日本初演から110年!今まで見過ごされてきた男達の意外な葛藤を見事に訳出!サロメに隠された男性同性愛のモチーフとは?新訳×新解釈!
株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、 代表取締役社長:夏野剛)は、 2024年5月24日(金)に、『新訳 サロメ』(オスカー・ワイルド 河合祥一郎=訳 角川文庫)を発売します。
ワイルドの「サロメ」は日本初演からすでに110年経っており、毎年舞台化される名作戯曲で、今まで多くの訳者によって翻訳されてきました。今回、戯曲翻訳で定評のある東大教授・河合祥一郎氏が、画期的新訳と最新研究にもとづく新解釈で、その物語の真の意味を明らかにしました。
ですから、この「新訳 サロメ」こそが、真の「サロメ」――本当の「サロメ」だと、編集部は考えます。では、どういった部分が今までのサロメの訳と違うのか。またそれ以外の長所や、どんな物語なのかについても、以下で紹介します。
本書の新訳のポイントは以下の通りです。
ポイント1. シェイクスピア訳者がパリに実際に3ヶ月滞在(!)し、今まで見過ごされてきた男たちの意外な葛藤を訳出。
訳者あとがきにも書かれていますが、イギリス人のワイルドがなぜ本作に限ってフランス語で執筆したのか。そこにいったいどんな意図があったのか。本書の訳者・河合祥一郎氏はパリに3ヶ月滞在して、現地のフランス人俳優に取材しながら、それを丁寧に原文から訳出し、物語の真のドラマを明らかにしました(氏は東大教授で、シェイクスピア研究の第一人者でもあり、角川文庫でシェイクスピアの新訳シリーズを刊行しています。戯曲翻訳に定評のある方です)。
仏語には、人との距離感を表す二種類の語法――ヴーヴォワイエとチュトワイエがあるのですが、イギリス人のワイルドは物語の要所要所でそれを効果的に使っており、河合氏はワイルドの意図を丁寧に訳しわけることで、物語の鍵を握る登場人物ヨカナーンやエロド王の意外な葛藤を表現しました。
これによって今までのサロメを知る人は、本書を読めば物語の印象ががらりと変わると思います。
ポイント2. サロメに隠された男性同性愛の記号(モチーフ)
「サロメ」は、もとは新約聖書に描かれた物語ですが、聖書でのサロメは、母である王妃エロディアに命じられるがままにヨカナーンの首を請う娘――つまり母にいいように使われる駒としてしか描かれていませんでした。一方、ワイルドのサロメは、ヨカナーンへの激情を抱く少女であり、神秘的で悪魔的なファム・ファタールとして描かれています。この違いは何だと思いますか?
ワイルドはそこに重要な意味を込めていたのではないか、と、河合祥一郎氏は解説します。というのも、劇中に登場する「緑のお花」は、実は男性同性愛の記号です。そのためラストの悲劇的展開には、キリスト教による弾圧への抵抗(レジスタンス)の思いが込められており、後に男性同性愛で裁かれ、客死するワイルド自身の悲劇をも予言したのではないか、と氏は語ります。
番外編 ビアズリーの名画18点掲載!
サロメといえばビアズリーの名画ですね。本書ではその名画を18点も掲載しています。ワイルドとビアズリーの意外な関係や、じつはビアズリーがサロメの英語訳を担当したいと名乗りをあげた、といったエピソードまで、訳者あとがきで丁寧に紹介されています。
以上が、編集部が「本書こそが本当のサロメだ」と考えるゆえんです。日本初演から110年。私たちは、この河合訳によって、「本当のサロメ」にはじめて出会うのではないでしょうか。この奇跡の邂逅をいっしょに楽しみましょう。
なお、本書は国文学者のロバート キャンベル氏から、推薦文を頂戴しております。
「歪(いびつ)に見え実は巧みなフランス語でヴェールを纏(まと)ったサロメの姿を、初めて日本語で見た。クイアに美しく、リリカルな声に身震いがした」
編集部が自信をもってお届けする『新訳 サロメ』。
いままでのあなたのサロメ観が180度変わります。
ぜひともご一読ください。
<あらすじ>
日本初演から110年。私達は「本当のサロメ」に初めて出会う。
――月夜の晩。エロド王に請われ、妖艶な踊りを披露したサロメ。王に求めた褒美は美しき預言者ヨカナーンの首だった。少女の激情を描き、男性同性愛の記号(モチーフ)を潜(ひそ)ませることで、当時の西欧社会の抑圧を挑戦的に描いた本作は、実はワイルドの抵抗(レジスタンス)!? 仏語原文を忠実に読み解き、見過ごされてきた男達の意外な葛藤を示し、真のドラマ性を見事に新訳! ビアズリー画18点掲載。
『新訳 サロメ』について
◆書誌情報
『新訳 サロメ』(角川文庫)
著:オスカー・ワイルド
訳:河合祥一郎
発売:2024年5月24日(金)
定価:968円 (本体880円+税)
ISBN:9784041141960
発行:株式会社KADOKAWA
詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322306000247/
◆著者プロフィール
オスカー・ワイルド
アイルランド出身の小説家・劇作家・詩人・批評家(1854-1900)。代表作に戯曲『サロメ』『まじめが肝心』『レイディ・ウィンダミアの扇』、小説『ドリアン・グレイの肖像』、童話『幸福な王子』。フランス象徴主義の影響を受け、耽美的・頽廃的な19世紀末文学の旗手となった。警句や軽妙な会話を得意とし、社交界の寵児となったが、当時犯罪とされた同性愛で有罪となり、投獄され破産。出獄3年後にパリに死す。その唯美主義の影響は大きく、谷崎潤一郎も影響を受けた。
◆河合祥一郎(かわい・しょういちろう)
1960年生まれ。東京大学およびケンブリッジ大学より博士号を取得。現在、東京大学教授。著書に第23回サントリー学芸賞受賞の『ハムレットは太っていた!』(白水社)、『シェイクスピア 人生劇場の達人』(中公新書)、『NHK「100分de名著」ブックス シェイクスピア ハムレット』(NHK出版)など。角川文庫よりシェイクスピアの新訳、『不思議の国のアリス』、「新訳 ドリトル先生」「ポー傑作選」シリーズなどを刊行。
株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、 代表取締役社長:夏野剛)は、 2024年5月24日(金)に、『新訳 サロメ』(オスカー・ワイルド 河合祥一郎=訳 角川文庫)を発売します。
ワイルドの「サロメ」は日本初演からすでに110年経っており、毎年舞台化される名作戯曲で、今まで多くの訳者によって翻訳されてきました。今回、戯曲翻訳で定評のある東大教授・河合祥一郎氏が、画期的新訳と最新研究にもとづく新解釈で、その物語の真の意味を明らかにしました。
ですから、この「新訳 サロメ」こそが、真の「サロメ」――本当の「サロメ」だと、編集部は考えます。では、どういった部分が今までのサロメの訳と違うのか。またそれ以外の長所や、どんな物語なのかについても、以下で紹介します。
本書の新訳のポイントは以下の通りです。
ポイント1. シェイクスピア訳者がパリに実際に3ヶ月滞在(!)し、今まで見過ごされてきた男たちの意外な葛藤を訳出。
訳者あとがきにも書かれていますが、イギリス人のワイルドがなぜ本作に限ってフランス語で執筆したのか。そこにいったいどんな意図があったのか。本書の訳者・河合祥一郎氏はパリに3ヶ月滞在して、現地のフランス人俳優に取材しながら、それを丁寧に原文から訳出し、物語の真のドラマを明らかにしました(氏は東大教授で、シェイクスピア研究の第一人者でもあり、角川文庫でシェイクスピアの新訳シリーズを刊行しています。戯曲翻訳に定評のある方です)。
仏語には、人との距離感を表す二種類の語法――ヴーヴォワイエとチュトワイエがあるのですが、イギリス人のワイルドは物語の要所要所でそれを効果的に使っており、河合氏はワイルドの意図を丁寧に訳しわけることで、物語の鍵を握る登場人物ヨカナーンやエロド王の意外な葛藤を表現しました。
これによって今までのサロメを知る人は、本書を読めば物語の印象ががらりと変わると思います。
ポイント2. サロメに隠された男性同性愛の記号(モチーフ)
「サロメ」は、もとは新約聖書に描かれた物語ですが、聖書でのサロメは、母である王妃エロディアに命じられるがままにヨカナーンの首を請う娘――つまり母にいいように使われる駒としてしか描かれていませんでした。一方、ワイルドのサロメは、ヨカナーンへの激情を抱く少女であり、神秘的で悪魔的なファム・ファタールとして描かれています。この違いは何だと思いますか?
ワイルドはそこに重要な意味を込めていたのではないか、と、河合祥一郎氏は解説します。というのも、劇中に登場する「緑のお花」は、実は男性同性愛の記号です。そのためラストの悲劇的展開には、キリスト教による弾圧への抵抗(レジスタンス)の思いが込められており、後に男性同性愛で裁かれ、客死するワイルド自身の悲劇をも予言したのではないか、と氏は語ります。
番外編 ビアズリーの名画18点掲載!
サロメといえばビアズリーの名画ですね。本書ではその名画を18点も掲載しています。ワイルドとビアズリーの意外な関係や、じつはビアズリーがサロメの英語訳を担当したいと名乗りをあげた、といったエピソードまで、訳者あとがきで丁寧に紹介されています。
以上が、編集部が「本書こそが本当のサロメだ」と考えるゆえんです。日本初演から110年。私たちは、この河合訳によって、「本当のサロメ」にはじめて出会うのではないでしょうか。この奇跡の邂逅をいっしょに楽しみましょう。
なお、本書は国文学者のロバート キャンベル氏から、推薦文を頂戴しております。
「歪(いびつ)に見え実は巧みなフランス語でヴェールを纏(まと)ったサロメの姿を、初めて日本語で見た。クイアに美しく、リリカルな声に身震いがした」
編集部が自信をもってお届けする『新訳 サロメ』。
いままでのあなたのサロメ観が180度変わります。
ぜひともご一読ください。
<あらすじ>
日本初演から110年。私達は「本当のサロメ」に初めて出会う。
――月夜の晩。エロド王に請われ、妖艶な踊りを披露したサロメ。王に求めた褒美は美しき預言者ヨカナーンの首だった。少女の激情を描き、男性同性愛の記号(モチーフ)を潜(ひそ)ませることで、当時の西欧社会の抑圧を挑戦的に描いた本作は、実はワイルドの抵抗(レジスタンス)!? 仏語原文を忠実に読み解き、見過ごされてきた男達の意外な葛藤を示し、真のドラマ性を見事に新訳! ビアズリー画18点掲載。
『新訳 サロメ』について
◆書誌情報
『新訳 サロメ』(角川文庫)
著:オスカー・ワイルド
訳:河合祥一郎
発売:2024年5月24日(金)
定価:968円 (本体880円+税)
ISBN:9784041141960
発行:株式会社KADOKAWA
詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322306000247/
◆著者プロフィール
オスカー・ワイルド
アイルランド出身の小説家・劇作家・詩人・批評家(1854-1900)。代表作に戯曲『サロメ』『まじめが肝心』『レイディ・ウィンダミアの扇』、小説『ドリアン・グレイの肖像』、童話『幸福な王子』。フランス象徴主義の影響を受け、耽美的・頽廃的な19世紀末文学の旗手となった。警句や軽妙な会話を得意とし、社交界の寵児となったが、当時犯罪とされた同性愛で有罪となり、投獄され破産。出獄3年後にパリに死す。その唯美主義の影響は大きく、谷崎潤一郎も影響を受けた。
◆河合祥一郎(かわい・しょういちろう)
1960年生まれ。東京大学およびケンブリッジ大学より博士号を取得。現在、東京大学教授。著書に第23回サントリー学芸賞受賞の『ハムレットは太っていた!』(白水社)、『シェイクスピア 人生劇場の達人』(中公新書)、『NHK「100分de名著」ブックス シェイクスピア ハムレット』(NHK出版)など。角川文庫よりシェイクスピアの新訳、『不思議の国のアリス』、「新訳 ドリトル先生」「ポー傑作選」シリーズなどを刊行。
関連銘柄
銘柄 | 株価 | 前日比 |
---|---|---|
9468
|
3,045.0
(11/18)
|
+25.0
(+0.82%)
|
関連銘柄の最新ニュース
-
11/18 20:17
-
11/18 17:47
-
11/18 17:18
-
11/18 14:17
-
11/17 08:10
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 01:30
-
今日 00:30
-
今日 00:30
みんかぶおすすめ
\ 投資・お金について学ぶ入門サイト /