*15:04JST エフ・コード Research Memo(4):M&Aを活用し事業領域拡大(2)
■エフ・コード<9211>の事業概要
・チャットボットSaaS
Webサイトの使い易さを向上するチャットボットSaaS「sinclo」とLINEを活用したマーケティング・チャットボットSaaS「hachidori」を提供する。企業のニーズに応じて、WebサイトとLINEのどちらでも対応できるツールを提供できる。2022年11月にメディアリンクから譲り受けた「sinclo」は、ノーコードでWebサイトにチャットボットを簡単に導入できるツールであり、800社以上で利用されている。アイティクラウド(株)運営のIT製品レビュープラットフォーム「ITreview」における「ITreview Grid Award 2023 Winter」では、「Web チャット」「オンライン商談」「チャットボットツール」の3 部門で「Leader」に選出された。同年12月に譲り受けた「hachidori」は、LINEの開発パートナー(Technology Partner)として認定バッジ「Nortification」を保持する国内4社のうちの1社であるhachidoriが、8,000件を超えるLINE公式アカウントの開発・運用実績をベースに勝ち筋の機能・サービスを凝縮したツールで、大手企業はじめスタートアップや教育・行政まで幅広く利用されている。また、LINE WORKSを運営するワークスモバイルジャパン(現 LINE WORKS(株))より「Best Collaboration Award」を受賞している。
(4) データサイエンス・LTVマーケティング事業
2024年1月に子会社化したBINKSは、GoogleやYahooなどの媒体データ、クライアントの保有する顧客データなどを取り込んで機械学習することで、クライアントの優良顧客とその期待収益、LTVを予測し、その優良顧客にフォーカスしたマーケティング・セールス活動などの支援を行うデジタルマーケティング・コンサルティング集団である。データを集積・利活用するビジネスモデルであり継続型の売上が収益の大半を占める。
その特色は、コアのデータテクノロジー、データ分析技術を用いて、クライアントのユーザーの中から誰が優良顧客になるか、そしてpLTV(=predicted Life Time Value予測顧客生涯価値)を予測し、その優良顧客とpLTVの最大化にフォーカスしたマーケティング施策を打てることにある。このLTVサイエンスのナレッジをクリエイティブ、マーケティング、テクノロジーのそれぞれの事業領域に組み込むことで、グループとしてのシナジー効果向上が期待される。具体的には、各SaaSツールへの同社の機械学習、LTVの予測機能などをビルドインし、より精度の高いCX施策が提供できるほか、DXサービスを提供中のクライアントに対して、新たに機械学習による分析やpLTV起点の施策改善を実施し、より高いパフォーマンスの実現も可能になる。
2. 同社の強み
企業のDX需要が強まり、DX市場が拡大する中で、人材の慢性的な不足が課題となっているが、同社は反対に人材が強みの1つとなっている。同社がM&Aを行った子会社は、単独でも上場が可能な企業もあり、業界でも著名なファウンダーや経営陣が揃っている。そして、彼等がそのままグループに参画しており、その従業員も含めて、グループの人員は50人規模から150人規模に増加した。特に急成長を遂げているベンチャー企業を作り上げた経営陣がそのままグループに多数参画していることで、事業展開のスピードやアイディア等の面で見えざる資産として大きく機能している。また、彼等1人1人を新たな求心力の源として、ユニークなIT人材が興味や関心を持って雪だるまのように集まる構図が出来上がっているようだ。加えて、同社単体においても、多数のファイナンス、マーケティング領域のプロフェッショナル人材が参画しており、集まった人材を活かす経営組織・体制作りやマーケティング支援を可能にしている。
もう1つの強みは、同社のCXデータ基盤のみならず、グループ化した各社、各事業が多様かつ豊富なデータを保有していることだ。獲得した複数のSaaSプロダクトや複数のマーケティングサービスと、そのデータを掛け合わせることで、高いパフォーマンスを実現し、クライアントから評価されるサービスが展開できる。また、一気通貫でデジタルマーケティング全般に対して、クロスセル等を通じたサービス提供が可能となっている点は、同社の非常に高い利益率の源になっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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・チャットボットSaaS
Webサイトの使い易さを向上するチャットボットSaaS「sinclo」とLINEを活用したマーケティング・チャットボットSaaS「hachidori」を提供する。企業のニーズに応じて、WebサイトとLINEのどちらでも対応できるツールを提供できる。2022年11月にメディアリンクから譲り受けた「sinclo」は、ノーコードでWebサイトにチャットボットを簡単に導入できるツールであり、800社以上で利用されている。アイティクラウド(株)運営のIT製品レビュープラットフォーム「ITreview」における「ITreview Grid Award 2023 Winter」では、「Web チャット」「オンライン商談」「チャットボットツール」の3 部門で「Leader」に選出された。同年12月に譲り受けた「hachidori」は、LINEの開発パートナー(Technology Partner)として認定バッジ「Nortification」を保持する国内4社のうちの1社であるhachidoriが、8,000件を超えるLINE公式アカウントの開発・運用実績をベースに勝ち筋の機能・サービスを凝縮したツールで、大手企業はじめスタートアップや教育・行政まで幅広く利用されている。また、LINE WORKSを運営するワークスモバイルジャパン(現 LINE WORKS(株))より「Best Collaboration Award」を受賞している。
(4) データサイエンス・LTVマーケティング事業
2024年1月に子会社化したBINKSは、GoogleやYahooなどの媒体データ、クライアントの保有する顧客データなどを取り込んで機械学習することで、クライアントの優良顧客とその期待収益、LTVを予測し、その優良顧客にフォーカスしたマーケティング・セールス活動などの支援を行うデジタルマーケティング・コンサルティング集団である。データを集積・利活用するビジネスモデルであり継続型の売上が収益の大半を占める。
その特色は、コアのデータテクノロジー、データ分析技術を用いて、クライアントのユーザーの中から誰が優良顧客になるか、そしてpLTV(=predicted Life Time Value予測顧客生涯価値)を予測し、その優良顧客とpLTVの最大化にフォーカスしたマーケティング施策を打てることにある。このLTVサイエンスのナレッジをクリエイティブ、マーケティング、テクノロジーのそれぞれの事業領域に組み込むことで、グループとしてのシナジー効果向上が期待される。具体的には、各SaaSツールへの同社の機械学習、LTVの予測機能などをビルドインし、より精度の高いCX施策が提供できるほか、DXサービスを提供中のクライアントに対して、新たに機械学習による分析やpLTV起点の施策改善を実施し、より高いパフォーマンスの実現も可能になる。
2. 同社の強み
企業のDX需要が強まり、DX市場が拡大する中で、人材の慢性的な不足が課題となっているが、同社は反対に人材が強みの1つとなっている。同社がM&Aを行った子会社は、単独でも上場が可能な企業もあり、業界でも著名なファウンダーや経営陣が揃っている。そして、彼等がそのままグループに参画しており、その従業員も含めて、グループの人員は50人規模から150人規模に増加した。特に急成長を遂げているベンチャー企業を作り上げた経営陣がそのままグループに多数参画していることで、事業展開のスピードやアイディア等の面で見えざる資産として大きく機能している。また、彼等1人1人を新たな求心力の源として、ユニークなIT人材が興味や関心を持って雪だるまのように集まる構図が出来上がっているようだ。加えて、同社単体においても、多数のファイナンス、マーケティング領域のプロフェッショナル人材が参画しており、集まった人材を活かす経営組織・体制作りやマーケティング支援を可能にしている。
もう1つの強みは、同社のCXデータ基盤のみならず、グループ化した各社、各事業が多様かつ豊富なデータを保有していることだ。獲得した複数のSaaSプロダクトや複数のマーケティングサービスと、そのデータを掛け合わせることで、高いパフォーマンスを実現し、クライアントから評価されるサービスが展開できる。また、一気通貫でデジタルマーケティング全般に対して、クロスセル等を通じたサービス提供が可能となっている点は、同社の非常に高い利益率の源になっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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