【QAあり】アシロ、全事業が成長し前年比40%超の増収を達成 積極的な投資を継続も売上成長による増収効果で2Q単体は黒字化

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最新投稿日時:2024/06/25 19:00 - 「【QAあり】アシロ、全事業が成長し前年比40%超の増収を達成 積極的な投資を継続も売上成長による増収効果で2Q単体は黒字化」(ログミーファイナンス)

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【QAあり】アシロ、全事業が成長し前年比40%超の増収を達成 積極的な投資を継続も売上成長による増収効果で2Q単体は黒字化

投稿:2024/06/25 19:00

24年10月期2Q マネジメントメッセージ

中山博登氏(以下、中山):株式会社アシロ代表取締役社長の中山です。本日もお忙しい中、合同IRセミナーにご参加、ご視聴いただき誠にありがとうございます。それでは、さっそくプレゼンを始めます。

マネジメントメッセージは、スライドに記載のとおりです。ただ、まずは3四半期連続で減損という結果になったことに対して、あらためてお詫びをさせてください。申し訳ありませんでした。

本日は、上期も含めて今四半期の決算発表、説明資料に補足して、「このようなことがありました」など、過去のことを掘り下げてご説明するというよりも、せっかくご視聴いただいているみなさまに「見てよかった」と思ってもらえるように、話せる範囲で戦略なども含めた将来のことを少しお話しできればと思っています。

中計達成に向けた売上進捗と今後の減損可能性

中山:近い将来のこととして、2つあります。

1つ目はスライド左側にもありますが、中計対比の売上進捗です。こちらは、2025年10月期中期経営計画の目標値である、売上高55億円、営業利益11億円を示したグラフになります。

スライドは売上高のみの記載になっていますが、進捗は非常に順調です。特に中期経営計画に関しては、予算を特段変更することなく、着実に進捗できています。

2つ目は、スライド右側にあるのれんの推移です。先ほどお詫びしたとおり、既存のリーガルメディアを中心としたのれん以外をすべて減損した結果、減損リスクがほぼなくなりました。

事業内容

中山:事業内容の変更点についてご説明します。スライドの表の左上にあるメディア事業に関して、今までは、リーガルメディアと派生メディアに切り分けて「リーガルメディア関連事業」としていました。しかしながら、本日の開示のとおり、次月以降はリーガルメディアの販売取引社数の開示を取りやめ、濃い青色で記載したメディア事業として統括していくことになりました。

その理由は、スライド右側の売上収益構成比からもご理解いただけるとおり、リーガルメディアが49パーセント、派生メディアが43パーセントとかなり肉薄しており、近いうちに派生メディアがリーガルメディアを超えていくのではないかと考えています。

したがって、全社におけるリーガルメディアの売上比率が徐々に小さくなる中で、月次でリーガルメディアのみの数字を開示すると、みなさまに無駄なご心配をおかけするのではないかと考えています。そのため、メディア全体として事業を統一し、開示していくことに決めました。

また、将来の戦略のお話にもつながってきますが、メディア事業を大きく1つにまとめたことにより、ここを統括する人間を1人配置する必要が出てきます。

これまでは、リーガルメディアと派生メディアのそれぞれに統括する人を配置していましたが、メディア事業の権限を1人の人間に集約させることによって、我々としては、より推進力を増していきたいと考えています。

先ほどもご説明しましたが、近い将来、リーガルメディアは派生メディアに抜かれる、要するに祖業である既存事業が新規事業に抜かれようとしています。

我々にとって最も重要なことは、このメディア事業を抜いていく事業を早急に作ることです。既に立ち上げたHR事業と保険事業がありますが、この2事業もしくは他事業にて、メディア事業を早急に抜いていく事業を作り上げる必要があると思っています。

私自身、新規事業に集中するためにメディア事業を統一したところもあるため、そこまで細かく見る必要はないと思っています。また、統一したことで管理しやすくなったため、我々の戦略上、今後の事業推進の仕方が大きく変わっていく点かと思います。

みなさまには、「リーガルメディアの開示がなくなったということは、今後は伸びなくなるのか」ではなく、「リーガルメディアを抜いていくビジネスがさらにできたから、比率は下がっていくのだ」「新しい事業が立ち上がる可能性があるのだ」と期待していただきたいと思います。

保険事業に関してはのれん全額を減損したわけですが、既存商品に広告予算をかけて追加販売していくことも、ほぼストップしていくという意思決定をしました。今後は、新規商品の開発に注力していきます。

この新規商品開発に関しては、私もかなり関与しています。みなさまにご期待いただける商品開発を目指し、来期以降に既存事業であるメディア事業を抜く事業を早期に作っていく準備をしっかり行っていきたいと思っています。

また、私としては5年や10年という年月をかけて抜いていく気はなく、かなり近い将来に抜いていきたいと思っています。そのような意味で、「リーガルメディアを抜く事業が作れた会社だから、このメディア事業を抜く事業も作れる会社である」と、ご期待いただきたいと思います。

以上が、我々の考え方の大枠です。本日は四半期として過去の内容を振り返ることが少ないため、質疑応答が少なければ、かなり早くにIRセミナーが終わってしまうのではないかという心配もしています。

質疑応答が来るかどうかは別として、私は何度も申し上げていますが、「Yahoo!掲示板」が大好きな人間です。

かなり拝見しているのですが、その中で「中期経営計画は大丈夫ですか?」という質問が見られます。先ほどのスライドにも記載のとおり、順調に進捗しているため、そこに関して特段の心配はないかと思っています。

また、さまざまな新規事業を作っていく中で、「Yahoo!掲示板」では「このような事業を行ったらどうでしょうか?」という書き込みも拝見し、「確かにそのような事業の考え方もあるな」と、かなり参考にしています。つまり、中山も「Yahoo!掲示板」を見ているということを念頭に置いていただき、どんどん書き込んでいただけると幸いです。

その中で、「アシロも弁護士事業と近い退職代行事業を行ったほうがよいのではないか」という書き込みをいただきました。実は、我々はすでに退職代行事業者への送客というものは行っています。

本業として取り入れない理由としては、退職代行事業は、我々が追うべきレベルのマーケットサイズではないと判断しているからです。

事業としては持っていませんが、ご指摘のとおり、実際の親和性やシナジーが高いため、ユーザーの送客をしています。実数を測ったことはありませんが、おそらく国内トップクラスで送客しているのではないかと思っています。

このように、みなさまにご指摘いただくような事業に関しては、もちろん検討もしていますし、今後の参考にもしています。したがって、いろいろと参考にさせていただくために書き込んでいただければと思っています。

将来のことに関してと、みなさまのご懸念等で私からお伝えしたいことは以上になります。ここからはプレゼン資料を見ながら、補足説明をしたほうが良い点についてご説明していきます。

ビジネスモデル

中山:ビジネスモデルはスライドのとおりです。

24年10月期 2Q(24年2月ー24年4月)決算サマリー

中山:決算サマリーについてもスライドに記載のとおりになりますが、従業員数に関して補足してご説明します。

従業員数は非常に順調に伸びており、中期経営計画の達成を十分狙っていけるだけの人員数やリソースが揃ってきていると感じています。

ここからさらに人員をどんどん増やしていくというよりは、新しく入ってきた人間一人ひとりの戦力化という部分に注力していきたいと考えています。

24年10月期 2Q累計(23年11月ー24年4月)事業別サマリー

中山:第2四半期の業績です。中でも、HR事業の赤字幅が一番大きくなっていますが、この部分は実は比較的順調に立ち上がっており、派遣事業も紹介事業もかなり良い傾向にあります。

確定的なことはお伝えできませんが、来期に関しては派遣事業への投資次第ではありますが、通期で黒字も狙っていけるぐらいのレベルに十分来ているという感触はあるため、HR事業にもご期待いただければと思います。

保険事業に関しては、第1四半期まで個人向けの保険の販売に注力していましたが、第2四半期では少し緩めており、その累計となっています。

下期は、新商品の開発にコストをかけて投資をしていくことになるかと思います。まだ具体的なことはお話しできませんが、構想段階では非常に良いものができるのではないかと私自身は確信しているため、こちらもご期待いただきたいと思います。

24年10月期 2Q累計 通期予算進捗

中山:スライドには減損を除く営業利益も記載しています。実際の営業利益の累計は赤字となっていますが、年度予算は変更していないため、通期にかけては予算どおりの着地にしていきたいと思っています。

売上収益(事業別 四半期推移)

中山:売上収益に関しては、先ほどお伝えした派生メディアが非常に好調なため、大幅に伸長しており、リーガルメディアにかなり肉薄しています。

リーガルメディアはストックビジネスであるため、伸び率が一定であることに対し、派生メディアはアフィリエイト、要するに成果報酬モデルで、伸び率は人に依存しないかたちになっています。その伸び率の部分で高い推移をしている関係で、かなり肉薄してきていることがご理解いただけると思います。

(参考)月次ストック収益(月次推移)

中山:月次ストック収益の推移は、スライドのとおりです。

営業利益(四半期推移)

中山:営業利益に関しても、スライドに記載のとおりです。来期にご期待いただけますと幸いです。

(参考)事業別営業利益(四半期推移)

中山:事業別営業利益です。派生メディアは、売上収益、営業利益ともに、前期と比べると別次元レベルでの著しい成長となってきています。

コスト構造(四半期推移)

中山:コスト構造に関しても、スライドのとおりです。3四半期連続で減損が出ていますが、来四半期以降は、先ほどお伝えしたとおり懸念がなくなりますので、ご安心いただければ幸いです。

(参考)広告費についてのご説明

中山:スライドには、広告費の内訳を記載しています。基本的には、収益を上げるためのユーザーの獲得にコストをかけています。

24年10月期 2Q事業ハイライト

中山:事業ハイライトは、スライドのとおりです。

主要KPI(掲載枠数/顧客数)

中山:主要顧客数も、スライドに記載のとおりです。

主要KPI(問合せ数/新規登録者数)

中山:派生メディアの問合せ数は大幅に増加しており、売上が伸びた理由にもなっています。HR事業の新規登録者数は、YoYでは増加していますが、QoQでは減少しています。

その理由としては、予算をばらまくというより、少しずつ質の部分に寄せて注力し、コストを抑えたかたちで黒字化できるように、より有効な登録者数のみを追ってきた結果、新規登録者数がQoQで若干減ったということになります。

したがって、質は上がってきていますので、安心していただきたいと思います。

収益モデル

中山:派生メディアの収益モデルです。

収益モデル

中山:HR事業の収益モデルです。

収益モデル

中山:保険事業の収益モデルです。

四半期決算(BS/CF)

中山:スライドに記載のとおり、B/Sでのれんが減少しています。

第2四半期についてお伝えすることはスライドに記載しているとおりであり、補足すべき大きな事項は多くないため、私からのプレゼンは以上となります。ありがとうございました。

質疑応答:サイバー・バズ社の取立遅延の影響について

荒井沙織氏(以下、荒井):「サイバー・バズ社にて『アフィリエイト広告の代理販売を行っていた取引先の売掛金に取立遅延が生じている』というニュースが流れましたが、アシロ社の決算に対して負の影響は生じていないでしょうか?」というご質問です。

中山:他社がどのような取引形態となっていたかはわかりかねますが、我々はアフィリエイトの場合、「ASP」と呼ばれる「アフィリエイトサービスプロバイダー」を活用しています。ASPに広告主のところへ代理的に行っていただき、条件や件数をいただいて、我々はASPを介して成果を出していく商流が一般的です。

他社のことですので詳細はわかりませんが、ASPがどのようになったかという話だと思います。我々が取引しているASPは、基本的に上場企業もしくは上場企業に属する子会社との取引がメインであり、財務状況等も把握できる取引です。この部分で、大きなリスクや決算に影響を与えることはないかと我々は思っています。

質疑応答:リーガルメディアにおける成長について

荒井:「リーガルメディアにおいて、以前のような成長は厳しいと思われます。営業組織体制の変更が影響したとのことですが、その問題が解決したのならば、以前のような30パーセントから40パーセントの成長は可能でしょうか?

もし厳しいのならば、はっきり厳しいと言ってほしいです。株主からすると、社長はいつも順調と言っているのに、いざ蓋を開けると順調には見えません。」というご質問です。

中山:リーガルメディアにおける成長を30パーセントから40パーセント継続することが、厳しいか厳しくないかで言うと、非常に厳しいです。

取引社数が100社しかない場合、30社増やせば30パーセント成長となりますが、弊社の取引社数は1,000社を超えているため、当然ながら300社増やせなければ30パーセント成長を継続することにはなりません。解約率も一定数ある中で、30パーセントや40パーセントの成長を継続していくことは厳しいとは思っています。

一方で、まったく成長することができないかというと、そうではないと思っています。以前のような30パーセントや40パーセントの成長は厳しくなってくると思いますが、成長すること自体が厳しいとは思っていません。

今回、メディア事業としてすべてをまとめていますが、事業全体としては、可能であれば年次で30パーセント成長を維持したいと思っています。どの事業もそうですが、単一事業で130パーセント成長を10年継続できる事業は、ほぼ存在しないに等しいと思っています。

したがって私個人としては、その事業の成長を超える事業を作り込み、きちんと用意しているのかが非常に重要だと思っています。先ほどお伝えしたとおり、既存事業は継続して120パーセントや130パーセントの成長は狙っていきますが、その成長を超える事業を作れるかが猛烈に重要になってくるのではないかと思います。

上場企業は、得てしてイノベーションのジレンマ、成長のジレンマに陥りやすいと思っています。特段、投資などをせずに既存事業だけを追い、リーガルメディア・派生メディアだけをやっていれば、これほどみなさまに不安をかけることもなく、安心して寝られるわけです。

ただ、3年、5年という継続的な成長を続けようと思った場合、新しいものを生み出すことにチャレンジしない限り、どこかで既存事業はピーク地点に到達します。それが来てから新しいものを用意するのでは、あまりにも遅いと思います。

既存事業は30パーセント、40パーセントとずっと伸びるわけではありませんが、まったく伸びないわけでもありません。今の説明では解釈が異なりそうですが、メディア事業に関しては、リーガルメディアだけでなく事業全体として、120パーセント、130パーセントと伸びていく余地は十分にあります。

まだ十分伸びることができると思っていますが、それだけをずっと続けていくといつかピーク地点に来てしまうため、それを超える事業を作り出すことで、上場のジレンマ、イノベーションのジレンマに陥らないことが、それと同等以上に重要だと思っています。

質疑応答:中期経営計画の見直しの可能性について

荒井:「中期経営計画の見直しの可能性はありますか?」というご質問です。

中山:できれば上向きに修正したいと思っています。

質疑応答:「ビッコレ」のシナジーについて

荒井:「『ビッコレ』のシナジーがいまひとつ見えません」というご質問です。

中山:第1四半期に減損しており、基本的には事業自体をほぼ止める方向のため、既存事業とのシナジーを創出できず大変申し訳ないと考えています。

質疑応答:転職業界の競争について

荒井:「転職業界は競争が激しいと聞きますが、御社はいかがでしょうか?」というご質問です。

中山:どのような事業者が厳しくて厳しくないかは、明暗がわかれつつあると思っています。

人材事業では、派遣も人材紹介もそうですが、1円で会社が作れるようになり、比較的個人事業主に近い方でも人材紹介や派遣ができるようになりました。そこからプレイヤー数が一気に伸びたのが、おそらく2000年代前半だったと思います。

近年、個人事業主に近いレベルでやっている方たちは厳しくなってきており、逆に一定レベルの規模でブランドを作った会社は、好調になってきているのではないかと思っています。

さまざまな事業環境の変化に耐えられるだけの会社としてのアセットを持っているか、体力があるかが、重要になるのではないかと思います。我々は上場企業であるため、個人経営の会社に比べれば、そのような点では優位に働くかと思っています。

荒井:どれくらい多くの業界で転職先を斡旋できるかが大きいのでしょうか?

中山:それもあるのですが、「この業界であればこの転職会社」というものが概ねあります。例えば、飲食店を検索する際に使用するサイトは、3つほどしか出てこないと思います。

人材紹介でも、この分野であれば有名なサイトは3つ程度で、それ以外は淘汰されていくレベルにあるかと思っています。当然ながら、取引できる業種を増やすことに加え、マーケットの中で3番以内に入っていることが重要ではないかと思っています。

荒井:ピンとくる名前であるかということですね。

中山:そのとおりです。

質疑応答:MRRの開示について

荒井:「リーガルメディアの月次ストック収益の開示をやめられるとのことですが、全社としてMRRの開示は難しいでしょうか? 全社として、継続的に得られる利益の数字について、ほかに開示していただけるものはありますか?」というご質問です。

中山:取引社数に関しては、月次でまとめてもそこまで会社全体に負担がないため、開示しやすいです。しかし、売上やストック収益をすべてまとめて5営業日以内に開示していくことは、おそらく管理部門に対する管理コストが非常に高くなるのではないかと予測されます。

可能であれば開示していきたいと思いますが、コストとのバランスだと思います。ただし、四半期単位ではこれまでの開示資料どおり、ストック収益を出していきます。

質疑応答:来期の事業ごとの業績イメージについて

荒井:「HR事業はまだ赤字フェーズですが、来期に売上収益50億円、営業利益11億円を達成するには、HR事業の黒字化が必須になると思います。このままでは達成が難しいと懸念しているのですが、来期の事業ごとの業績イメージを教えてください」というご質問です。

中山:売上・利益ともに、既存のメディア事業だけでも中期経営計画は達成できるレベルの予算になってくるのではないかと思います。

ご指摘としては、HR事業が赤字で引っ張ってしまうと営業利益が達成しないのではないかということだと思います。先ほどお伝えしたとおり、通期の黒字化を狙えるレベルになってきているため、ご期待いただけますとうれしいです。

質疑応答:メディア事業の成長率について

荒井:「メディア事業の成長率は、今後どの程度と見ているのでしょうか?」というご質問です。

中山:ある程度の規模が出てきているため、30パーセント以上の成長はかなりハードルが上がってくるレベルになるのではないかと思います。ただし、視点を下げすぎず、できれば130パーセント成長を継続できるように狙っていきたいと思っています。

派生メディアでは、転職領域の「キャリズム」というサイトがメインとして稼働しています。「キャリズム」が派生メディアの中心のため、これ以外のサイトが立ち上がり、「キャリズム」の成長を抜くようなメディアが出てくると、成長率はさらに飛躍的に上がっていくかと思います。

そのような新規領域にも、ご期待いただけますとうれしいです。

荒井:目処は立っているのでしょうか?

中山:なんとも申し上げられないのですが、もちろんチャレンジはしています。

まったく関係ありませんが、私個人としては「2025年10月期はこれぐらいのレベルで達成する」と毎日イメージトレーニングをして寝て、起きたらイメージトレーニングをしながら散歩しています。

これを毎日続けており、イメージトレーニング上ではかなり具体的になってきているため、ご期待いただきたいと思います。みなさま、メディア事業だけでなく既存事業に非常に注目されているため、当然のことだと思います。

荒井:応援したいという気持ちですね。

中山:もちろん既存事業を伸ばしますが、いろいろなチャレンジや、M&A、減損などは、新規領域を生み出すために必要な投資だったのかということを、早々にみなさまにお見せできればと思っています。

当然ながら、減損はしないほうがいいに決まっていますし、大変申し訳ないと思っています。

しかし、新しいものを生み出す時には、失敗せずに百発百中で新しいものを生み出すことは、とあるアパレル経営者さまの『一勝九敗』という本も読んだことがありますが、国内トップレベルの経営者も、10回やって1勝でいい事業の作り方をしていると言われています。

トップレベルの経営者でもこのくらいの比率だということです。「一勝九敗」とは言いませんが、さすがに負けの回数が成功確度を上げていくと思っており、負けや減損を必ずプラスに転じられるように取り組んでいきたいと思っているため、ご期待いただきたいと思います。

質疑応答:リーガルメディアに対する生成AIの影響について

荒井:「リーガルメディアに対する生成AIの影響はどのように感じていますか? また、自社でのAIの活用により、コスト削減などを期待できますか?」というご質問です。

中山:我々の業界で生成AIの活用が進んでいるのは、マーケティングや法律条文のチェックなどに関するものです。そちらでは、徐々にテクノロジーの進化が見られると思っています。

法律条文の確認がかなりのレベルで大量に行われている会社は、社数でいうとおそらく大企業、エンタープライズと言われる、国内の企業のうちおそらく0.3パーセント程度しかないだろうと思います。

一方で、残りの99.7パーセントの企業は、AIを使って法務的な業務をしなければいけない状況にはおそらくなっていません。みなさまが日常で仕事をしていても、AIを使って法律をチェックしなければならない状況はおそらくないでしょう。そこまで下りてくるのは、かなり先の話だと思っています。

マーケティングでは一部使われつつありますが、ビジネスレベルで活用できるところまではまだ落とし込まれておらず、むしろ使うことでコストが高まってしまうと思っています。我々も試行錯誤を続けていますが、まだ日常レベルで活用できるものではないという現状です。

質疑応答:売上の伸び率とコメントについて

荒井:「売上の伸び率がすばらしいです。現在、派生メディアは投資期なので利益率が低いと思いますが、通常状態の利益率はどの程度まで出せる事業なのでしょうか?

リーガルメディアより高くなるポテンシャルはあるとのことでしたが、ここはポテンシャルはあるということでよろしいのでしょうか?

また、社長はご存知かと思いますが、『Yahoo!掲示板』はレベルが低いコメントも多いと思いますので、エンタメとして見ることをおすすめします。あまりコメントに惑わされないでください」というご質問です。

中山:「Yahoo!掲示板」、好きなんですよね。おそらく、見ずにいられる上場企業の方はいないのではないですか?

荒井:みなさまが気になる場所ではあるのでしょうか?

中山:「Yahoo!掲示板」を見ずにはなかなか寝付けないというか、それほど大好きですが、それによって事業戦略を変えるなどは当然ありません。ただ、「怒りをお持ちなんだな」とか、お叱りを受けているなど、もっとがんばらなければいけない、株価をなんとかしなければいけないと反省しています。

どちらかというと、「Yahoo!掲示板」などに書き込む方に私の趣向性をお伝えしておきたいのですが、「がんばれ」と言っていただいたほうが、非常にがんばるタイプです。褒められたい人間なので、叱責が続くとやはりへこんでしまうため、たまに、10回に1回程度は褒めていただけるとうれしいとは思っています。

荒井:「売上の伸び率はすばらしいです。派生メディアは今、投資期のため利益率が低いかと思いますが、通常の利益率はどの程度まで出せる事業なのでしょうか?」というご質問については、いかがですか?

中山:過去の事例から言うと、派生メディア事業のポテンシャルとしては、最大で営業利益率40パーセントを超えるようなことがあってもおかしくないと思います。

営業利益率が高いのは当然良いことですが、その利益率を維持し、安定的に成長を継続していく難易度が非常に高いと考えます。

そのようなことから、派生メディアが安定的に成長を継続しながら出せる営業利益率としては、20パーセントから25パーセントが適正水準であり、30パーセント出ればかなり良いほうだと思っています。

荒井:時期によってばらつきはあれど、そのくらいの推移を目指すということですね。

中山:営業利益率が上がっている段階は、自然検索によるユーザーの流入が猛烈に多い時期です。これは「Google」に対する依存度がかなり高いです。

一方で、営業利益率が下がっている状態の時は、広告宣伝費率が上がっています。広告は上げたり下げたりしてコントロールできますが、自然検索に関する1位、2位、3位は絶対にコントロールできません。

ここだけで営業利益率や成長が左右されるということであれば、「『Google』次第です」とお伝えしているのとまったく同じことになります。そのようなことから、広告の技術によって他社よりも優位性を作るほうが安定すると考えています。

質疑応答:派生メディアの成長の理由と今後の見通しについて

荒井:「派生メディアの成長が続き、さらに利益も伸びている理由を一歩踏み込んで教えていただきたいです。また、第2四半期以降の見通しも教えてください」というご質問です。

中山:派生メディアに関しては、広告の運用技術などの細かいチューニングによって競争優位性を作っているため、「これがうまくいっているから」というものではありません。

一つひとつの施策がうまく高速にチューニングアップ、ブラッシュアップされていくことが重要であり、そのブラッシュアップの速度が上がってきていることが成長の一番大きな要因です。 

リーガルメディアはストック型のため下期偏重ですが、派生メディアは第2四半期の数字が比較的良くなり、第3四半期は同等レベル、第4四半期は少し上がります。第3四半期、第4四半期が第2四半期の倍程度になっていくかというと、過去のデータ上、そのようなことはありません。傾向的にも考えにくく、同じ流れを繰り返していくイメージです。

質疑応答:保険事業の計画や競合について

荒井:「保険事業は、新しい商品を出していく計画でしょうか? また、その場合はどのような特性の商品でしょうか? 競合も多そうですが、いかがですか?」というご質問です。

中山:具体的な商品はあまりお伝えしきれない部分があります。しかし、毎日、来期の中期経営計画達成のイメージトレーニングをして寝たり散歩するとお話ししましたが、保険事業のことも毎日考えています。

私の中では、かなり良いものが出来上がるイメージは湧いているため、早々にご覧いただける状態にできればと思っています。

保険事業の特徴は、免許ビジネスであることです。保険免許を持っていなければこの事業を行えない点が非常に競争優位性であり、参入障壁になっています。

そのため、一定レベル以上の非常に良いものを作れたとしても、それを他社が真似することは簡単ではないため、かなり独占的に伸ばしていけると考えています。

猛烈にイメージトレーニングをして、その中でかなり良い商品が出来上がってきています。ご期待いただけたらうれしいです。

荒井:では、新商品が出てきた時には、社長のお散歩姿をイメージしながら「これだったのか」とわかるということですね。楽しみにしたいと思います。

質疑応答:退職代行サービスと保証人代行サービスについて

荒井:「『Yahoo!掲示板』でもアドバイスがあったという退職代行サービスは、すでにスタートしているというお話でした。保証人代行サービス等もあるのでしょうか? また、日本における退職代行サービスの現状のシェアを教えてください」というご質問です。

中山:我々自体が生業として、退職代行サービスを行っているわけではありません。それを生業としている事業者が、シェアを持っています。ただし、退職代行サービスへの送客数としては、我々が国内トップクラスなのではないかと思っています。

保証人代行サービスについては、どのようなサービスか、思いつきませんので、もう少し具体的な内容を教えていただければと思います。

質疑応答:株価を上場来最高値にするために必要なことについて

荒井:「株価を上場来最高値まで押し上げるには、何が必要だと思われますか?」というご質問です。

中山:業績だと思っています。来期の中期経営計画を達成すれば、十分に可能性があると思います。

我々が上場した時点よりも、グロース市場全体の投資環境が優れていないということが1つあると思っていますが、ここに関しては我々が何かできるものではない、外部要因です。

株価に関する内部要因としては、来期の中期経営計画を達成した際、会社価値は上場時よりも十分に上がっているということがご理解いただけるのではないかと思います。

それ以外に、例えばIRで小手先的に上げる手段もあるかもしれませんが、それではあまりに短期的であり、逆にご期待に反することになると思います。したがって、本質的な業績で株価をしっかり上げていきたいと思っています。

質疑応答:営業利益11億円達成のための投資抑制について

荒井:「来期の営業利益11億円達成のために、どのような投資を抑制するのでしょうか?」というご質問です。

中山:メインは広告費になると思います。かなり施策としてテストマーケティング的な広告費をさまざまな領域でかけているため、ここをしっかり抑えていきます。

決算資料にもあったとおり、コストの大部分は広告費です。ここをコントロールすることによって、営業利益率を改善させていくことになると思います。

荒井:広告費を抑制することによって、どのくらいの達成度の遅れが生じてくるのでしょうか?

中山:来期に広告費を削り、今期以上には投資しないようにすることで営業利益率を上げ、目標を達成させていくことになります。そのため、広告費を下げたことで来期の達成進捗率が下がることはないと考えています。

質疑応答:裁判の傍聴の経験について

荒井:本当に多くのコメントをいただいており、ご質問以外にも「がんばれ」というシンプルな応援メッセージも届いています。「社長は裁判の傍聴などをされたことはありますか? 特に地裁で尋問の裁判を見ておくとよいと思います」というご質問です。

中山:まず、応援コメントも非常にありがたいと思います。できれば「Yahoo!掲示板」にも書いていただけるとうれしいです。

裁判の傍聴については、法律領域で新しいものを生み出すためにはさまざまなコンテンツに触れることが重要ではないかというアドバイスかと思います。

法律というコンテンツを誰にどのように届けたら一番収益に直結していくのかということは、当然ながら考えています。法律の細かな枝葉に入り込んだ場合、マーケットが非常に小さくなってしまう可能性が高いと思います。

裁判の傍聴を否定しているわけではありませんが、もう少し大きいところで、どのようにすればマーケットを取りにいけるかを試行錯誤しながら、さまざまな情報に触れるようにしています。

質疑応答:2026年10月期の投資計画と先行投資および利益喪失のバランスについて

荒井:「社長は投資家および株価に対して意識が向いており、株主として感謝しています。一方で、投資家は再度投資を強化する2026年10月期の大幅減益をリスクに感じている印象です。

その点について、これまでのお考えから変化はないでしょうか? また、先行投資と利益喪失のバランスについて教えてください」というご質問です。

中山:非常にありがたいご質問です。私からお伝えしなければいけなかったのですが、ここに投資家さまの誤解があると考えています。

私としては、「2026年以降の投資に関しては、決定事項は一切ない」とお伝えしてきたつもりです。それがどこかで曲がりくねって、「2026年以降も投資を続行することが確定事項」という伝わり方をしています。投資をする、やめるということは、一切決定していません。

現在の私の基本的な考え方は、利益のすべてを使い、投資を3年間続けていくようなことはしない方向です。営業利益に対してある程度の幅を持たせて投資していく可能性は残しながらも、それが例えば営業利益率20パーセントだとして、20パーセント分全部を投資に回すようなことはしないつもりです。

2026年以降は、そのうちの何パーセントかの幅を持たせ、「使わなければこれくらい利益が出るし、使ったとしてもここまでに留める」というような投資戦略になっていくのではないかと思っています。

質疑応答:派生メディア事業の強みと業績伸長の理由について

荒井:「中期経営計画の上向きコメントはすばらしいです。期待しています。

派生メディア事業は『キャリズム』が牽引していると思いますが、あらためて御社事業の強み、競争環境などについてどのように考えればよいでしょうか? また、なぜこれだけ伸ばせているのでしょうか?」というご質問です。

中山:非常に優秀なメンバーたちが、広告、ユーザーが使用するサイト、使いやすさ、検索エンジン上における露出の仕方などについて、本当に細かいチューニング作業を行い続けることで予算を増加させている状況です。

何か1つがうまくいったからというわけではなく、本当に細かな毎日の修正、改善の積み重ねが非常に良い結果になっており、部署単位で非常にがんばっています。

質疑応答:新規事業の開拓とM&Aについて

荒井:「新規事業の開拓について、大型M&Aを検討したいというお話が前回の決算時にありましたが、現在も検討中でしょうか? 今回は新規事業に専念するということなので、当面は自社内での成長を主とするということでしょうか? また、新規事業の開拓はM&Aで行うのでしょうか?」というご質問です。

中山:どちらも進めます。「どちらかを行っているから、どちらかをやめる」ということはありません。チャンスがあれば、積極的にM&Aも新規事業の開拓にも取り組んでいきたいと思っています。

いずれにしても、このような事業規模となり、「あとは緩やかに伸びていけばいい」とは捉えていません。上場してからこれまでに売上収益のCAGRを30パーセント程度で伸ばし続けていると思いますが、これを継続します。

さらに言いますと、これ以上の角度で成長したいと思い、私自身は本気で取り組んでいます。チャンスがあるのであれば、M&Aも新規事業も行っていく考えです。

中山氏からのご挨拶

中山:本日も、IRセミナーをご視聴いただき誠にありがとうございました。M&Aの失敗によって減損が出たことに関しては非常に心苦しく思っていますが、先ほどもお伝えしたとおり、この失敗があったからこの成功があるのだとご期待いただけるよう、必死に取り組んでいきたいと思っています。

弊社の従業員持株会の加入比率は6割を超え、非常に高くなっています。従業員一同、自分ごととして捉え、必ず投資家さまと自分たちも喜びを分かち合うのだという思いでいるため、引き続きご期待いただければと思います。本日はありがとうございました。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:決算資料の1ページ目には証券コードを記載した方が親切だと思います。

回答:ご助言いただきありがとうございます。次回以降、反映させていただきます。

<質問2>

質問:前回登壇された時から本日の登壇までの間において、何か変わったことや特筆すべきことはありますか?

回答:中山からの説明のとおり、保険事業の運営方針変更に伴って減損を計上させていただきましたが、上記を除いては各事業において比較的順調に推移しているものと認識しています。

<質問3>

質問:社長の株式保有が圧倒的すぎて、株式の流動性に期待が持てないのですが、どのようなお考えで市場放出されないのでしょうか?

回答:当社は2016年にPEファンドのJ-STAR社から投資を受けた際に、創業社長である中山の保有株式をJ-STAR社に譲渡している経緯があり、相対的には浮動株比率が高いものと認識しています。

<質問4>

質問:社長の貴重な時間を保険事業に費やす費用対効果について教えてください。減損してもなお、保険事業に注力するのはどのような勝算があるのか、どのようになったら撤退を考えるのでしょうか?

回答:保険事業の今後についてはあまり申し上げられなく恐縮ですが、現時点ではメディア事業、HR事業に次ぐ事業の柱とすべく取り組みを進めています。

新商品の概要等、開示できる状況になりましたらご案内させていただきますので、しばしお待ちいただけますと幸いです。

<質問5>

質問:『会社四季報』にガバナンス強化と書かれています。ガバナンス強化の背景を教えてください。

回答:『会社四季報』を発行している東洋経済新報社さまがどのような背景で記載されているかはわかりかねますが、2024年1月に実施した株主総会において機関設計を変更し、監査等委員会へ移行しています。これにより、取締役会の過半数が社外取締役兼監査等委員という構成で運営しており、この点を背景にしているのではないかと推察しています。

<質問6>

質問:米国の景気冷え込みにより影響を受ける部分はあるのでしょうか?

回答:直接的な影響はありませんが、日本の各企業も景気減退による影響を受け、採用を絞るような動きがある場合には、HR事業や広告費の絞り込みにより派生メディア事業に影響を及ぼす可能性が考えられます。

配信元: ログミーファイナンス

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