円安の動き、欧州株堅調などリスク選好で ドル円は１５５円台後半＝ロンドン為替概況

円安の動き、欧州株堅調などリスク選好で　ドル円は１５５円台後半＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場では、円安の動きが優勢。欧州株や米株先物・時間外取引などが堅調に推移しており、リスク選好型の円安圧力が働いているもよう。背景には米国や英国など主要中銀の早期利下げ開始観測がある。昨日の英中銀会合ではインフレ予測が引き下げられ、政策金利投票での利下げ派も従来の１名から２名に増加した。米経済指標では労働関連の新規失業保険申請件数が予想以上の増加しており、米早期利下げ観測につながったようだ。ドル円は155円台後半で底堅く推移。ユーロ円は168円目前まで、ポンド円は195円台前半へと高値を伸ばしている。ポンド相場にとっては、この日発表された第１四半期と３月のＧＤＰが強含んだことが買いを誘う場面があった。ポンドドルは1.25台前半で一時1.2540付近まで買われた。その後は上昇一服も、前日終値水準は上回っている。対ユーロでもポンド高で推移している。ユーロドルは1.07台後半での狭いレンジ取引となっている。ドル指数は東京時間に小幅上昇したあとは、前日終値付近で揉み合っている。

　ドル円は155円台後半での取引。東京午前の155.27近辺を安値に昼前には155.78近辺まで買われた。その後は午後に155.50付近まで一時反落も、ロンドン時間にかけて再び買われている。ただ、156円を試すほどの勢いはみられていない。米１０年債利回りは４．４４－４．４６％と前日ＮＹクローズを挟んだ推移にとどまっている。

　ユーロドルは1.07台後半での取引。本日これまでのレンジは1.0772から1.0787までにとどまっている。ユーロ円は東京午前の167.42近辺を安値に買われており、ロンドン時間には高値を167.97近辺まで伸ばしている。欧州株高などリスク選好の動きが下支えしている。対ポンドではポンド買いに押されている。

　ポンドドルは1.25台前半での取引。東京午前に1.2512近辺の安値をつけたあと、日本時間午後３時発表の英ＧＤＰが予想を上振れしたことで一気に1.2541近辺まで買われた。その後は買い一服も前日比プラス圏で揉み合っている。ポンド円は東京午前の194.48近辺を安値に買われている。ロンドン序盤には195.32近辺まで高値を伸ばした。その後も目立った調整は見られず高止まりしている。ユーロポンドは0.8614近辺を高値に0.8595近辺まで下落、ポンド買いが優勢。

minkabu PRESS編集部 松木秀明