エフピコ、売上高が過去最高を更新 エコ製品の堅調な推移と、新低発泡PSP容器の需要増加により出荷枚数が伸長

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最新投稿日時:2024/07/03 08:00 - 「エフピコ、売上高が過去最高を更新 エコ製品の堅調な推移と、新低発泡PSP容器の需要増加により出荷枚数が伸長」(ログミーファイナンス)

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エフピコ、売上高が過去最高を更新 エコ製品の堅調な推移と、新低発泡PSP容器の需要増加により出荷枚数が伸長

投稿:2024/07/03 08:00

決算概要(2024年3月期 実績)

池上功氏:エフピコの専務取締役経理財務本部本部長の池上です。本日は、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。2024年3月期実績についてご説明します。

売上高は、前年比105.1パーセントの2,221億円、14期連続の増収となり、過去最高を更新しました。営業利益は、前年比98.4パーセント、計画比94.7パーセントの164億2,900万円となりました。経常利益は、前年比96.8パーセント、計画比93.2パーセントの167億8,000万円です。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年比101.7パーセント、計画比99.3パーセントの117億2,400万円でした。

当社製造製品の売上高は、前年比103.4パーセントの1,716億5,300万円、製品売上数量は昨年9月に対前年比で増加に転じており、第3四半期には100.3パーセント、第4四半期には102.6パーセントとなりました。

出荷枚数が前年を上回った要因は、エコ製品が堅調に推移していることと、新低発泡PSP容器の引き合いが増えているためです。

経常利益 利益増減 実績(2024年3月期)

経常利益は、前期に対して5億4,000万円の減益となる167億8,000万円となりました。

主な要因です。原材料価格は、バージン価格の高騰により31億4,000万円のマイナスとなりました。販売活動はプラス60億3,000万円です。前期に実施した価格改定効果が維持され、下期は販売数量も回復しています。

生産、物流、グループ会社および経費については、合計で34億3,000万円のマイナスとなりました。これは、人材の確保、定着に向けた大幅な賃上げ、また前期に稼働した関西工場・関西ハブセンターの減価償却費の増加によるものです。

計画に対しては12億1,000万円の未達となりました。その主な要因は、第3四半期以降、想定以上に原料が高騰したことと、数量伸長の遅れによるものです。一方で、電力料はピークアウトしています。

設備投資・研究開発費(2024年3月期 実績)

設備投資は計画130億円に対し、納期の遅れや規模の見直しにより95億9,100万円、減価償却費は計画152億円に対し、150億5,200万円となっています。

貸借対照表(2024年3月期 実績)

総資産は、インフラ整備が一巡したことにより、前期並みとなっています。

キャッシュ・フロー(2024年3月期 実績)

安定した営業キャッシュフローが続く中、今期の設備投資は落ち着いた水準で終了しました。財務キャッシュフローは、配当性向の引き上げや自己株式の取得により、株主還元の充実を図っています。

決算 計画概要(2025年3月期 計画)

2025年3月期の計画です。売上高は2,360億円、経常利益は180億円、親会社株主に帰属する当期純利益は121億2,200万円です。

販売面は、プラスチック使用量を大幅に削減した軽量化容器、光沢を大幅に改善した容器など、新技術の製品化を図っています。

また、今後の拡大を目指す冷凍食品市場および病院介護食市場などに向け、新製品の上市と積極的な販売拡大への取り組みを進めています。

経常利益 利益増減 見通し(2025年3月期)

経常利益は、12億1,900万円の増益となる180億円を計画しています。

主な要因です。原料価格は値上がりにより40億円のマイナス、販売活動は価格改定効果を含み、71億円のプラスを見込んでいます。4月30日にリリースしたとおり、7月1日出荷分から15パーセント以上の価格改定を実施します。

生産、物流、グループ会社および経費については、人件費や運送費等が上昇する影響で、合計18億9,000万円のマイナスとなる見込みです。

設備投資・研究開発費 計画(2025年3月期 計画)

設備投資計画は150億円、減価償却費は148億円を見込んでいます。

連結配当性向40パーセントを目処とし、配当は通期で57円を予定しています。今後も、継続的かつ安定的に配当を実施していきます。

以上で、実績・計画の報告を終わります。ありがとうございました。

目次

佐藤守正氏:代表取締役会長兼エフピコグループ代表の佐藤です。本日は、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。こちらの目次にしたがって、外部環境、エフピコの競争優位性、成長戦略/財務戦略、新OPPシートの開発についてご説明します。非常に量が多いため、進行が速くなってしまいますが、ご容赦いただければと思います。

製品価格改定

まずは、外部環境です。今回の決算発表と同時に、7月1日から15パーセント以上値上げすることを発表しました。

原料価格の高騰

今期は、みなさまもご存知のとおり、原料価格がまた上がっています。ナフサは7万2,500円で決まりましたが、現在は7万8,000円から7万9,000円に上昇しようとしています。原油価格はボラティリティが高すぎてわかりませんが、80ドル前後で、為替も155円くらいの状況が続くのではないかと思っています。

価格改定の状況と電力価格の高騰

それ以上に電気代が高止まりしています。電気代は約10年間40億円から44億円を行き来していましたが、3年前に52億円、2年前に86億円となり、2024年3月期は80億8,000万円となりました。

直近で2回、2021年10月、2022年4月末に発表した値上げは、原料価格が上がったことに対しての値上げで、この40億円近く高くなった電気代についてはヘッジできていません。このような背景も含めて、今回値上げを発表しました。

ただし、原料および電気代等々は、この業界すべてに共通することですので、業界の中の競争力に関しては関係ありません。むしろ、この状況下でもエフピコの競争力はますます高まっていると思っています。それについてご説明します。

自動化・機械化への対応 〜機械との親和性が重要なファクター〜

まず、製品開発です。スーパーマーケットの人手不足から、バックヤードの作業が、いわゆるプロセスセンター(以下、PC)やセントラルキッチンと呼ばれる工場になってきています。したがって、PCに移行する過程で、さまざまなプロセスの中の自動化が進んでいます。

ご飯・汁の充填、容器の供給、蓋閉め、トップシール、ラベル貼り等々、さまざまな自動化が進んでいます。この自動化との親和性が、容器に対する機能として要求されているため、さまざまな機械メーカーと連絡を取り合いながら、自動化に適した機能を持つ容器の開発を進めています。

今回の「エフピコフェア」では17社、24台の自動機を実際に展示しました。その商流にエフピコは一切入っていませんが、機械メーカーによると驚くほど反応があり、問い合わせが増えているそうです。

これは、容器に今までにないニーズが求められていることを意味しており、機械メーカーと親和性を持つ容器をいかに開発するかが、今後の大きなキーになると思っています。

新技術① プラスチック使用量削減(低発泡化容器)

この業界に長く勤めていると画期的なことなのですが、プラスチックの使用量が半分以下になる技術を開発しました。低発泡という発泡度の低いシートと、我々の成形技術を組み合わせた新しい技術です。

従前、大型容器やシャープな成形が必要となる容器については、非発泡のHIPSのシートで作るしかありませんでしたが、発泡シートで作ることができるようになりました。大幅な軽量化、イコール、プラスチックの使用量も減らせる技術が開発できました。このシリーズを、次々と上市しています。

スライド左側の写真をご覧ください。こちらは「桶」と言われている大型容器です。昨年10月に上市し、非常にバタバタしましたが、同年12月には約1.5倍になりました。おそらく、今年のお盆や年末に使われる容器は、ほとんどがこの低発泡の容器に替わるのではないかと思います。

プラスチック使用量削減によるユーザーのコスト削減

プラスチック使用量の削減には副次的なプラスもあります。実は容器包装リサイクル法(以下、容リ法)の負担金はどんどん上がっています。低発泡の容器に切り替えないと、容リ法の負担金が12万円くらい増えるところ、我々の低発泡の容器に替えることで逆に83万円下がった事例もあります。

これは非常にバイヤーからも高く評価され、一斉に切り替えが進みました。まだ切り替わっていないところもありますので、今後さらに進んでいくものと思っています。

新技術② プラスチック使用量削減容器(耐寒容器)

「耐寒PPiP-タルク」についてです。今まで冷凍食品の容器は、ほとんどが耐寒PP(ポリプロピレン)の単体で作られていました。それと同じ強度、耐衝撃性を持ちながら、プラスチック使用量を25パーセント減らすことのできる技術を確立できました。これは、タルクともう1種類違う無機物を均一に混ぜることによって実現しています。

「混ぜる」工程は非常に難しいため、我々はマスターバッチの新工場を建てた上で、この容器を上市しています。複数の冷凍食品メーカーから問い合わせをいただいていますが、冷凍食品メーカーは装置産業ですので、実際にこの容器が流通するのには、時間がかかります。すぐに切り替わるものではありませんが、新商品からこの容器に移行していくものだと思っています。

新技術③ 高光沢化容器

非常に光沢のある容器や、金色の発色が良くなった容器を開発できたことも、すべて地道な研究活動の成果であり、このようなことが、トータルでの競争優位性を高めています。

ユーザーのオペレーションコスト低減

ツマなしの容器も一昨年上市しました。万代さまでは、ツマなし容器に替えただけで、月600万円のツマ代が削減されました。また、前日の夕方から夜にかけて大体2時間くらい行われていたツマを盛る作業が不要になり、こちらの人件費が月800万円削減されました。つまり、ツマなし容器に替えただけで、月1,400万円のコスト削減が実現したということです。

この数字は余りにも大きいため、公表してもいいと言ってくださっています。コスト削減もツマなし容器の1つの機能であり、急速に採用が広がっていることが、スライドの棒グラフからもおわかりいただけると思います。

実は今、スーパーマーケット、コンビニエンスストアの販売点数は、昨対割れの状況で、大体96パーセントから97パーセントの水準です。それにもかかわらず、我々の出荷量は第3四半期から100パーセントとなり、第4四半期には102パーセントに増加しています。これは我々の製品力が非常に高いことと、営業力が高いことの両方が要因であると思っています。

エコ製品の販売実績

エコ戦略についてご説明します。回収したトレーやペットボトルから再生したエコ製品の売上が788億円、製品全体のエコ化率は48パーセントとなりました。

エコ製品によるCO2排出量の削減

エコ製品の何が良いのかというと、バージンの原料から再生した製品よりもCO2負荷が低いことです。したがって、スーパーマーケットが自主的にCO2負荷の低いエコ製品に切り替えることで、自らの意思で使用量に応じたCO2の削減に貢献したと言えるのです。

エコトレーやエコPETは、今のLCA計算ではバージンよりも30パーセント、CO2排出量が低い製品です。エコトレーに関しては、関東、中部、福山にあるリサイクル工場がすべて、3月15日から太陽光の電力で稼働することになりました。

結果として、すべてCO2を排出しない電気で稼働していることになります。これが原料となって、原反メーカーに送られ、原反が作られて、我々の製品になっています。すべての製品が切り替わるのは、6月の第3週くらいを見込んでいます。したがって、7月1日からは30パーセント削減を37パーセント削減として計算できることになります。

同じ量を使っていても、エコトレーを使っていただくお客さまは、CO2削減へ貢献する量が、2割以上増加することになります。

お店を発着点とした「ストアtoストア」

このことを、お店を発着点とするリサイクル、「ストアtoストア」として、「消費者の方にお伝えしたらいかがでしょうか?」と提案しています。お店で使用、あるいは販売したトレーやペットボトルは、そのお店で回収し、我々に引き渡していただくことで、エコ製品、資材に再生します。お店がその再生品を積極的に使うことによって、循環する「ストアtoストア」というリサイクル方法です。

水平リサイクル促進に向けたユーザーとの協働

このような取り組みを経て、多くのスーパーマーケットが「ストアtoストア」のリサイクルを一層アピールする意欲を持ったため、一昨年、中国シジシーさまと協力し、具体的な目標を設定しました。CO2の削減量を902トンから1,000トンにし、トレーの回収量を324トンから450トンに、ペットボトルの回収量を214トンから1,150トンに増やすことを目標とし、発表しました。

こちらは、テレビ局を含め、マスコミに広く報道されました。それを受けて、昨年10月にはエブリイさま、11月には九州シジシーさま、今年3月には東北シジシーさまと同じような目標を立てて発表しました。

水平リサイクル促進に向けたユーザーとの協働

その結果、中国シジシーさまの中の「フレスタ」というチェーンに関して言うと、トレーの回収量は114.4パーセントに増加し、ペットボトルの回収量は212.7パーセントで2倍以上になりました。CO2削減量も150.4パーセントとなっており、これは我々のエコ製品の使用量が1.5倍になったということです。

中国シジシーさまは、CO2削減量を1,000トンに増やすことを目標として発表し、2024年3月期の1年間取り組んだ結果、1,157トンまで増えました。902トンから1,157トンに増加したということは、128パーセントも我々のエコ製品に替えていただいたということです。

これから、みなさまもご存じの中堅以上の複数のスーパーマーケットで、同じような目標を掲げた発表ができると思っています。そのくらい、エコ製品の使用がスーパーマーケットの環境に対する意識の表れとなっており、CO2負荷の低い製品を自らの意思で選んでいることを謳ってくださるようになっています。

ポリスチレンの完全循環に向けて

回収した約6,000トンのトレーのうち、半分の3,000トンは白色であり、トレーに再生しています。残り半分の色つきのトレーは、インクの問題があり、トレーに再生していませんでした。しかし、DICさまのインキを取る脱墨技術をもとにしたプラントが、今年11月に四日市に完成する予定です。来年には、この1,000トンの色つきトレーを使ったエコ原料を約1万トン、DICさまから供給していただくことになっています。

エコ化率50%超へ

そうなると、来年にはエコ製品のうちPSPのエコトレーが約3割、7万ケースくらい増やせる見込みです。それに伴い、現在の48パーセントのエコ化率は、来年には50パーセントを超えるだろうと思っています。

物流の2024年問題

安定供給についてです。2024年問題は、この業界にも大きく影響します。13時間以上の配送は基本的に制限され、年間の残業も960時間以内にしなければなりません。何が起きているのかというと、長距離になるほど、配送車両が確保できない状況になっています。

物流コストの増加

当社は12月が繁忙期です。用意したトラックでは足りない時に、追加でトラックをチャーターしており、余分なコストがかかります。これをオーバーコストと言います。

2022年12月と2023年12月のオーバーコストを比較すると、販売配送は103パーセントと、余り変わっていません。ところが、福山から関東へ、関東から福山への長距離配送(横持輸送)は、3倍以上となりました。

そのくらい長距離配送のトラックが確保しにくくなっています。あるいは、お金を出さないと確保できない状況になっているのです。

全国をカバーする物流ネットワーク

我々は昨年3月、関西に新拠点を設け、福山の約3割の製造、物流能力を移行しました。結果として、北海道から九州まで、我々の拠点販売配送センターから約100キロの円を描くと、人口の85パーセントをカバーするネットワークが完成したということになります。

2024年問題への対応①

このネットワークにより、13時間以上の配送を減らすことが可能となりました。関西拠点ができるまでは、福山から和歌山まで配送をしていました。そのような配送も含めて、13時間以上走行するトラックは34台ありました。現在は、0台まで減らすことができました。すべて13時間以内の販売配送にできたということです。

また、荷物を待っていたり、積み込みをしたりするための時間が2時間以上あることも、販売の配送時間に影響します。これをいかに縮められるかということで、2時間以上かかっていたトラックは230台ありましたが、いろいろな工夫により現在27台まで減らすことができています。

2024年問題への対応②

2024年5月から初めての試みとして、福山と関東の横持を減らすため、中部を境に東西を分割し、東西で製造と販売が完結するモデルを稼動させます。これにより、福山から関東へ運ぶ長距離トラックがほぼゼロになるのではないかと思っています。

2024年5月の第3週からこのモデルが動き始めます。これができるのはおそらくエフピコだけです。これが大きなインパクトになるのではないかと思っています。

人材の確保・定着に向けた投資①自動化・省力化

さらに、さまざまな業務の自動化を行い、工場の省人化を図っています。

人材の確保・定着に向けた投資②待遇改善

一方で、絶対的な人数が必要となりますので、2023年4月から物流と製造の現場社員の待遇について大幅な見直しを行い、結果的に2024年3月期の退職者数は63名減少させることができました。

しかし、これでもまだ十分ではありません。休日をさらに増やさなければ高校生が応募してくれない状況もあるため、徐々に改善したいと思っています。ただ、もし今回の待遇改善を行っていなければ63名が退職していたことになりますので、現場が対応できなかっただろうと思っています。

アペックス グループ会社化

M&Aについてです。2023年9月に、九州地区において2番手の食品包装資材問屋であるアペックスを100パーセント子会社にしました。

当社は、ディーラーという販売子会社を、エフピコインターパック、エフピコイシダ、エフピコ上田と3社持っていますが、このうちインターパックが非常に成長しています。理由は、エフピコグループのインフラを最大限に活用しているためです。

問屋様によるFPインフラ活用① “ラストワンマイルを問屋様物流網で”

その1つはピッキングです。通常はディーラーが行うピッキング作業を、すべてエフピコが担っています。そちらのほうが、はるかに合理的です。

2024年問題で製商品の最低ロットもどんどん増えています。当社は、エフピコ以外の商品も容器と一緒に最低ロットでデリバリーするインフラを持ち、そちらを最大限に利用しています。

問屋様によるFPインフラ活用②新マーケットへの進出

さらに、「パックマーケット」というECサイトを持っています。従前、包材ディーラーのお客さまはスーパーマーケットやベンダーが中心で、小規模のレストランなどのネットワークは効率が悪いため、営業できていませんでした。

しかし、当社の「パックマーケット」では、営業エリア内なら自分で配達し、エリア外なら路線便で届けます。さらに、受発注と決済は自動で行われ、集金は一切ありません。これらの仕組みを組み合わせることで、今までできていなかった、ラーメン店や居酒屋を数十店舗経営しているような中小規模のお客さまへの営業活動が可能となり、非常に伸びています。この事業をすべてアペックスに埋め込みたいと思っています。

従来のアペックスではできなかったことを実現し、この2社が成功すれば、今後エフピコのインフラを活用するディーラーが増えると確信しています。

LSSPI社 取り組み状況

海外のLSSPI社の取り組み状況です。順調に生産性が上がっており、おそらくあと2年ほどで2倍になると見込んでいます。

生産性が2倍になるということは、2倍売らなければいけないため、そちらのほうが大変だと三井物産さまにもお伝えしています。しかし、マーケットは間違いなく立ち上がっており、東南アジアでの展開がさらに加速すると思っています。

本日お伝えしたいこと

成長戦略/財務戦略についてです。中長期目標については、ROEが若干下がっているため、まずは11パーセントを目指し、できれば13パーセントまで改善していきたいと考えています。

財務戦略に関しては、年間平均200億円程度の投資を行いたいと思っています。昨年は、関西工場、関西ハブセンターで大きな投資を行いましたが、それが一段落したため、2024年3月期、2025年3月期は落ち着いた状態です。

成長戦略

長期目標として、売上高3,000億円、経常利益300億円を目指します。

中長期目標

株主還元は、配当性向30パーセントから40パーセントに変更しました。

財務戦略 実績(2022/3期〜2024/3期)

キャッシュ・フローに関しては、過去3年間の累計で724億円の営業キャッシュフローがあり、純有利子負債は135億円増加しました。そのうち638億円を設備投資に、98億円をM&Aに投資しています。株主還元は、自己株買いに30億円、配当に123億円を使用しています。

財務戦略 計画 (2025/3期~2027/3期)

2025年3月期から2027年3月期にかけて、営業キャッシュフローは約860億円を見込んでいます。そのうち従前の設備投資に300億円、このあとお伝えする新規の設備投資に300億円を充当します。

M&Aは、お話が来れば検討したいと思っています。配当は160億円で、状況に応じてプラスの株主配当も考えていきます。

世界初の新シートを開発①

最後に、新OPPシートの開発についてご説明します。非常に画期的な技術が開発できたと思っています。

現在、OPETという2軸延伸ポリエチレンテレフタレートのシートを作って成形、販売しているのは世界でエフピコだけです。この延伸技術の延長上として、ポリプロピレンという非常に柔らかく、優れた樹脂の延伸シート開発の目処が立ちました。

世界初の新シートを開発②

延伸シートは、今までの食品容器にはなかったマイナス40度から110度までの耐寒・耐熱性を持ち、なおかつ耐薬品性と耐油性を有しています。また、比重が0.9と軽い素材であることから、非常に大きなポテンシャルを持っていると思います。

世界初の新シートを開発③

このシート単体、あるいは積層すると、驚くほど優れた素材となり、賦形性と透明性を有します。透明性があるため、加飾と言われる塗装なしで色をつけることができます。

高剛性、高靱性、耐寒性、耐薬品性を持つほか、ポリプロピレン単体であるため、リサイクル性にも優れています。

また、低線膨張でアルミと同程度に膨張率が低く、0.91という低比重の素材ができたことにより、すでに試験サンプルのシートを自動車メーカーや部品メーカー、建材メーカーなどに紹介しています。非常に興味を持たれており、入手時期の問い合わせもあるため、今回発表しました。

(動画流れる)

積層したシートの特徴として、ドリルで穴を開けることができ、白化しません。ネジ山を作ることも、切断も可能です。普通は切り口がボロボロになり、曲げると白くなってしまいます。マイナス40度で冷却後にミノで叩いても何も起きません。これほど強いシートだということです。

なおかつ、成形することができます。サンプルをお見せします。こちらは車のミラーの形に成形されています。積層の間に色を付けたフィルムを挟み込むと、塗装なしの部品ができます。

こちらが、間にフィルムを挟んでいない状態です。強靱なシートにもかかわらず、ここまで成形できるということです。

世界初の新シートを開発④

これから工場の設計を始め、おそらく2027年には上市できるのではないかと思います。年間約1万4,000トンの生産能力をもつ延伸シートラインを検討していますが、延伸装置だけで長さが150メートル、さらに巻き取りやスリッターを含めると約190メートル必要となります。つまり、200メートルの長さの工場を作らなければなりません。

非常に大きなリスクがあると思われるかもしれませんが、食品容器としても優れているため、我々が作っているOPETの製品を新OPPに切り替えて使うことができます。

そのため、もし売れ行きが遅れるようであれば、当社の食品容器に使い、自動車メーカー等のお客さまにどんどん売れるようであれば、そちらに優先的に販売することも考えられます。当社は、世界で唯一の新OPPシートを低リスクで投資できる企業であることをお伝えしたいと思います。

以上で私からのご説明を終了します。長時間ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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