【QAあり】YE DIGITAL、ビジネスDXや物流DXが好調に推移し増収増益 今期は次期中計を見据え成長に向けた投資を計画
2024年2月期(連結) 業績ハイライト
玉井裕治氏(以下、玉井):株式会社YE DIGITAL、代表取締役社長の玉井です。本日は2024年2月期YE DIGITAL決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
2024年2月期の業績についてご説明します。ビジネスDXや物流DXが好調に推移し、増収増益で決算を迎えることができました。売上高は195億400万円、前年比20.8パーセント増、営業利益は過去最高益を更新し、14億8,800万円、前年比63.6パーセント増、営業利益率は7.6パーセントとなりました。
2024年2月期(連結) 業績
本松隆之氏(以下、本松):取締役執行役員管理本部長の本松です。2024年2月期の決算概要と株主還元についてご説明します。
まず、2024年2月期の決算概要です。2024年2月期の売上高は195億400万円、前年から33億5,300万円増の20.8パーセント増となりました。内訳として、ビジネスソリューション事業が150億2,400万円、前年から31億2,500万円増の26.3パーセント増、IoTソリューション事業が44億7,900万円、前年から2億2,700万円増の5.4パーセント増となりました。
営業利益は14億8,800万円、前年から5億7,800万円増の63.6パーセント増となりました。経常利益は15億5,900万円、前年から7億2,300万円増の86.4パーセント増、親会社株主に帰属する当期純利益は10億9,200万円、前年から3億800万円増の39.4パーセント増となりました。1株当たり当期純利益金額は60円22銭です。
2024年2月期(連結) 事業別の概要
事業別の概要をご説明します。ビジネスソリューション事業の売上高は150億2,400万円です。当社プライムでのビジネスDX推進・構築の継続的な取組みにより、ERPソリューションが引き続き好調に推移し、前年度に比べて増加しました。また、健康保険者向けシステム構築についても、大規模プロジェクトの遂行により増加しました。
IoTソリューション事業の売上高は44億7,900万円です。旺盛な需要に対するソリューションの拡販により、物流DX事業が好調に推移し、前年度に比べて増加しました。また、インターネット・セキュリティ関連製品も増加しました。一方、畜産DXとスマートシティ向けのソリューションは減少しました。
2021年度から2期連続の増収増益となりました。
営業利益増減要因分析(2023年2月期~2024年2月期)
営業利益の増減要因分析です。一番左側が2022年度の営業利益で、9億900万円でした。2023年度はビジネスソリューション事業の売上増31億2,500万円に対する利益増が18億3,500万円、IoTソリューション事業の売上増2億2,700万円に対する利益増が1億3,400万円ありました。
売上が大きく増加しましたが、開発ボリュームも増加したため、外注費の増加等で4億8,000万円のマイナスとなりました。また、賃上げや増員といった人的投資や設備投資等の拡大により9億2,300万円のマイナスがあり、結果的に2023年度の営業利益は14億8,800万円となりました。
2025年2月期 通期 業績見通し(連結)
2025年2月期の業績見通しについてご説明します。売上高は200億円、前年比4億9,500万増の2.5パーセント増を見込んでいます。ビジネスソリューション事業は、大規模プロジェクトが一段落するものの、新たな案件獲得を展開することで前年レベルを維持し、売上高150億円を計画しています。また、IoTソリューション事業については、前年比5億2,100万円増の11.6パーセント増となる売上高50億円を計画しています。
営業利益は16億円、経常利益は16億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10億5,000万円、1株当たり当期純利益金額は57円90銭となる見込みです。
年間配当については16円を予想していますが、こちらについては後ほど「株主還元」でご説明します。
営業利益増減要因分析(2024年2月期~2025年2月期)
営業利益の増減要因分析です。2023年度の営業利益14億8,800万円に加え、IoTソリューション事業の売上増に対する利益増が2億9,200万円、さらに高採算事業の拡大による付加価値の増加が7億2,600万円です。
今後の投資として、増員や賃上げ等の人的投資、渋谷オフィスの新設に伴う設備投資、新たな開発投資等で計8億9,200万円を見込んでおり、2024年度の営業利益は16億円を計画しています。
株主還元
株主還元についてご説明します。当社の配当方針は、今後の事業拡大に向けた内部資金の確保と株主各位への長期にわたる安定的な配当を念頭に、当社の財政状況、利益水準、配当性向などを総合的に勘案して実施します。
2024年2月期の年間配当は、第2四半期が5円、期末が7円の年間12円でした。2025年2月期については、年間配当が4円増配の16円、配当性向は27.6パーセントを予想しています。
2023年度のROEの実績は20.8パーセントでした。
2022-2024中期経営計画の基本方針
玉井:中期経営計画のこれまでの実績と2024年度の取組みについてご説明します。当社は、2022年から2024年までの中期経営計画において「お客様に選ばれる『No.1企業』へ」をスローガンに、4つの方針に沿って取組みを進めています。
1つ目は「世界水準のビジネスDX推進力による顧客ニーズの獲得拡大」、2つ目は「社会をリードするAI・IoT製品による事業規模・領域の拡大」、3つ目は「顧客に感動を与えるサービス提供によるストック率の拡大」、4つ目は「社員と会社の挑戦と成長によるサステナビリティ経営の実現」です。
2022-2024年度 中期経営計画 実績と2024年度方針
2023年度の実績は、2024年度の目標を前倒しで達成することができ、利益については過去最高益となりました。
2024年度の方針としては「安定収穫と拡大」を目指し、次期中計の高成長軌道を描く起点となる年にしたいと考えています。過去最高収益の更新を目指し、売上高200億円、営業利益16億円を計画しています。
2024年度に中心となるものは、IoTソリューション事業の飛躍的拡大、ビジネスソリューション事業の高収益継続、サービスビジネスのストック率拡大です。これらに注力することで、さらなる企業成長を図り、次期中計につなげていきたいと考えています。
2022-2024年度 中期経営計画の遂行状況
定量的な遂行状況については、グラフのとおりです。2024年度の売上高目標は200億円で、過去最高の更新を目指していきます。営業利益についても、2023年度の14.8億円を上回る16億円を目標に進めています。
22-24年度 中期経営計画の遂行状況(2023年度)
2022-2024年中計の2023年度の遂行状況です。1つ目の方針については、大規模プロジェクトのQCD管理を徹底することにより、成功を目指し遂行中です。また、プライム経験によるDX推進・ノウハウの展開、富士通さまやアビームコンサルティングさまとの戦略的協業を進め、さらにDX人材の継続的な育成に努めてきました。
2つ目の方針については、物流DXで「MMLogiStation」の拡販に注力しました。こちらはカインズさまをはじめ、最新鋭の自動化に取り組む大規模倉庫での受注獲得・拡大が進んでいます。また、畜産DXでは「Milfee」に新たなサービス・機能を追加していくことが2023年度の課題となっており、その課題解決に向けた新サービスの開発に取り組み、2024年度に展開していこうと計画しています。
22-24年度 中期経営計画の遂行状況(2023年度)
3つ目の方針については、健康保険者向けシステムの運用保守を開発部門からサービス部門に完全に移管しました。さらに、2024年1月には物流DXサービスセンターを開設しました。
4つ目の方針については、当社の原動力となる人材、特に若手社員の育成に注力しました。継続的に実施し、成長スピードアップに向けた人材育成を進めていきます。
また、働きがいや働きやすさといった従業員のエンゲージメント向上の取組みとして、2023年6月にチャレンジを応援する制度を新設し、活発に応募がされる状況になっています。
22-24年度 中期経営計画 2024年度の取組み
2024年度の取組みについてご説明します。テーマは「次期中計の高成長軌道を描く起点となる」を掲げ、数値目標は売上高200億円、営業利益16億円を目指します。
2024年度は中計の3年目かつ最終年度ですが、売上・利益の伸び率は2022年、2023年より低調になっています。これは次期中計の高成長軌道を描くための起点と位置づけ、事業構造のシフトチェンジと事業資本への投資に積極的に取り組んでいくためです。
まず、事業構造のシフトチェンジについてです。ビジネスソリューション事業は2022年、2023年と大きく経営に貢献してきました。しかし、大規模プロジェクトが2024年度に一段落することもあり、それを埋めるべく、新たなビジネス領域の開拓・拡大をテーマとし、本事業は前年の横ばいまで確保していく計画です。
さらにIoTソリューション事業の今後の成長エンジンである物流DXを成長させることで利益面をカバーしていきます。
次に、事業資本への投資については、6月にIT企業が集積する渋谷に「渋谷オフィス」を新設します。これにより、企業ポテンシャルを高揚、社員の一段のスキルアップとポテンシャル高揚を図ります。競争が多く、優秀な人材が集まる渋谷に拠点を構えることで、中途採用における人材補強、人材採用に寄与するものと確信しています。
当社は人材がすべてのため、人的資本への投資を企業における重要なものと位置づけ、2024年度は積極的に投資を仕掛けていき、次期中計につなげる重要な1年にしたいと考えています。
事業構造を大きくシフトチェンジすることと2025年度からの次期中計の前準備として、半年前倒しで今年度9月に人事の変更を計画しています。数字の面では少し低調に見えるかもしれませんが、このような投資の年であるということをご理解いただければと思います。
22-24年度 中期経営計画 2024年度の取組み
2024年度の取組みの方針1についてです。大規模プロジェクトを確実に完遂させることと、ERP領域の拡大、データ活用ビジネスへの展開に取り組みます。
成長エンジンの強化として、戦略的パートナーの富士通さま、アビームコンサルティングさまとの連携を軸としたERP領域の新規開拓・拡大に加え、健康保険者向けシステム開発でのビッグデータを活用した、新たなビジネス領域の創出にチャレンジします。
22-24年度 中期経営計画 2024年度の取組み
方針2の取組みは、物流2024年問題の商機を捉えた拡販加速と導入拡大によるストック収益の確保です。
成長エンジンの強化としては、富士通さまと協業し、WMSからWESまで全体最適化した倉庫システムの導入を加速させます。
また、「誰でも倉庫管理者になれる」をキャッチフレーズに、意思決定支援ダッシュボード「Analyst-DWC」といったサブスク型サービスを市場に投入します。これらにより、物流倉庫における2024年問題の解決に貢献したいと考えています。
ビジネス基盤の強化については、長年にわたり食品市場で使用してきたAIのノウハウを、物流市場に向けて展開する取り組みも進めています。
畜産分野では、2024年3月にリリースした飼料流通合理化支援サービス「Milfeeオーダー」「Milfeeデリバリー」を市場投入します。これにより、単なる飼料の残量監視から一歩先に進んだ新しいサービスの提供が可能となります。
スマートシティ分野については、国際興業さまと連携強化することで導入拡大を図ります。
TOPICS!
方針2のトピックスです。ロジスティクス分野の社会課題解決へ向けて富士通さまと物流センター関連サービスを相互提供しています。
WMSの領域については、これまで大半のものはお客さま仕様であり、一品一様で作り込みを行っていました。しかしこれはハードルも高く、いろいろな問題もありました。これに対応した標準パッケージを使わなければ、人を増やし続けていかなければいけない事業になってしまいます。
30年来物流業界で仕事をしてきた当社の経験から、この領域については、すでに存在するものを使うことが効率的であると判断し、富士通さまがお持ちのWMSパッケージを利活用していくことにしました。当社の保有するWESが連携することで、倉庫内のデータが一気通貫でつながるようになります。
TOPICS!
トピックスの2つ目は、畜産分野における新サービスです。従来の「Milfee」は、タンク内の飼料の残量を遠隔で95パーセントの精度で測ることができます。しかし、残量を測るだけでは需要を満たせないことがこの1年で判明したため、それを補う2つのサービスを展開します。
その1つ目が「Milfeeオーダー」です。消費実績や将来予測により、飼料の残量がいつ枯渇するかを予測することで、慌てて発注することがなくなり、最適なタイミングで飼料を発注することができるサービスです。
さらに、今年3月から「Milfeeデリバリー」というサービスの提供も開始しています。トラックでの飼料配送時の無駄をなくすことで、効率よく輸送し、さらに物流の2024年問題にも寄与する新サービスです。
22-24年度 中期経営計画 2024年度の取組み
方針3の取組みとしては、AQUA発信のサービスビジネス拡大によるストック率の拡大と、物流DXサービスセンターを最大限に活用したサービス化を促進します。運用データを活用していくことで、新たな新規サービスを作り出していきます。
新たなお客さま、新たなサービスを展開していくということで、成長エンジンの2つ目は「システム運用ノウハウ展開による新規サービスの創出」です。当社が煩雑なシステム管理を一手にお引き受けし、お客さまのシステム管理の負担をなくすサービスを展開していきます。
TOPICS!
方針3のトピックスはSmart Service AQUAに今年1月に開設した物流DXサービスセンターのご紹介です。「MMLogiStation」「Analyst-DWC」といった物流DX向けサービスの運用保守のワンストップ支援、また運用データの活用、運用ノウハウの展開による新規サービスを作り出していきます。
22-24年度 中期経営計画 2024年度の取組み
方針4の取組みは、事業の安定と拡大を支える社内DX推進とサステナビリティ経営の実現に向けた変革です。DXツールのフル活用による業務効率化、生産性向上、サステナビリティ経営の推進を強化していきます。
TOPICS!
方針4のトピックスです。2024年6月にIT企業が集積するビットバレー「渋谷」に新オフィスを新設します。今までは、営業・マーケティングと開発がそれぞれ別のオフィスにいましたが、すべてがワンフロアに集結します。これにより、販技連携による協創を強化していきます。
質疑応答:新設する渋谷オフィスにおける採用戦略について
司会者:「渋谷オフィス新設に際し、具体的な採用戦略や他社との差別化ポイントを教えてください」というご質問です。
玉井:渋谷オフィス新設の背景には、街に多くのIT企業、ベンチャー企業が集結し、多くのIT人材が働いているということがありました。IT人材が多くいるということは流動化も進んでおり、他社で経験を積んだ優秀な人材を獲得できるのではないかという期待もあります。
また、当社のIoTをはじめ、DX技術、製品、市場展開については、ニッチで創造的でとがっており、他社と比べて魅力だと考えています。渋谷で獲得した人材が加わることで、それがより強固なものになっていくと思います。
当社は、本社がある九州で新卒採用を集中的に実施しています。過去、東京採用と本社採用を並行して行っていた時代もありましたが、当社の知名度は全国区ではないため、東京での採用がなかなかうまくいかず、九州にゆかりのある優秀な人材を採用する方針にシフトしました。九州地区の優秀な人材が当社に来てくれるようになりました。
しかし、若手社員が積極的に東京に行きたがらないという問題が新たに出てきました。それは本社と東京オフィスの環境に明らかな差があったことが関係しています。ビットバレー「渋谷」に立派なオフィスを構えることで、「東京に行きたい」と積極的に手を挙げる若手社員が出てくるのではないかと期待し、この投資に踏み切りました。
質疑応答:女性管理職の登用状況について
司会者:「女性管理職の登用状況を教えてください」というご質問です。
本松:女性管理職の登用状況についてですが、2024年4月現在の管理職の女性比率は7.6パーセントとなっています。女性の社員数は138名、うち女性管理職が14名、そのうち1名は執行役員です。
当社は従前から女性活躍を推進する取組みを進めており、女性管理職比率も10パーセントを目指しています。近年は女性の採用数も増えました。今後も女性が活躍できる場をしっかり作っていきたいと思います。
質疑応答:主な顧客の業種について
司会者:「御社の主な顧客はどのような業種でしょうか?」というご質問です。
玉井:当社の事業は、ビジネスソリューション事業、IoTソリューション事業、サービスビジネスの3つに分かれています。
ビジネスソリューション事業では、主に製造業を中心としたDX化を業務の主体としています。
IoTソリューション事業では、拡大している物流分野において、ホームセンターなどの大規模な小売販売店やEC販売業、物流倉庫といった業種が主なお客さまです。加えて、畜産分野では、第1次産業の農業従事者や飼料を製造しているメーカー、さらにはその飼料を運ぶ運送業がお客さまとなります。
質疑応答:物流DXサービスセンターについて
司会者:「2024年1月に開設された物流DXサービスセンターについて、もう少し補足説明をお願いします」というご質問です。
本松:物流DXサービスセンターは、2024年度の次期中期経営計画の大きな成長のための仕込みとして、サービスビジネスを伸ばすための位置づけとして「Smart Service AQUA」に設置しました。今後は物流DXサービスセンターで物流DXサービスに取り組んでいきたいと思っています。
質疑応答:今後の事業展開について
司会者:「今後の事業展開について教えてください」というご質問です。
玉井:ビジネスソリューション事業は、安川電機さまのDXプロジェクト(YDX)を、プライムで世界レベルの製造業の企業についてやりきったノウハウが大きな財産です。今後は同業他社へ横展開することが中心となります。
2023年にピークを迎えた安川電機さまのDXプロジェクト(YDX)は、今年から一定量が減っていきます。当社単独では新規顧客の開拓が難しいところもあるため、富士通さまやアビームコンサルティングさまとの連携で販路を拡大して減少分を埋め、前年実績の数値を維持すべく計画しています。
IoTソリューション事業については、物流市場の追い風に一気に乗っていきます。倉庫業務における意思決定支援ダッシュボード「Analyst-DWC」という当社初のサブスク型のサービスを市場に展開していきます。こちらについても、当社の営業力では限界があるため、提案メーカーさまと連携し、受注・売上の拡大を図っていきます。
質疑応答:成長想定や配当性向の数値目標について
司会者:「2025年2月期の売上高および営業利益の想定値が、2024年2月から見ると低いように思えますが、その理由を教えてください。また、2025年2月期の目標配当性向27.6パーセントは不十分と考えます。自社株買いを含めた総還元性向について、少なくとも35パーセント以上を目指すことはできないのでしょうか?」というご質問です。
玉井:先ほどもお伝えしましたが、2025年から始まる次期中期経営計画で大きく成長するために、2024年度は発射台の準備として仕込みが必要です。そこに向けて事業の構造改革や収益性の高いサブスク型製品の市場投入などを計画しています。
加えて、渋谷オフィスへの大規模な投資や人的資本への投資なども進めるため、利益の成長率を低くみています。このように、2024年は次期中期経営計画に向けての投資の年であるとご理解いただければと思います。
配当性向については、当社の純利益の約3分の1を1つの目安と考えています。3割には若干届いていませんが、そのような考えで配当計画を立てています。
質疑応答:株価の急落について
司会者:「本決算発表後、株価が急落しています。社長として、その点についてどのように認識しているのか、ご教示願います」というご質問です。
玉井:株価の急落は確かに私も胃が痛い思いですが、当社に対する期待値でもあると理解しています。急落は期待の裏返しと捉え、引き続き事業の成長・拡大に向けて取り組みます。
先ほどからお伝えしているように、2024年度は投資等により成長率が低くなることも株価に影響を与えていると認識しています。2024年度はこの計画をやり遂げ、次期中期経営計画での飛躍的な拡大を目指してまいります。
質疑応答:2024年・2025年の見通しについて
司会者:3つご質問をいただきました。1つ目に「2024年2月期の第4四半期は減収減益でしたが、減速した背景を教えてください」。2つ目に「2025年2月期の安川電機向けの売上見通しをどのように想定していますか?」。3つ目に「2025年2月期の営業利益増減分析で示されている費用の増加項目8億9,200万円について、内訳があればご紹介ください」というご質問です。
本松:まず第4四半期の売上の伸びについてですが、ご指摘のとおり、第3四半期と比べて減収となりました。主にビジネスソリューション事業のビジネスDXにおいて、大規模プロジェクトが当初の計画よりも前倒しで進んだことにより、第4四半期に反動減となり減少しています。しかし、IoTソリューション事業については、第3四半期、第4四半期と堅実に伸びています。
2つ目の安川電機さま向けの売上については、2023年度は87億円でした。2022年度が64億5,000万円で、そこから大きく伸びていますが、こちらが大規模プロジェクトの遂行による伸びです。2024年度はこの部分が一段落するため、伸びがあまり見込めない状況です。
しかし、安川電機さま向けの大規模プロジェクトの遂行によって培ったノウハウを、他社へのビジネスDXとして展開します。富士通さまやアビームコンサルティングさま等との連携も含め、ビジネスソリューション事業は、2024年度は2023年度のレベルを維持したいと考えています。また、IoTソリューション事業は、引き続き好調に推移していますので、引き続き売上を伸ばしていきたいと思います。
3つ目の2025年度の営業利益の増減要因分析の件については、8億9,200万円を投資すると記載しています。内訳としてはその半分以上が人的投資であり、賃上げや要員の増加が占めています。また、渋谷オフィスの設備投資も割合としては大きくなっています。新しい開発も進めていくなど、次期中計に大きく伸びるための投資を進めています。
質疑応答:一般的なSIerとの違いについて
司会者:「御社の特徴として、一般的なSIerとの違いを教えてください」というご質問です。
玉井:当社は、安川電機さまから分社化したという生い立ちがあります。このような経緯から、ビジネスシステムなどのシステム構築にとどまらず、安川電機さまの製品開発も担ってきました。私も20代から30代前半まで、安川電機さまの製品開発を経験しています。
当社は長きにわたって蓄積したノウハウを、その市場に特化しビジネスにしていくという特徴があります。その1つが、製造業中心のビジネスシステムの領域です。また、当社は物流分野も30年来取り組んでいます。今回の説明では触れていませんが、医療機器も長きにわたり取り扱っています。
このように、当社はひととおりの作法をわきまえた上で、その領域に向けてビジネスを展開していくため、広く浅くではなく、どの市場に向けても特化した領域に強みがあると考えています。
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