ミロク情報 Research Memo(4):主力ERP製品を含むソフト使用料のARRは高成長持続(1)

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最新投稿日時:2024/07/12 12:24 - 「ミロク情報 Research Memo(4):主力ERP製品を含むソフト使用料のARRは高成長持続(1)」(フィスコ)

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ミロク情報 Research Memo(4):主力ERP製品を含むソフト使用料のARRは高成長持続(1)

配信元:フィスコ
投稿:2024/07/12 12:24
*12:24JST ミロク情報 Research Memo(4):主力ERP製品を含むソフト使用料のARRは高成長持続(1) ■ミロク情報サービス<9928>の業績動向

2. 販売先別・品目別売上動向
売上高の内訳を見ると、フロー型収入となるシステム導入契約売上高が前期比1.6%増の24,035百万円と主力ERP製品のクラウド・サブスクサービスへの移行が進むなかでも堅調に推移したほか、ストック型収入となるサービス収入が同14.1%増の16,259百万円と好調を持続した。また、その他(主に子会社の売上)も同3.3%増の3,677百万円と増収を確保した。

(1) システム導入契約の販売先別・品目別売上高
システム導入契約売上高を販売先別で見ると、企業向けが前期比2.8%増の13,368百万円、会計事務所向けが同9.8%増の7,332百万円、その他(子会社売上、販売パートナー向け売上等)が同15.9%減の3,334百万円となった。

企業向けについては、既存顧客向けがクラウド・サブスク型への移行や、前期の水準が高かった反動もあり同9.1%減となったものの、新規顧客向けが同34.4%増の4,786百万円と過去最高を大きく更新したことが増収要因となった。2021年以降にリリースした新製品(2021年3月中堅・中小企業向け「MJSLINK DX」、2022年4月中堅企業向け「Galileopt DX」※1)の伸びは鈍化したが、会計事務所の顧問先となる中小企業・小規模企業向けに販売する「ACELINK NX-CE」が好調だった。インボイス制度の導入や改正電帳法への対応に向けて需要が拡大したものと見られる。また、企業向けの営業戦略としてここ数年取り組んでいるコンサルティング営業を行うソリューション支社を新たに1支社開設し(2024年3月末現在17支社)、営業体制の強化に取り組んだことも売上増につながった。ERP製品の機能が高度化・複雑化するなかで、製品の性能だけでなく企業が抱える課題を的確に捉えて最適なソリューションを提案するコンサルティング能力が重要となってきており、こうしたスキルを持つ営業要員を育成してきたことが増収につながっている。具体的には、ITコーディネータ※2の資格取得を推進しており、2024年6月現在で資格取得者数が約60名と営業人員の約10%弱を占めるまでになった。

※1 「Galileopt DX」は従来品と比較して、AI技術の活用により操作性を向上したほか処理スピードの高速化、API連携先の拡充を図るなど、利便性を一段と向上したことが特徴で、リプレース需要の活性化につながる一因となった。
※2 ITコーディネータ:経営に役立つIT利活用に向けて、経営者側の立場で助言・支援を行うスキルを持った人材を育成すべく、国策の1つとして2001年から設けられた経済産業省推進資格となっている制度で、試験に合格することで得られる資格。


会計事務所向けは製品のリプレース期にあたり、更新需要を中心に売上高は好調に推移した。また、企業向けと比べてクラウド・サブスク型ではなく、売切り型の契約を継続する顧客が多かったことも売上が伸びた一因と見られる。その他売上高については、販売パートナー経由での売上が堅調に推移したものの、子会社の売上が低調だった。

システム導入契約の品目別売上高を見ると、ソフトウェアは前期比7.1%減の12,817百万円と減少に転じた一方で、ハードウェアが同12.1%増の4,414百万円、ユースウェア(導入支援サービス)が同15.2%増の6,802百万円と好調に推移した。ソフトウェアについては、サブスク型への移行が進んだことが影響しており、実際には新規顧客獲得も含めて需要は好調だったようで、サブスク型契約の顧客に対する導入支援サービスも含まれるユースウェアの売上伸長率が実態の販売状況にもっとも近いものと思われる。

(2) サービス収入
サービス収入の内訳を見ると、ソフト運用支援サービス(企業向けソフト保守サービス)が前期比4.6%増の5,945百万円、TVS(会計事務所向け総合保守サービス)が同1.2%増の2,564百万円、ソフト使用料が同44.0%増の5,665百万円、ハード・NW保守サービスが同4.3%増の1,583百万円、サプライ・オフィス用品が同14.2%減の499百万円となった。ソフト使用料については、主力ERP製品のサブスク提供やクラウドサービスでの拡販が進んだことで大幅増収となった。TVSやソフト運用支援サービスも新規顧客の獲得により着実に増加した。ソフト運用支援サービスは既存顧客の一部がサブスクに移行したことで売上も一部ソフト使用料に移行したが、増収となっているのはサブスク移行のマイナス影響を上回る新規顧客を獲得できたためと考えられる。特に中小企業向けERP製品の販売が新規顧客の獲得増に貢献したと見られる。

クラウド・サブスクサービス収入(ソフト使用料)のKPIとなるARRの推移を見ると、2024年3月は前年同期比42.3%増の6,461百万円と高成長が続いた。特に、主力ERP製品※1のサブスク・IaaS※2収入は同67.0%増の2,747百万円と急成長している。既存顧客で契約更新時に売切り型からサブスク・IaaS型への切り替えが進んだほか、新規顧客を獲得していることも要因で、サブスク契約社数※3は同54.9%増の3,190社となった。また、ARPU(1顧客当たり平均課金収入)※1も「MJS e-Invoice(現「Edge Tracker 電子請求書」)」や「MJS e-ドキュメントCloud」など各種オプションサービスを追加契約する顧客が増えたことから、同7.8%増の861千円に上昇した。導入時コンサルティングやカスタマーサクセスに対する質の高いサービスを提供していることで、主力ERP製品の契約継続率も99.3%と高水準で推移している。この結果、主力ERP製品に占めるサブスク売上比率※4は15.5%となり、今後も同比率は上昇傾向を辿るものと予想される。

※1 主力ERP製品のARRとARPUには、Galileoptシリーズ、MJSLINKシリーズ、ACELINK NX-Pro、ACELINK NX-CEのサブスクリプション契約に加えて、MJS税務シリーズ、MJS Cloud IaaS、MJS DX Cloud、MJS e-ドキュメントCloud、MJS e-Invoice(現「Edge Tracker 電子請求書」)の月額課金収入を加えて算出。MJS e-ドキュメントCloudの料金プランは月額8千円または2万円、MJS e-Invoice(現「Edge Tracker 電子請求書」)は適格請求書(インボイス)の件数に応じて6千円〜5.5万円となっている。
※2 IaaS(Infrastructure as a Service)とは、クラウドサービスのうち、ハードウェアやネットワークなどのインフラ部分のみを提供するサービス。
※3 主力ERP製品のサブスク契約社の対象は、Galileoptシリーズ、MJSLINKシリーズ、ACELINK NX-Pro、ACELINK NX-CEのサブスクリプション契約ユーザー。
※4 システム導入契約のソフトウェア売上と本サブスク契約売上の比較。


そのほか、企業向け統合フロントクラウドサービス「Edge Tracker」※は同26.6%増の564百万円、小規模事業者向けの各種クラウドサービス(「かんたんクラウド会計」等)は同7.4%増の1,305百万円、ストレージやマイナンバー管理、他社クラウドサービス等は同49.4%増の1,844百万円となり、小規模事業者向けクラウドサービスを除いて2ケタ成長が続いた。

※中堅・中小企業の従業員を対象としたクラウドサービスで、「経費精算」「勤怠管理」「給与明細参照」「年末調整申告」「ワークフロー」などの業務をマルチデバイス対応により、いつでも、どこでも利用できるサービス。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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