私どもはお客さまに直接営業することにこだわってきました。しかしながら、大手のお客さまを抱えている会社は、名門である電通やCARTA HOLDINGSなどが、しっかりと捕まえています。

したがって、そのような商談に付いていき、「もしよかったら、私どもの話を聞いてください」という流れで、新たなパイプを作っていこうと考え、このような取り組みを始めました。

Y24/9期の取り組み③: AIと人力のハイブリッドによる新サービス開発

古澤:取り組みの3つ目は、AIと人力のハイブリッドによる新サービス開発です。最近、「ChatGPT」を使っていますか?

宮田:少しは使ったことがありますが、それほど信用できないといった話も伝わってきます。

古澤:そのような話もありますよね。

宮田:ただ、業務では使うこともあります。

古澤:この1年、2年におけるAIの進化は、みなさまもなんとなく感じ始めていると思います。私どもも、ツールの機能にAIをどんどん取り込んでおり、自動化がさらに促進するよう、機能開発を行っています。

私どものユーザーにとって、より便利なものとなり、作業が軽減されていく方向性で自動化を進めています。お客さまにとって、これは非常に高い価値となります。

加えて、AIに解決できないことは、まだたくさんありますよね?

宮田:おっしゃるとおり、情報の正確性などが担保できていないですよね。

古澤:当社には、世界中でコネクションを取ってくる人や本をたくさん書いている人など、達人級のおもしろいメンバーがたくさんおり、この人たちに直接、質問ができます。

マーケティングは戦略ですので、「壁打ちをする」「戦略面から考えてほしい」などといったインタラクションが欲しいということで、このようなサービスがウケています。

AIだけではありませんし、属人化しているわけでもありません。私どもはハイブリッドで、サービスやツールを提供しています。

宮田:強みをうまく活かすことができますね。

2024年9月期 通期業績予想

宮田:今期・来期見通し及び財務戦略について、ご解説をお願いします。

古澤:2024年9月期通期業績予想は、スライドに記載のとおりです。現在の進捗状況は良く、予算どおりに着地したいと考えています。少し余裕があるように見えるとの指摘もありますが、来期以降の成長に向けて、角度を上げていくための採用などに投資したいと考えています。

業績予想は、右端の列に記載のとおり、売上高は22.6億円、営業利益は3.09億円と、変更はありません。

2025年9月期想定

古澤:2025年9月期の想定です。あくまでもイメージですが、スライド右側には、業績イメージを記載しています。CARTA HOLDINGSとの資本業務提携に加え、行動KPIもしっかり追っていますので、来期も伸ばしていけるように邁進していきます。

また、採用について多くの質問を受けますが、2025年9月期は20人程度を採用し、純増としては10名程度と考えています。採用チームとともにしっかりと動いています。

財務戦略と還元方針

古澤:財務戦略と還元方針について、上場時に「STOCKVOICE」で発表したスライドを用いてご説明します。私どもには安定した収益源や調達能力に加え、これまで積み上げてきた内部留保があります。

スライドには、向こう3年程度を想定したアロケーションを記載していますが、まずは成長投資とM&Aに積極的に取り組んでいく方針です。

現段階では株主のみなさまに対する具体的な還元方針などは未定ですが、売上・利益を伸ばした上でしっかりと成長し、株主還元を行っていくことを目指しています。そして、スライドに記載のとおり、その余力はあると考えています。

まだ「上場1年目の青二才」ですので、そのあたりはご容赦いただきながら、投資妙味のあるところに踏み込んで、みなさまのお役に立ち、期待に応えられるように精進していきます。

ファイナンス戦略とM&Aの考え方

ファイナンス戦略とM&Aの考え方についてです。「今、具体的に進んでいるM&Aの案件はあるか?」といったご質問を受けますが、現在はまだそこまでの段階ではないものの、従前から「こういう人たちと手を組めればよい」といったロングリストは持っています。そのような方たちと「一緒に組まないか?」とインタラクションしています。

当社のM&Aの方針は3つあります。1つ目は、シナジーとシェア最大化です。私どもには1,700社のお客さまがいるとお話ししましたが、インタラクションしているため、お客さまが次に買おうとしているもの、取り組もうとしているマーケティング施策はほぼわかっています。

そのような製品を持っている企業は、非常にわかりやすいです。当然ながら自社で製品を作れるのが一番ですが、すでに出回っている製品があり、それを当社のお客さまにそのまま販売するのであれば、効率的な営業活動ができるということで、シナジーと記載しています。

2つ目は、参入障壁の強化です。こちらはわかりにくいと思いますので、後ほど強みのところでもご説明します。当社も設立19年ですが、この業界には10年、15年、20年にわたって経営している会社がいくつかあります。

スライドに、「ファインダビリティスコアが高い」とありますが、こちらは、私の言葉で言いますと、「見つけやすさ」「見つかりやすさ」です。

宮田:なるほど。「find(見つける)」のスコアですね。

古澤:そのとおりです。例えば、宮田さんが企業のマーケティング担当者として、上司から「コンバージョンレートを上げてくれ」と言われたとします。そうすると、まずはインターネットで「コンバージョン改善」「ヒートマップ」などと検索すると思いますが、その検索結果の上位に表示されることが重要です。

こちらを長年実現している会社は、やはり歴史のある会社です。お仲間になっていただくことで何が変わるかと言いますと、問い合わせ獲得シェアが増えます。

宮田:そうなりますね。

古澤:私たちも検索結果の上位にいますし、その他上位にいる人たちと仲間になることができれば、たくさんのアクセスを、私どもがお問い合わせとして獲得できます。

検索に強いことに加え、「X」で露出している良い情報を発信しているアカウントや、「YouTubeチャンネル」でチャンネル登録者数が多いなど、全般を含めて、ファの2インダビリティスコアが高いと言っています。

つまり、「何で探しても『ミエルカ』さんにたどり着いてしまう」という状況を作りたいのです。

M&Aという言葉は「上から目線」ですので、あまり良い言葉ではないと思っています。「組む」「結婚する」という発想が重要だと考えています。

沿革

宮田:今回は、上場後初めての決算発表でもありますので、一つひとつ基本的なことをお聞きしたいと思います。先ほどのお話にもありましたが、いつからデジタルマーケティングの事業を始められたのでしょうか?

古澤:今回のスライド資料では、第4章のAppendixに会社説明を載せており、そこで沿革も記載しています。設立後19年が経ちましたので、「おじさんベンチャー」になってしまいました。

宮田:人間で言えば、成人の年齢ですものね。

古澤:つい昨日、「私、若くてやる気があるぞ」なんて言って起業したつもりが、すでに50歳です。

19年前に当社を立ち上げた頃、私はアフィリエイターでした。例えばクレジットカード比較サイトを作り、自分でSEO対策して、サイトに訪れた人がよりよいかたちで比較でき、広告をクリックしてくれるようなコンバージョン改善に取り組み、研究してきました。これが当社の前半戦です。

スライド中央をご覧ください。2014年9月期から2015年9月期の時期の背景の色が変わっています。2014年9月期までは少数精鋭で進めていましたが、2015年9月期に「ミエルカSEO」をローンチし、そこからは徐々に業績が上がっていきました。その先に、先ほどお話しした2020年9月期のコロナ禍があります。

当社は中小企業ですし、なにが起きるかわからないため、その時に蛇口を閉めました。私どもが提供していたツールもその頃に解約が続いたため、一番苦しい時期となりました。その後、戦略転換を行い、現在は再成長の軌道に乗ったという流れとなっています。

経営メンバー(取締役)

宮田:古澤さんご自身や経営メンバーについて、フォーカスしていきたいと思います。

古澤:私は創業者で代表取締役Founderです。もともとは光通信でBtoBの営業を行っていました。

この会社を作った理由にもつながりますが、実は、私はメカ少年、電子工作少年でした。例えばラジオを作ったり、ラジコンを分解してまた組み立て直したりと、電子工作が大好きでした。

宮田:メカオタクですね。

古澤:このようなプロセスをリバースエンジニアリングと言うらしく、裏の構造がどのようになっているのかが気になる性格です。

そのような少年時代を過ごしてきたのですが、大人になってデジタルマーケティングに出合った時に、「これは昔やった電子工作と同じじゃないか」と気づきました。

「この検索ってどうなっているの?」「SNSってどうなっているの?」「どうやったらSNSでもっと多くの人たちとつながれるの?」「検索で上に上がっていくの?」「どうしたらコンバージョンは改善するの?」など、裏の構造が気になるところがメカ少年だった私とまったく同じだったのです。

宮田:それがWebの世界と結びついたということですね。天職でもあるでしょうし、先駆けでもありますね。

古澤:そのとおりです。今振り返ると、私自身「やっぱり天職だったんだな」と思います。スライドに記載している取締役メンバーも同じような流れで来ており、好奇心の塊です。

創業間もない頃、私はスライドに記載している取締役メンバーとともによくアメリカ遠征に行きました。取締役メンバーは、当時の日本の情報の少なさから、正しい情報が欲しいと集まった人間です。

左下の鈴木は、70回から80回を超える海外の遠征に出ていますし、右下の小川は、20冊近くの著書があります。コネクションやパイプなどが豊富にあり、デジタル型の「職人」集団であることが当社の特徴です。

お客様一覧(抜粋)

宮田:どのようなお客さまがいらっしゃるのでしょうか?

古澤:スライドには、お客さま一覧を抜粋で記載しています。特に、業種に偏りはなく、銀行、メーカー、EC・通販、小売・卸売など、さまざまな業種・業態に展開しています。

宮田:「Webサイトを多くの方に見てもらいたい」というニーズは、みなさま共通していますものね。

古澤:おっしゃるとおりです。基本的に宣伝、販促が必要な企業は、すべてお客さまになり得るということです。

市場規模

宮田:市場規模は、どのくらい伸びる可能性があるのでしょうか?

古澤:スライドに2つのグラフを記載しています。左側の「インターネット広告媒体費の広告種別構成比」をご覧ください。棒グラフの赤色部分が検索連動型広告です。

例えば、宮田さんが「Yahoo!」や「Google」で検索すると、スポンサーと表示される広告が出てきますよね?

宮田:はい、上位に表示されるのでそこをクリックしがちです。

古澤:そのとおりです。それが検索連動型広告で、規模は1兆円を超え、5年CAGR(年平均成長率)は13パーセントとなっています。

私たちはここに連動性を見出しています。というのも、同じ検索のスタート画面にあるため、こちらをチェックしています。

市場規模 (参考)

古澤:こちらはご説明が難しいのですが、市場規模(参考)ということで、スライド左側の赤色の楕円をご覧ください。1年半前に行った戦略転換により、「売上100億円以上」の企業を対象としています。定義として、大手・中堅企業において売上が100億円以上ある会社です。

現在、ターゲットをそのようなお客さまに絞っており、全1,700社のうち、売上100億円規模のお客さまは700社という状況です。こちらのお客さまから、平均で月額約15万円をいただいています。

ところが、市場アンケート調査によれば、月30万円から40万を私たちのような中堅の支援企業に支払っているというデータがあります。もちろん、さらに大きいところはありますが、概ね月30万円から40万です。

この売上100億円企業の中で、広告宣伝が必要な企業の割り出しはすでにできています。総務省統計局が出している「経済センサス」という資料によると、広告宣伝が必要な企業は約1万3,000社あると言われています。

「1万3,000社×月30万円」ですので、概ね460億円から620億円の母数、市場のポテンシャルとなります。当社はまだ20億円ですので、ポテンシャルは十分にあるということです。

右側は中小企業のポテンシャルです。中小企業を粗末に扱っているという意味ではありません。当社も中堅企業ですのでわかりますが、やはりリソースが足りません。

人手が足りない中で、さまざまなことを行う必要があるため、ポテンシャルまわりのみを手がけるわけにはいきません。ただし、今後さらに自動化が進んでいくと、そこの作業負荷が軽減していきますので、市場は左側の大手・中堅企業よりも大きくなるかもしれません。

宮田:そうですね。会社の数も圧倒的に多いと思います。

古澤:したがって、中小企業を大きなポテンシャルとして見ていますので、バランスを取りながら、中小企業のみなさまに認めていただけるような規模に成長していければと思っています。

市場における競争力① リード獲得力 ‒SEO-

宮田:Faber Company独自の強みはどのようなところにありますか? 

古澤:市場における競争力として、1つ目にリード獲得力と定義しています。リードとは、問い合わせをいただくことです。セールスリードと言いますが、それを獲得する力が強いことが挙げられます。

リード獲得力には3本柱があります。1つ目は、SEOです。私どもは技術を提供している会社ですので、私どもが商売につながるさまざまな検索キーワードで上位にいることが重要です。

さらに、そこでクリックしてくださったお客さまが当社のさまざまなサービスサイトを知り、そこに成功事例が記載されていると、自社と同じような業種、規模感の成功事例を探します。例えば、靴を販売している会社が、不動産業の成功事例を見てもピンときませんよね?

宮田:まったく関係ないですものね。

古澤:私どもは、そもそも成功させることにコミットしますので、同業者に比べてそのバラエティ、数が圧倒的に多いです。

宮田:強いですね。

古澤:見てくださって、問い合わせが増えるということで、1つ目の柱となっています。

市場における競争力① リード獲得力 ‒展示会-

古澤:2つ目の柱は展示会です。例えば、みなさまも東京ビッグサイトや幕張メッセなどで行われる見本市などの「エキスポ」に行かれたことがあると思います。

若い方たちが集まって名刺交換をされていますが、私たちはここにこだわりを持ち、オペレーションの効率化を徹底しています。名刺の交換枚数はどこよりも多く、交換した方たちには後日、連絡を取らせていただきます。こちらは、真似しようとしてもできないレベルです。

宮田:やはりそうなのですね。私も参加させていただきましたが、みなさまの勢いと熱量が会場の中で明らかに高く、「もうちょっと抑えてください」と言われるくらいでした。この原動力は、絶対にビジネスにつながると思います。

古澤:自社の商品に絶対の自信を持っていますし、若い方たちがチームを組んで「やるぞ」と取り組んでおり、意外と馬鹿にできないレベルまで成長しています。

市場における競争力① リード獲得力 ‒情報発信-

古澤:3つ目の柱は情報発信です。スライドにはおこがましくも「業界著名人」と記載していますが、私どもには業界の教科書のような人間が何人もいます。教科書と言っているのは、例えば、新入社員を迎えた同業者さんは、新入社員に、当社の人間が書いている本やブログ、「YouTubeチャンネル」が配られるという意味です。

彼らが情報発信を行うことで、世界中でネットワークや関係性を構築できますし、当社しか出せないような情報もいくつかあります。このようなものを「YouTubeチャンネル」や「X」で発信していきます。

情報は企業に所属しているマーケティング担当者が聴いてくださいます。頻度高く情報を聴いてくださるため、情報収集源となったらうれしいですし、こちらもリード獲得力につながっています。

市場における競争力② プロダクト力

古澤:市場における競争力、2つ目の強みはプロダクト力です。私どもがこだわっているのは、現場の管理職が決裁できる範囲の価格です。例えば3,000万円の提案は、役員でないと決められませんが、私どもは月額9,800円で提供できます。

お金は大切ですので、安いという意味ではありません。ただし、この程度であれば、現場の部長は「じゃあ、やろうか」と言ってくださいます。「小さく生んで大きく育てる」ということで、導入のハードルをできるだけ下げたプロダクトを取り揃えています。

市場における競争力② プロダクト力

古澤:プロダクトを作るにあたり、コストメリットを活かし、ベトナムでの開発や大学との共同研究を行っています。人件費率も抑えられ、難しい課題サポートはAIでさっと解決しており、安価かつスピーディに提供しています。

リード獲得力×プロダクト力による展開

古澤:最後にまとめです。「リード獲得力×プロダクト力による展開」ということで、小さく生んで大きく育てることにより、徐々に信頼関係を築いていく戦略をとっています。

M&Aによるクロスセル商材の追加

宮田:今後、どのように事業を成長させようと考えていますか? 

古澤:まずは、M&Aによるクロスセル商材の追加です。M&Aはタイミングなど、いろいろなことが関係します。「今年は何件行う」など、緻密な予測はできないのですが、当社のクロスセルの商材をお持ちの企業とは、しっかりと手を組んでいきたいと考えています。

規模拡大を目指す新規事業の展開

古澤:規模拡大を目指す新規事業の展開についてです。スライドには現状のビジネス、成功報酬型マーケティング代行事業、ディストリビューション事業について記載しています。特に、私はディストリビューション事業にコミットして、立ち上げを行う予定です。

先ほど「リード獲得力が強い」というお話をしましたが、リード獲得力をどこかの市場に転用することができないか、活かすことができないかということで見つけた市場があります。

決算発表で徐々に蓋然性が高まっていくと思いますので、確実なものとなって事業のかたちになれば、さらに深くご説明させていただきます。

宮田:今回は大まかに会社概要についてお話しいただきました。最後になりますが、古澤さんから投資家のみなさまにメッセージをお願いします。

古澤氏からのご挨拶

古澤:今日は、初めての四半期決算発表ですので非常に緊張しました。株価については、上がったり下がったりを初めて体験し、どのように投資家のみなさまとコミュニケーションを取るべきか、かなり悩みました。

私どもにできることがあるとすれば、やはり良い情報と悪い情報、正しい情報をしっかりと情報を出していくことです。そこで売り買いをしてくださる方が増えていきますので、出来高をしっかりと作っていきます。

加えて、足元の行動KPIを追っていきます。行動KPIが結果を作りますので、業績として派手さは少ないかもしれないですが、いぶし銀な感じで成長し、発表した予定どおりに進めていきます。これをお約束できるように日々の行動を積み重ねたいと考えています。

さまざまなご意見があると思いますが、ぜひ、当社の問い合わせ窓口等を通じて、ご意見を賜れればと思います。ご質問にはしっかりと回答していきますので、よろしくお願いします。

配信元: ログミーファイナンス

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